F1メカ解説|メルボルンにやってきたマシンたち。接写することで見える細かな工夫|オーストラリアGPピットレーン直送便
F1オーストラリアGPに向けて準備を進める各チームのピットレーンで撮影されたメカ写真をお届け。
写真:: Lionel Ng / Motorsport Images
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
Photo by: Lionel Ng / Motorsport Images
この写真からはレッドブルRB19のフロントブレーキアッセンブリが観察できる。左フロント(向かって右)は既にフェアリングに包まれているが、反対に右フロントブレーキは裸の状態だ。
フェアリングが付いている方のブレーキドラムを見ると、フェアリング中央部にある開口部は少なくともこの時点では閉じられていない。ここは熱の進路をどう変えたいかによって、チームが開けたり閉じたりできる箇所だ。
逆に裸のブレーキドラムを見ると、冷却用と思われるフィンがブレーキキャリパーに無数に立っているのが分かる。これは彼らが今季から採用したもので、ブレーキディスクの熱を逃がすためのものと思われる。
Photo by: Lionel Ng / Motorsport Images
アルファロメオC43をフロントから。メインのドラムカバーが外されたブレーキアッセンブリも見ものだが、特筆すべきはノーズ。今回から先端がメインプレーンの前端まで伸ばされている。そのため、フロントウイングにも若干の変更が加えられている。
Photo by: Uncredited
ウイリアムズFW45にもフロントのブレーキキャリパーにレッドブルと似た形状の細かいフィンが装備されている。またブレーキのアッセンブリをみると、フェアリングがキャリパーとディスクを覆う形となっており、2022年のレッドブルのデザインと近いものに見える。
Photo by: Uncredited
フェラーリのブレーキディスクフェアリングを見ると、排熱のため複数の通気口がある。フェアリングの両端、そして中央にもディスクのドリル穴から放出される熱の逃がすためのポートが設けられている。
Photo by: Giorgio Piola
この写真からはメルセデスW14のパワーユニットとそのパッケージングを垣間見ることができる。リヤサスペンションの上を通過しているメインのエキゾーストパイプや、ボディワークとも交錯する長いフロアステーなどが確認できる。
Photo by: Uncredited
走行準備を進めるアルファタウリAT04。そのバルクヘッドからブレーキシリンダーやステアリングアッセンブリなどが観察できる。
Photo by: Uncredited
アルファロメオC43のフロントウイング翼端板を接写。ウイングのフラップ先端が外向きに跳ね上げられており、エンドプレートはそのフラップとの接合部から下がごっそり切り取られている。これにより、気流を外に流すアウトウォッシュを促進しようとしているものと思われる。
Photo by: Uncredited
現行レギュレーションはアウトウォッシュを抑制するようなものとなっているのだが、アルファロメオだけでなくメルセデスもなんとかアウトウォッシュを生もうとフロントウイングを工夫している。こちらもエンドプレート後方下部が切り取られており、フラップとエンドプレートを切り離してフィンで繋げている。
Photo by: Uncredited
こういったライバルたちのデザインを見て、自分たちのマシンに落とし込んだのがフェラーリ。彼らのマシンの翼端板には、後方下部に小さな切り欠きが設けられている。
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レッドブルのフロントウイングを真上から見下ろすようなアングルで撮影すると、翼端板がいかに湾曲しているかが分かる。それに合わせて外側のカナードも複雑な曲線形状となっている。
Photo by: Uncredited
フェラーリのフロントウイングとノーズ下面を見ると、2022年からの新レギュレーションによってウイング裏面の複雑さがいかに軽減しているかが分かる。またフラップのアジャスターの下面がストレーキ形状となっていることにも注目だ。
Photo by: Uncredited
工具箱越しに見るメルセデスW14のサスペンションエレメント。ベルビルスプリング(皿ばね)やヒーブダンパーなどが確認できる。
Mercedes F1 W14 technical detail
Photo by: Uncredited
準備中のため、カバーが外されているDRSポッド。リヤウイングのフラップを展開する機構を観察することができる。
Photo by: Uncredited
こちらはマクラーレン。チームによってもDRSの機構の形状は異なる。
Photo by: Uncredited
SF-23のフロントウイングを見ると、フラップに付いているスロットギャップセパレーターのフィンが外側に向いている。これでフロントタイヤ周辺の気流を整えようとしているのだ。
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