分析

F1

2022年のF1、PU等コンポーネント使用制限を全ドライバー合計で137基超過! 開発凍結もまだまだ楽ではない信頼性の確保

2022年のF1では、コンポーネントの使用制限が全20人のドライバー合計で137基も超過していたことが分かった。PUの開発が凍結されても、信頼性を確保するのはPUメーカーにとっては難しいことのようだ。

Norman Fischer Jonathan Noble

編集: 2023/01/09 7:38

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, George Russell, Mercedes W13, Lewis Hamilton, Mercedes W13, Sergio Perez, Red Bull Racing RB18, the rest of the field at the start

 F1は2022年から2025年まで、F1のパワーユニット(PU)は開発が禁止され、仕様が凍結されている。しかし2022年シーズンには、合計36回のコンポーネント交換によるグリッド降格ペナルティが科された。これは、使用可能コンポーネント(PU、エキゾースト、ギヤボックス含む)を全ドライバー合計で137基上回ったということを意味する。

 このデータは、開発が凍結されたとはいえ、各PUメーカーが信頼性を確保するのに依然苦しんでいるということの証拠と言えるだろう。

 最も多くグリッド降格ペナルティを受けたのは、アルファタウリの角田裕毅だった。角田は3レースでグリッド最後尾もしくはピットレーンからのスタートを余儀なくされることになった。それ以外にも、ギヤボックス交換により5グリッド降格ペナルティを受けたり、5回の叱責処分を受けたことによる10グリッド降格受けるなどした。

 シーズン序盤はタイトルを争うとみられていたフェラーリのシャルル・ルクレールも、PUの信頼性に足を引っ張られた。カナダとベルギーではグリッド最後尾からのスタートを余儀なくされ、アメリカGPでも10グリッド降格ペナルティを受けた。またルクレールのチームメイトであるカルロス・サインツJr.も、フランスとイタリアで最後尾スタート、サンパウロでも5グリッド降格を科された。

 アルピーヌのフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンは、いずれも2回ずつ最後尾グリッドからのスタートとなり、さらに5グリッド降格ペナルティも受けた。

 2022年のワールドチャンピオンに輝いたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、最後尾グリッドからスタートしたのは1回のみで済んだ。それはベルギーGPのことだったが、レースでは圧倒的な速さを見せて次々とライバルをオーバーテイク。結果的には優勝を手にしている。イタリアGPでも5グリッド降格となったが、これもやはり優勝まで挽回している。

 各PUメーカーが最も苦労したのがICE、つまりエンジンである。20人のドライバー中実に15人が、このICEを制限数を超えて使うことになった。シーズン中、各ドライバーは3基のICEを使うことが許されていたが、実に7人が制限数の倍にあたる6基のICEを使った。

 ターボチャージャーとMGU-Hも、20人中14人が制限数を超えた。これもシーズン中に3基まで使うことができたが、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は7基のターボチャージャーとMGU-Hを使っており、いずれも全ドライバー中最多である。

 ただ多くのドライバーがグリッド降格ペナルティを受けた一方で、一度も降格ペナルティを受けることなく、シーズンを乗り切ったドライバーもいる。

 アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルとランス・ストロールは共に、完全に制限内のコンポーネント数でシーズンを走り切った。ウイリアムズのふたりも同様だ。さらにマクラーレンのダニエル・リカルドも、PU交換によるペナルティを受けなかった。

 お気付きのように、これらはいずれもメルセデスのPUを使っていたチーム/ドライバーたちである。ワークスチームのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルは、いずれも1回ずつペナルティを受けているが、その信頼性は他メーカーよりも高いと言えるだろう。

 来る2023年、メルセデスのマシンパフォーマンスが復活し、タイトル争いに加わるようなことになれば、こうしたPUの非常に高い信頼性は強力な武器になるかもしれない。

2022年F1、全ドライバーのコンポーネント使用数:

チーム ドライバー ICE TC MH MK ES CE EX GO GI 3 3 3 3 2 2 8 4 4

Austria レッドブル

Netherlands フェルスタッペン 5 4 4 4 3 3 7 4 5 Mexico ペレス 5 3 3 3 2 2 7 4 4

Germany メルセデス

United Kingdom ハミルトン 4 4 4 4 2 2 4 3 3 United Kingdom ラッセル 4 4 4 4 3 3 4 4 4

Italy フェラーリ

Monaco ルクレール 6 6 5 5 3 4 9 5 5 Spain サインツ 6 5 5 6 3 4 8 5 5

United Kingdom マクラーレン

Australia リカルド 3 3 3 3 2 2 3 4 4 United Kingdom ノリス 4 4 4 3 3 3 5 4 4

France アルピーヌ

Spain アロンソ 6 5 5 4 4 4 6 4 4 France オコン 6 4 4 4 4 4 7 4 4

Italy アルファタウリ

France ガスリー 4 4 4 4 3 3 7 3 4 Japan 角田裕毅 6 6 6 6 3 3 7 4 5

United Kingdom アストンマーチン

Germany ベッテル 3 3 3 3 2 2 3 4 4 Canada ストロール 3 3 3 3 2 2 3 4 4

United Kingdom ウイリアムズ

Canada ラティフィ 3 3 3 3 2 2 3 3 3 Thailand アルボン 3 3 3 3 2 2 3 4 4

Switzerland アルファロメオ

China 周冠宇 5 4 4 3 2 3 8 5 5 Finland ボッタス 6 7 7 4 2 3 8 5 4

United States ハース

Denmark マグヌッセン 6 5 5 4 2 2 8 4 4 Germany シューマッハー 5 4 4 4 2 3 8 6 6 ICE=内燃エンジン, TC=ターボチャージャー, MH=MGU-H, MK=MGU-K, ES=エナジーストア/バッテリー, CE=コントロール・エレクトロニクス, EX=エキゾーストシステム, GO=ギヤボックス外部パーツ GI=ギヤボックス内部パーツ

 

関連ニュース:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 ウイリアムズの新代表が直面する問題は山積み。前任のカピト「マラソン中の患者の心臓手術をするレベル」

次の記事 「チームメイトバトルの時、判断もっと良くしてね」アルピーヌF1、オコンのドライビングに注文。2023年は“不仲説”ガスリーとコンビ

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

Norman Fischer



【特集】F1界の“ジャーニーマン”は誰だ? 近代で最も頻繁に移籍をしたドライバー10選

F1

F1

3 ヵ月前

【特集】F1界の“ジャーニーマン”は誰だ? 近代で最も頻繁に移籍をしたドライバー10選



ウイリアムズ、フェラーリの”くるりん”リヤウイングを調査へ「正直、検討していなかった方向性だ」

F1

F1

バーレーン プレシーズンテスト後半

5 ヵ月前

ウイリアムズ、フェラーリの”くるりん”リヤウイングを調査へ「正直、検討していなかった方向性だ」



ラスベガスGPの負け組:マクラーレン、悔やみきれないダブルリタイア。フェルスタッペンに見せた大きな隙

F1

F1

ラスベガスGP

8 ヵ月前

ラスベガスGPの負け組:マクラーレン、悔やみきれないダブルリタイア。フェルスタッペンに見せた大きな隙

最新ニュース



キャデラックF1、マルチン・ブコウスキーを新チーム代表に起用「オランダGPから活動を率いることを光栄に思う」

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 36 分前

キャデラックF1、マルチン・ブコウスキーを新チーム代表に起用「オランダGPから活動を率いることを光栄に思う」



アントネッリ大躍進のカギは? ルーキーシーズンの”学び”とメルセデスの管理が実を結ぶ

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 1 時間前

アントネッリ大躍進のカギは? ルーキーシーズンの”学び”とメルセデスの管理が実を結ぶ



MotoGPタイトル候補に成長した小椋藍、求められる改善点は「攻めるタイミング」の見極め?

機能

MotoGP

ライブテキスト

評価

機能

MotoGP 12 時間前

イギリスGP

MotoGPタイトル候補に成長した小椋藍、求められる改善点は「攻めるタイミング」の見極め?



フォーミュラE、『Disney+』がグローバル配信プラットフォームに! 日本でもライブ配信を予定

機能

フォーミュラE

ライブテキスト

評価

機能

フォーミュラE 12 時間前

フォーミュラE、『Disney+』がグローバル配信プラットフォームに! 日本でもライブ配信を予定

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録