F1

レッドブルの復活には時間がかかる? データが浮き彫りにする2015年以来の大苦戦ぶり

予選のデータを分析すると、レッドブルはここ11年間で最も苦しいペースとなっているようだ。

Kevin Hermann

編集: 2026/04/13 9:43

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Isack Hadjar, Red Bull Racing

Isack Hadjar, Red Bull Racing

写真:: Mark Thompson / Getty Images

 レッドブルにとって、F1の新レギュレーションにおけるスタートは決して明るいものではなかった。

 このプロジェクトが順調なスタートを切れない可能性は、チーム内部的にはすでに認識されていた。何しろ、チームの歴史上初めて自社でエンジンを開発するのだから。しかし、その苦戦の程度は、多くの人を驚かせたに違いない。

 最初の3戦でわずか16ポイントしか獲得できなかったレッドブルは、コンストラクターズ選手権で現在6番手にとどまっている。総合的なパフォーマンスという点では、レッドブルは明らかに中団グループに後退しており、予選では平均でトップから0.97秒遅れ、レースペースではメルセデスに1周あたり最大1.26秒も差をつけられている。

 これによりレッドブルは、アルピーヌやハースと中団上位争いをするのが精一杯な状況。現状で3番手のチームであるマクラーレンとの差は、予選でも決勝でも約0.4秒開いている。

今季3戦の平均タイム差(左が予選、右が決勝ペース)

今季3戦の平均タイム差(左が予選、右が決勝ペース)

写真: Kevin Hermann

 トップチームとの差を比較すると、今年のレッドブルのマシン、RB22がチーム史上屈指の厳しい状況にあるということが浮き彫りになってくる。

 数々の成功を収めてきたレッドブルは、2022年から2025年にかけてのグラウンドエフェクト時代を席巻しただけでなく、RB5とセバスチャン・ベッテルが初勝利を挙げた2009年以来、事実上トップチームであり続けてきた。

 レッドブルが最後に大きな挫折を味わったのは2015年、ダニエル・リカルドとダニール・クビアトがレッドブルでドライブしていた時だった。当時、レッドブルは予選でトップチームに平均1.18秒差をつけられていた。当時も今も、基準となるのはメルセデスだった。

Daniil Kvyat, Red Bull Racing RB11 locks up

Daniil Kvyat, Red Bull Racing RB11 locks up

Photo by: Red Bull Content Pool

 興味深いことに、レッドブルはV6ターボ&ハイブリッドのパワーユニット(PU)が初めて導入された2014年シーズンの方が、メルセデスとの差は実際には小さかった。当時、メルセデスとの差は1周あたり平均0.83秒で、それでもレッドブルは明らかに2番手チームとしての地位を確立していた。

■レッドブルの復興には数年かかるかもしれない

 過去を振り返ると、レッドブルの復活にはどれほどの時間がかかるかが分かる。2014年にPUが導入されてから、レッドブルが再び総合優勝を狙えるチームとして台頭するまでには、実に7シーズンもの歳月を要した。

 レッドブルがメルセデスとの予選タイム差を0.5秒未満に縮めることができたのは、2019年になってからのことだった。こうした過去の事例から、トップチーム復活は短期間で実現できるものではないことがうかがえる。

トップと比較したレッドブルの平均予選ペース(マイナスはレッドブルがトップ)

トップと比較したレッドブルの平均予選ペース(マイナスはレッドブルがトップ)

写真: Kevin Hermann

 とはいえ、両者の状況は完全に比較できるものではない。2013年から2014年にかけてのエンジン規制の変更は、2025年から2026年にかけての現在の変更と比べてはるかに劇的なものだった。2025年から2026年にかけてはMGU-Hが廃止され、モーターのパワーが約3倍となり、レースの仕方が大きく変わっているとはいえ、ハードウェア的にはV8の自然吸気エンジンからV6ターボにハイブリッドへ変わった2013ー2014年の方が大きく変化しているのだ。

 さらに、レッドブルはハイブリッド時代の初期にはルノーと提携しており、その後2018年からホンダと組んだが、現在はレッドブル・パワートレインズを通じてPUを自分たちで完全にコントロールしている。

 実際、エンジン自体が主要な問題ではないことを示唆する要素が数多く存在する。これまでのところ、オーストラリア、中国、日本のすべてのサーキットで、最高速度はフェラーリと遜色なく、むしろフェラーリを上回るレベルに達している。タイムロスは主にコーナーで発生しているのだ。これは特に上海の第2セクターと、鈴鹿の高速S字コーナーで顕著だった。

 姉妹チームのレーシングブルズとの比較もまた興味深い。同じPUを使用しているにもかかわらず、両チームのタイムの稼ぎ方は全く異なっている。レッドブルは最高速度でトップクラスに位置する一方、レーシングブルズは中位にとどまっている。

 これはRB22のダウンフォースが全体的に不足していること、そして空気抵抗低減を重視しすぎた車体設計であることを示している。これはレッドブルがハイブリッド時代の初期に、非力なルノー製PUを補うために既に追求していた哲学であるとも言える。

 結局のところ、レッドブルがトップに返り咲くには時間がかかるだろうという結論は変わらない。ハイブリッド時代の初期ほど長くはかからないかもしれないが、現実的に勝利を期待するには、やはり根本的な問題を解決しなければならない。

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