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マルドナド、一世一代の完勝劇から10年。驚きの番狂わせ優勝を振り返る

F1の長い歴史の中には、番狂わせレースというのがいくつかある。ウイリアムズ・ルノーのパストール・マルドナドが優勝した2012年スペインGPのそのひとつ。あれから10年が経ったが、彼の最初で最後の優勝を改めて振り返る。

田中 健一

編集: 2022/05/14 6:15

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Race winner Pastor Maldonado, Williams FW34

 2012年5月13日、ウイリアムズのパストール・マルドナドがF1スペインGPで優勝を飾った。あれから10年が経ったが、中団チームで目立った成績を残せていなかったマルドナドがポールポジションから完璧なレース運びで優勝をさらったこのレースは、今も多くのファンの記憶に色褪せることなく残っていることだろう。今回は10年の節目に際し、アーカイブ記事で改めて振り返っていく。


 2012年のスペインGPで勝利を収めたのは、ウイリアムズ・ルノーのパストール・マルドナドだった。

 2010年のGP2でチャンピオンになったマルドナドは、翌2011年にウイリアムズからF1デビュー。ただ、当時のウイリアムズは既に低迷期を迎えており、10位入賞1回、獲得ポイント1で1年目のシーズンを終えることになった。ただ、チームメイトのルーベンス・バリチェロも9位が2回のみという成績であり、ルーキーとしては健闘したと言えるかもしれない。

 2012年も引き続きウイリアムズに残留。この年のF1は稀に見る乱戦状態であり、シーズン4戦を終えた段階で勝者が全て違うという状況だった。そんな中マルドナドも、第3戦中国GPで8位に入り、自身2度目のF1入賞を果たした。

 そして迎えた第5戦スペインGP。マルドナドは予選で、マクラーレンのルイス・ハミルトンに次ぐ2番手タイムをマークした。そんな中ハミルトンは予選チェッカー後、チームの指示を受けて自走でピットに戻ることなくコース上にマシンをストップさせたが、後に一連の行為が燃料に関する規則違反であると判定され、予選結果から除外に。結果マルドナドが初のポールポジションを手にすることになった。

 スタートでは2番グリッドのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が好スタートを決めて首位に浮上。ただマルドナドはアロンソに離されることなく食らいついていった。

 そして66周のレースの25周目にマルドナドは1回目のピットイン。アロンソはその2周後にピットに入ったが、作業を終えてピットレーンを出た時には、マルドナドは既に1コーナー。アロンソを“アンダーカット”する形で逆転に成功した。

 首位に立ったマルドナドは、その後もアロンソからのプレッシャーを跳ね除け、最終的に3.1秒の差をつけて見事トップチェッカー。F1初優勝をポール・トゥ・ウインで達成した。 

 ただその後のマルドナドはパッとしなかった。スペインGPの次レースであるモナコGPから、第14戦シンガポールGPまで、なんと9戦連続で無得点。レースウイナーにあるまじき成績だった。日本、アブダビ、アメリカで入賞したものの、優勝を手にしながらランキング13位。スペインでの力強い戦いぶりが嘘のような、そんな結果に終わった。

 マルドナドはその後2015年までF1を戦ったが、この優勝の後は表彰台はおろか5位以上に入ることもなかった。ある意味、最も不可思議であり、史上最大級の番狂わせの1戦だったと言えるかもしれない。

 

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