ボッタス、オランダGP終盤に意地のファステスト。メルセデス代表「生意気だが……理解はできる」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、F1オランダGP終盤でバルテリ・ボッタスがファステストラップを更新したことは“生意気”だと語ったが、その心情には理解を示している。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
ザントフールトで開催されたF1オランダGPは、ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を、ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタスのメルセデス勢が追いかける展開となった。そんな中、メルセデスは72周で行なわれたレースの67周目に、3番手を走るボッタスを“安全”のためにピットに呼び寄せ、予防措置としてミディアムタイヤからソフトタイヤに交換させた。
フレッシュタイヤを履いたボッタスは、アウトラップを挟んだ翌周にセクター1、セクター2で全体ベストタイムをマークした。しかしチームからは最終セクターで減速するよう指示が出されたため、ボッタスはファステストラップこそ更新したもののタイムは1分12秒549止まり。その後70周目にソフトタイヤへと交換したハミルトンが1分11秒097をマークしたため、このレースのファステストラップとボーナス1ポイントはハミルトンのものとなった。
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、ボッタスがファステストラップを狙ったことは理解できると語ったものの、同時に少し“生意気”だったとも述べた。
「あれは少し生意気だったが、理解はできる。チャンピオンシップがタイトなため、バルテリはいつも受け手に回っている」
「彼は最終セクターで大きく減速した。ルイスがファステストラップを狙うことは明らかだったし、バルテリもそれを知っていたのだ」
「最終的にドライバーズ選手権を争っているルイスがポイントを獲得したのだから、問題はない」
ウルフはまた、レースの大半でファステストラップを保持していたハミルトンがボーナスポイントに値するドライバーだったとして、メルセデスは今回の問題について話し合うと付け加えた。
「今回はルイスがポイントを失いかねない状況だったが、それは正しいことではなかった。彼はあの時までファステストラップだったのだから」
「しかし、あの時バルテリのフラストレーションが溜まっていたことも理解しなければいけない。いずれにせよ、最終的に全てがうまくいった」
「我々はこのことについて話し合うことになるが、友好的かつプロフェッショナルな方法での話し合いになるだろう」
またハミルトンは、チーム内でファステストラップを巡る争いが繰り広げられていたことを知らなかったようだ。ただ、彼はチームとしてポイントを獲得することが大事だったため、ボッタスと自分のどちらがファステストラップを記録しても問題なかったと話した。
最終的に2位でレースを終えたハミルトンは次のように説明した。
「僕はそれを知らなかったけど、そんなことはどうでもいいんだ。バルテリが(ファステストラップを)獲っても、それで良かったと思う」
「最終的に僕たちは、チームとして出来る限りのポイントを獲るためにファステストラップが必要だった」
「だからバルテリが獲ろうが僕が獲ろうが、大きな違いはない。僕はバルテリがピットに入ったことすら知らなかった。全く気が付かなかった」
「(終盤に)ピットに入るというのは僕の選択だった。追加のポイントが必要だったのでそうした。そしてうまくいったんだ」
一方のボッタスは、ハミルトンが終盤にピットに入ることに気付いていたといい、自らがファステストラップを記録したラップでは前半区間を全開で走るなどして“遊んでいた”という。
「正直、後ろとはかなりのギャップがあったので、安全のためにピットに入るというのは正しかったと思う」とボッタスは言う。
「最初、僕たちはファステストラップ狙いでピットに入ったのかと思ったけど、ギャップが出来たルイスもストップした」
「僕は最初のラップのセクター1とセクター2を全力でプッシュした。すると彼らはラップの終盤で僕にスローダウンするよう言ってきた」
「僕は遊んでいたようなものだ、もちろん、僕よりルイスの方がその1ポイントを必要としている」
「彼はドライバーズチャンピオンを争っている。そしてチームとしても、最大限のポイントを持ち帰ろうとしている。そういったところだ」
「ルイスがストップすることは分かっていた。その情報は僕にも入っていた。僕が最終セクターでそれなりにアクセルを緩めれば、(ファステストラップは)彼のものになると思っていた。感情的になるようなものはなかった」
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