F1 バーレーン公式プレシーズンテスト

レッドブル代表の“女性問題”疑惑浮上から1年……ホーナーとチームを取り巻く環境はどう変わった?

レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーが女性従業員に不適切な行為を行なった証拠を示したとされるメールが出回ってからちょうど1年……疑いが晴れたホーナー代表とチームには、この12ヵ月でどのような変化があっただろうか?

Ben Hunt

Ben Hunt

公開日時: 2025/03/03 9:43

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing

 2024年の2月29日、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が女性従業員に対して不適切な行為を行なっていたとする証拠が匿名のメールで出回ってから1年が経過した。この12ヵ月で、ホーナー代表とチームをめぐって、どのような変化があっただろうか?

 このメールは2024年シーズン初戦を控えた現地時間29日18時22分に、F1チーム首脳陣やジャーナリスト、F1オーナーを含む関係者100人以上に「クリスチャン・ホーナーの調査証拠」という件名で送信されていた。メールにはGoogleドライブへのリンクと、「レッドブルの最近の調査や声明に続いて、添付された資料をご覧になると、興味を持つはずだろう」というメッセージが添えられていた。

 ドライブの中身は、WhatsAppの不連続なトーク履歴の画像や、送信された写真だった。

 ホーナー代表は、チーム内部の調査によって潔白が証明されており、本人も常に不適切行為を否定。ただ、厳しい目が向けられた。対立する人物からは透明性を求められ、マックス・フェルスタッペンの父ヨス・フェルスタッペンからは、ホーナー代表の存在がレッドブルを崩壊に導いているとの主張もあった。

 ホーナー代表はメールやその内容についてコメントを拒否していたが、その告発はメディアを騒然とさせた。その後、数週間にわたって様々な憶測が飛び交い、法廷闘争が繰り広げられ、レッドブルが崩壊しつつあると囁かれた。

 さて、あの怪メールが公開されてから1年が経った今、ホーナー代表やレッドブルはどのような状況に置かれているのだろうか?

裁判

 2024年8月8日、ホーナー代表によるハラスメントをめぐる疑惑の渦中にあった女性の控訴が棄却された。最初の申し立てが棄却された後、この女性は上訴の権利を行使していた。

 レースチームの親会社にあたるオーストリアのレッドブルGmbHは声明で次のように説明した。

「苦情を訴えた側は異議を申し立てる権利を行使し、それらは別の独立した弁護士のもとで行なわれた。不服申立てのプロセスの全ての段階が終了し、それは認められないという最終的な結果が出された」

「この結論はレッドブルに受け入れられ、採択された。社内プロセスは完了している」

関連ニュース:

ホーナー代表の立ち位置

Businessman Chalerm Yoovidhya, Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing

Businessman Chalerm Yoovidhya, Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing

Photo by: Jon Noble

 ホーナー代表はレッドブルGmbHの株式51%を保有するタイ人オーナー、チャルーム・ユーウィッタヤーとの関係から恩恵を受けた。疑惑の後、昨年のバーレーンGPではホーナー代表の側にユーウィッタヤーがおり、ふたりの関係はより強固なモノに。ホーナー代表としては強力な後ろ盾を得た。

 イギリス・ロンドンで開催された2025年のF1合同ローンチイベント“F1 75”に先立ち、ホーナー代表はリラックスしたムードで報道陣の取材に応じ、1年前の騒動について言及。「年末には必ず両方のトロフィーをキャビネットに戻したいというモチベーションがチーム内にはある」と語った。

 そして周囲からの批判について尋ねられたホーナー代表はこう答えた。

「何も証明すべきことはないと思う。我々はサーキットへ出ていって争い、レースを楽しむんだ」

 ホーナー代表はやる気に満ち溢れており、2024年に失ったコンストラクターズタイトルを奪い返そうと活力を得ているように見える。どちらかと言えば、立場は強化されている。

重役の離脱

Adrian Newey, Chief Technology Officer, Red Bull Racing

Adrian Newey, Chief Technology Officer, Red Bull Racing

Photo by: Alexander Trienitz

 2024年5月1日、レッドブルでチーフテクニカルオフィサーを務めてきた伝説的レーシングカーデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイは、F1マシン開発から離れ、2025年には同チームを去ることを発表。後にアストンマーティンへの移籍も発表された。

 ニューウェイの離脱は当然ながら衝撃的な展開であり、レッドブルが成功を収めたマネジメント体制の崩壊を意味していた。最高のF1デザイナーを失ったチームはどう対処していくのだろうか?

 8月1日には、レッドブルのスポーティングディレクターであるジョナサン・ウィートリーが離脱を発表。ウィートリーもニューウェイと同じく2006年からチームに在籍し、大黒柱として支えてきた。

 ふたりの退団がどれだけの影響をもたらすのか、それは2025年シーズン中に明らかになるだろう。チームの外からの見方では、間違いなく損失だ。しかし内部では枯れ木を一掃したようなモノだとも言える。

関連ニュース:

ホーナー代表とフェルスタッペン父との関係

Jos Verstappen, Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing

Jos Verstappen, Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing

Photo by: Red Bull Content Pool

 1年前、ふたりの関係は一触即発。和解は不可能だと考えられていた。今では信じられないかもしれないが、ふたりは話をするだけでなく、夕食を共にする仲だ。

 ヨス・フェルスタッペンが、息子マックス・フェルスタッペンがチームを離れるしかない状況に追い込まれていると大げさに主張し、オーストリアGPのレジェンドパレードラップでレッドブルのF1マシンを運転する予定だったヨス・フェルスタッペンをホーナー代表が問題視することも……驚くべきことだが、ふたりの関係は良好だ。

ホーナー代表とヘルムート・マルコの関係

 ホーナー代表と、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコの関係は、ヨス・フェルスタッペン同様に緊張がほどけた。

 ホーナー代表の不適切行為を発端に、チーム内では権力抗争が勃発し、マルコがチームを去るのではないかとも噂された。また、昨年姉妹チームのRBで起用していたダニエル・リカルドをめぐっては、マルコがシーズン序盤で解雇したがっていたものの、愛着のあるホーナー代表が食い止めるということがあった。

 ホーナー代表としては、レッドブルでかつてのコンビであるマックス・フェルスタッペン×リカルドを復活させたかったようだが、結果的にリアム・ローソンを2025年から起用することでマルコと折り合いがついたようだ。

マックス・フェルスタッペンのムード

 2024年は父親とチーム代表の諍いに巻き込まれたマックス・フェルスタッペン。その緊張関係や、ライバルであるマクラーレンのランド・ノリスからのプレッシャーをものともせずドライバーズタイトル4連覇を達成した。

 新シーズンに向けて、予想屋はノリスに賭けようとしているが、プレシーズンテスト中のマックス・フェルスタッペンの雰囲気は、どこか清々しかった。さほどラップタイムは伸びなかったものの、表情自体は明るかったのだ。

 レッドブルは三味線を弾いていたのだろうか? おそらくそうだろう。しかしマックス・フェルスタッペンからは違う雰囲気が感じられた。F1合同ローンチイベント“F1 75”会場からのブーイングを一身に受け止め、メルセデスのジョージ・ラッセルからのドライビングスタイル批判にも噛みつかなかった。自信に満ちているのだ。

 結局のところ、過去1年間の激動にもかかわらず、レッドブル陣営は新シーズンに向けて堅実なようだ。

関連ニュース:

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025の開催決定! 日本GPを東京・お台場でも楽しめる……F1とエンタメの融合

次の記事 ホンダには脱帽だ……アストンF1代表、新相棒に大きな期待。かつてメルセデスPU黄金時代築いた経験活かし陣営の効率化図る

More from

Ben Hunt



アウディF1へと生まれ変わるザウバー、新体制で基盤が強化。久々表彰台の「イギリスでは一体感を感じた」将来的な上位争いも夢じゃない?

F1

F1

イギリスGP

2025/07/17

アウディF1へと生まれ変わるザウバー、新体制で基盤が強化。久々表彰台の「イギリスでは一体感を感じた」将来的な上位争いも夢じゃない?



キャデラックF1は月を目指す? NASA式のチームモデルで英・米のダブル拠点のメリットを最大限活用へ

F1

F1 2025/07/03

キャデラックF1は月を目指す? NASA式のチームモデルで英・米のダブル拠点のメリットを最大限活用へ



大物俳優とF1のコラボが止まらない。キアヌ・リーブスが新規参戦キャデラックのドキュメンタリー出演へ

F1

F1

オーストリアGP

2025/07/03

大物俳優とF1のコラボが止まらない。キアヌ・リーブスが新規参戦キャデラックのドキュメンタリー出演へ

More from

レッドブル



元レッドブル代表のホーナー、メルセデス代表とのライバル関係は「芝居がかったように描かれた」

F1

F1 3 日前

元レッドブル代表のホーナー、メルセデス代表とのライバル関係は「芝居がかったように描かれた」



レッドブル、ローレン・メキーズ代表と2031年まで契約。復調で波に乗るチームの体制を固める

F1

F1

シンガポールGP

4 日前

レッドブル、ローレン・メキーズ代表と2031年まで契約。復調で波に乗るチームの体制を固める



連勝レッドブルは最強チームじゃない? フェラーリ代表語る「スタート直後の1コーナーをうまくやれていれば、我々が勝ったかもしれない」

F1

F1

シンガポールGP

5 日前

連勝レッドブルは最強チームじゃない? フェラーリ代表語る「スタート直後の1コーナーをうまくやれていれば、我々が勝ったかもしれない」

最新ニュース



優勝STANLEY以外は厳しい結果に終わったホンダ勢。2回目のSCに泣いた16号車ARTA、複数のトラブルに見舞われた17号車Astemo

スーパーGT

SGT スーパーGT

第7戦:オートポリス

3 時間前

優勝STANLEY以外は厳しい結果に終わったホンダ勢。2回目のSCに泣いた16号車ARTA、複数のトラブルに見舞われた17号車Astemo



マルク・マルケスは「うまい立ち回りが必要」タイトル争い接戦に弟アレックスが今後を予想

MotoGP

MGP MotoGP

インドネシアGP

4 時間前

マルク・マルケスは「うまい立ち回りが必要」タイトル争い接戦に弟アレックスが今後を予想



懐かしい時代のF1知るアロンソ、V8エンジンの復活には懐疑的?「あの頃は楽しかったけど、現代に合っているかというと……」

F1

F1 F1

シンガポールGP

5 時間前

懐かしい時代のF1知るアロンソ、V8エンジンの復活には懐疑的?「あの頃は楽しかったけど、現代に合っているかというと……」



F2で苦戦中のハータ、来季のレース計画は不透明も「インディ500やIMSAの耐久レースにはできるだけ出たい」

FIA F2

F2 FIA F2 8 時間前

F2で苦戦中のハータ、来季のレース計画は不透明も「インディ500やIMSAの耐久レースにはできるだけ出たい」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録