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F1分析|どんな行動がペナルティになる? F1ドライバーの個人的メッセージ規制を考える

ドライバーのメッセージ発信をめぐる取り締まりについて、FIAがガイドラインを発表したが、一体どんなケースが違反となるのだろうか。

公開日時: 2023/02/20 3:17

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Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, Sergio Perez, Red Bull Racing RB18, Carlos Sainz, Ferrari F1-75 at the start

 FIAはドライバーの政治、宗教、個人の発言やコメントを制限するよう国際競技規則を変更した件について、ルールを運用する上でのガイダンスを発表した。

 昨年12月、FIAは国際競技規則(ISC)の第12.2.1.n条を更新。ドライバーが『国際競技会ではFIA、国内競技会ではASNの書面による事前承認がない限り、その規約の下でFIAが推進する中立性の一般原則に著しく違反する政治、宗教、個人の発言やコメントを一般的に作成、表示した場合、規則違反を犯したとみなされる』ことを明らかにした。

 オフシーズンにレギュレーションが変更されたことにより、チームやドライバーたちから見てもどのようなルール運用がなされるのか不透明な状況だったが、ガイダンスの発表によりある程度、それが見えてきた。

 では実際にどんなケースがペナルティ対象となり、どんなケースが問題ないのか、考えてみよう。

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■表彰式でのTシャツアピール

Valtteri Bottas, Mercedes-AMG Petronas F1, 2nd position, and Lewis Hamilton, Mercedes-AMG Petronas F1, 1st position, on the podium

Valtteri Bottas, Mercedes-AMG Petronas F1, 2nd position, and Lewis Hamilton, Mercedes-AMG Petronas F1, 1st position, on the podium

Photo by: Mark Sutton

 明確に禁止されているのが、ドライバーズパレードや国歌斉唱、表彰式などのタイミングでのメッセージ発信だ。

 2020年のトスカーナGPでは、優勝したメルセデスのルイス・ハミルトンがメッセージが書かれたTシャツを着用している。これは黒人医療技師であるブリオナ・テイラーが警察によって射殺された事件を受けたもので、Tシャツには『ブリオナ・テイラーを殺した警官を逮捕しろ』と書かれており、背中には、テイラーの顔写真と『彼女の名前を言ってみろ』という文字が入っていた。

 FIAはその後、表彰台とレース後のインタビューでドライビングスーツを首元まで着用するよう、ドライバーへの指示を追加している。

 今回のガイダンスでは、『ドライバーズパレード、国歌斉唱式、シーズン前後のドライバー集合写真、表彰台で特定の発言をしない(特定の衣服を着用するなどの視覚的ジェスチャーも含む)』と明示されており、今後同様のケースはペナルティ対象になるだろう。

Sebastian Vettel, Aston Martin, arrives into the paddock

Sebastian Vettel, Aston Martin, arrives into the paddock

Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images

 一方で、Tシャツ=NGというわけではない。F1を引退したセバスチャン・ベッテルは、熱心に環境保護活動に勤しんでおり、気候変動や社会問題に対する高い関心を示してきた。彼はF1キャリア最後のレースとなったアブダビGPのパドックで、『Invitation(招待状)』という文字に地球が描かれたTシャツを着用して歩いていた。

 この場合、そのメッセージがよほど中立性を欠いていない限りはペナルティの対象にはならないと考えられる。

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■記者会見での中立的ではないメッセージの自主的な発信

F1 Drivers wearing

F1 Drivers wearing "No War" T-shirts

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 記者会見でも、中立の一般原則に反して政治的、宗教的、および/または個人的な発言をすることは許されないとされているが、認定されたジャーナリストからの直接の質問に答える場合は除くとされている。

 ロシアによるウクライナ侵攻が起きた際、F1は団結して反戦姿勢を露わにしたが、世界的な問題が起きた場合、ドライバーたちの声を聞く機会が奪われたわけではない。

■敵対的な宗教メッセージ

Lewis Hamilton, Mercedes

Lewis Hamilton, Mercedes

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 FIAは宗教に関して、「他人の宗教的または精神的信条に批判的または敵対的なもの」を禁止している。空を指さしたり、十字を切ったりするような自身の信仰に関する行動はその対象になっていない。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)が決勝レース前に行なっているルーティーンなども問題はないはずだ。

 判断が非常に難しいが、2021年のカタールGPでハミルトンがLGBTQ+のコミュニティを象徴するレインボーカラーのヘルメットを着用した件は、イスラム教の戒律を批判しているとも捉えられかねない。この場合、FIAに事前に承認を得るのがベストだろう。

 留意しておきたいのは、FIAはドライバーが自身の信念を表明する自由があると主張していること。自身のSNSなどでメッセージを投稿するのは自由であり、ガイダンスに従えばグランプリウィークに自身の主張を発することはできる。

 大きな影響力を持つF1ドライバーたち。レギュレーションに違反しない形で、これからもそれを活かして、声を挙げていくことを期待したい。

 

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