EXGEL MAXチャンプ最終戦、3クラス106名のカートドライバーが夏の鈴鹿で熱戦繰り広げる。各王者がアメリカ行きの切符掴む
EXGEL MAXチャンプ最終戦が鈴鹿サーキット南コースで開催され、3クラスの2025年チャンピオンが確定した。
EXGEL MAXチャンプ シニアクラスのスターティンググリッド
写真:: EXGEL Motorsport
2025年7月12日〜13日、EXGELが協賛するMAXチャンプの最終戦となるラウンド5が開催された。鈴鹿サーキット南コースにはミニ23名、ジュニア39名、シニア44名と3クラスで106名のドライバーが集い、最終戦にふさわしい熱気にあふれたパドックとなった。
MAXチャンプを含むRotax MAX Challenge(RMC)鈴鹿シリーズ全体としては6クラス198台ものエントリーを集め、当年から新フォーマットで発足した当シリーズが早くも日本のカートレースの台風の目とも言える存在となった。
ラウンド4までは土日に1レースずつ行なわれる2レース制での開催だったが、ラウンド5は総当たりの予選にプレファイナルも加えた土日1レース制が採用された。これは欧州のメジャーな大会で多く採用されるフォーマットで、よりドライバーの総合力が要求される。
レースウィークの練習走行日には、MAXチャンプのドライビングコーチである佐藤蓮がジュニア、野村勇斗はシニアに加わって走行。現役ドライバーたちを驚かせる卓越したドライビングを披露していた。
ポイントランキングでは前戦のラウンド4終了時点で、ミニはろいど海翔、ジュニアは坂野太絃、シニアは徳岡大凱がシリーズをリード。シリーズチャンピオンは日米交換留学に選抜されアメリカのレースへの参戦がサポートされるため、タイトルの行方にも大いに注目が集まることとなった。
ミニMAXクラス
藤原迪永
写真: EXGEL Motorsport
23台が出走したミニMAXクラスの予選プラクティス(QP)で、トップタイムを記録したのは藤原迪永。2番手に刈米敦哉、3番手に細川瑛斗が続き、チームSD-STYLEが上位を独占した。一方ポイントランキングをリードするろいどは8番手と、やや後方から予選ヒートに臨むこととなった。
3ヒート行なわれる予選では藤原が手堅くまとめ、予選総合トップに立った。予選総合2番手はQPでの出遅れを挽回したろいど、3番手には韓国から参戦のヨーン・アイザックがつけた。この予選総合ポイントでプレファイナルのスターティンググリッドが確定する。
プレファイナルでは上位陣の接近戦が繰り広げられる中、一気に順位を上げてきたのが8番手スタートの細川だった。細川は最終コーナーでトップに立ちゴールラインを通過。2位に藤原、3位に刈米という着順となった。
決勝のスターティンググリッドは、予選総合ポイントとプレファイナルのポイントの合算で決まる。ポールポジションは全ヒートをトップ3以内でまとめた藤原が獲得。2番手スタートはポイントリーダーのろいど、3番手ヨーン、4番手刈米までがフロント・セカンドロウに並んだ。
そして迎えた決勝。ホールショットを決めた藤原をヨーンと細川が僅差で追い、序盤はこの3台がトップグループを形成。その後方ではセカンドグリッドスタートのろいどが徐々に順位を落とす展開となった。レース終盤には細川が一気に仕掛けトップに立つと、2番手の藤原を引き離しにかかった。しかし余力を残していた藤原がラスト2周で再びトップに立つと、安全なギャップを保ったままトップチェッカーを受けた。2位フィニッシュは大いに見せ場を作った細川、3位に刈米が続きSD-STYLEが表彰台を独占することとなった。
注目のポイントランキングでは、5戦中4戦の有効ポイント制で101ポイントを獲得したろいどがシリーズを制覇。2位は95ポイントの藤原、今大会を欠場したハン・ジョンが86ポイントでシリーズ3位に入った。
ジュニアMAXクラス
横山輝翔
写真: EXGEL Motorsport
ジュニアMAXクラスのQPには39台が出走。総合トップタイムは今シーズン躍進を見せる柴崎尊がマーク。2番手に飯田一仁、3番手にはアメリカから参戦のジャクソン・ポーターがつけ、今季ミニからジュニアにステップアップしたルーキー3人が上位を占めた。4番手にはジュニア2年目の有力ドライバーである横山輝翔がつけた一方、今大会大本命のポイントリーダー坂野太絃は10番手と出遅れた。しかしながらポイントランキングでは最終戦出場時点で付与されるポイントがあり、坂野はポイント計算上、出走時点で既にチャンピオンとなることが確定していた。
4グループに分けられ総当たり形式で行なわれる予選ヒート。3ヒート中2ヒートで1番手となった横山が予選総合ポイントでトップに立った。2番手には7番手からじわじわと順位を上げてきた楠本心真、3番手に飯田、4番手は17番手から追い上げてきた元田心絆という上位陣となった。
プレファイナルはA・Bの2グループ制で進行。Aグループでは順当に横山がトップチェッカーを受け、2番手には今大会好調の新橋武が浮上してきた。Bグループはルーキー柴崎が3番手スタートからトップを奪取、2番手には元田が続いた。
予選・プレファイナルを終え、決勝のポールポジションは横山が獲得、その隣には楠本が並んだ。セカンドロウ3番手に元田、4番手に柴崎という上位陣で決勝のスタートを迎えた。
決勝は3番手スタートの元田が1コーナーでトップを奪うも、ヘアピンでは横山が落ち着いてトップを奪還。しかしその直後、元田に楠本が乗り上げる形で交錯。2番手・3番手スタートのドライバーが後方に沈むという波乱のオープニングラップとなった。
レース序盤はトップ横山を柴崎、今回スポット参戦の前田蒼介、そしてチャンピオン坂野が等間隔で追う展開に。中盤には前田が2番手に浮上して横山を追い、その後方では3番手の柴崎が徐々に引き離されていった。4番手を走行していた坂野のペースはさらに厳しく、5番手集団に飲み込まれてしまった。
レース終盤、前田は自己ベストを更新しながら必死に横山を追うが、最後に底力を見せた横山がリードを拡大しトップチェッカーを受けた。2位に前田、3位に柴崎が入り表彰台を獲得した。
坂野のシリーズタイトルは既に確定していたが、結果的にチャンピオンの坂野とランキング2位の横山は同ポイントでシリーズを終えることとなった(同ポイントの場合上位入賞回数でランキングが確定される)。
シニアMAXクラス
澤田龍征
写真: EXGEL Motorsport
今シーズン最多の44台が出走したシニアには、スーパーGT500クラスを戦う松下信治、スーパーフォーミュラライツを戦う三井優介も参戦し、注目を集めた。
QP総合トップは澤田龍征、2番手に佐々木芳音、3番手には手塚大雅が続く。ポイント上位ランカーでは塩田惣一朗が4番手とまずまずの位置につけたが、徳岡大凱は7番手、昨年のチャンピオンクインティン・ルゥは11番手と出遅れた。
予選では澤田が全ヒートトップで終了。予選総合2番手は塩田、3番手に佐々木、4番手にはQPの12番手から上げてきた井上瑞基が続いた。澤田はプレファイナルもA組トップで終え、QPから一度も首位を譲ることなく決勝のポールポジションを獲得した。プレファイナルB組は塩田がトップチェッカーを受け、決勝はフロントロウ2番手からのスタートとなった。
いよいよ迎えたシニアの決勝、1コーナーを塩田、澤田、佐々木の順で抜けていった後方で多重クラッシュが発生。オープニングラップからフルコースイエローが掲示されることとなった。
ニュートラリゼーション解除後は澤田がトップを快走。2番手塩田、3番手佐々木の背後には6番手スタートから猛然と追い上げてきたルゥが迫ってきた。ルゥは佐々木を攻略すると、必死にトップ2台を追った。ポイントリーダーの徳岡も4番手でトップを追い、シリーズチャンピオンの可能性を残したドライバーたちの気力を振り絞るような展開が続いた。
澤田のペースは終盤にも落ちることなく、後続に1秒以上のギャップを築いてトップチェッカーを受けた。2位塩田、3位ルゥ、4位に徳岡が入り、この時点ではシリーズランキングのポイント計算が追いつかない状況であった。
正式結果が出るとシリーズチャンピオンは93ポイントの澤田龍征で確定し、昨年のジュニアタイトルに続き2年連続でチャンピオンの座についた。シリーズ2位はわずか1ポイント差でルゥ、さらに1.4ポイント差で徳岡がシリーズ3位となり、激戦のシニアを象徴するかのような僅差の幕切れとなった。
ろいど海翔、澤田龍征、坂野太絃
写真: EXGEL Motorsport
2025年、オーガナイザーとレースフォーマットを一新してスタートしたMAXチャンプは、エントリー数の増加や海外からの参戦の促進によるレースの活性化など、大きなインパクトを残してシーズンを終了した。
レースの翌日にはMAXチャンプとホンダレーシングスクール(HRS)によるサマースクールも開催され、47名の参加者からは多くの喜びの声が聞かれた。
秋には3クラスのチャンピオンドライバーを日米交換留学の選抜としてアメリカのレースに参戦させる計画が進行しており、詳細がまもなく発表される。EXGELが手がけるカートレースの、さらなる成長を期待させる鈴鹿でのシーズンフィナーレとなった。
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