F1

レーシングディレクターを解任してもF1の問題は解決しないとブランドル指摘「誰が後を継ごうというのかね?」

元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、2021年のタイトル争いを決定づけた裁定を下したとして批判を集めたF1レースディレクターのマイケル・マシを解任したところで、F1の健全性に関する大きな懸念は消えないと指摘している。

James Newbold

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編集: 2022/01/16 14:48

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Michael Masi, FIA

 元F1ドライバーで現在は解説を行なっているマーティン・ブランドルは、FIA  F1レースディレクターのマイケル・マシを解任したところで、F1に向けられた健全性の懸念は払拭できないと指摘している。

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のタイトル候補が同点で迎えた2021年シーズンの最終戦アブダビGP。結果としては、フェルスタッペンが最終ラップでハミルトンを抜きワールドチャンピオンとなったが、レース最終盤でのレースディレクターの対応に批判が殺到することにもなった。

 終盤まではハミルトンが優勢にレースをコントロールしていたが、後方でクラッシュが発生しセーフティカーが出動した。マシン撤去が終わり隊列を整える際、マシは首位ハミルトンと2番手フェルスタッペンの間にいたバックマーカーのみをセーフティカーの前に出し、同一周回に戻ることを許可。通常ならば、コース上のマシンが順位通りの隊列に戻されてからレースは再開されるが、フェルスタッペンより後ろを走行していたバックマーカーはセーフティカーの前に出ることを許可されなかった。

 セーフティカー出動に合わせてピットでソフトタイヤに切り替えたレッドブル陣営の機転、そしてこの曖昧なバックマーカーの処理によって“タイトルを奪われた”メルセデスは、レース後に抗議文を提出。ただ、この抗議は却下され、FIAが内部調査を開始したことを受けてメルセデスは上訴を断念した。

 ハミルトンはレース後のインタビュー以降、公の場で発言を行なっておらず、年間表彰式も欠席した。メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは先月、ウルフ自身とハミルトンの両方がF1に「幻滅している」と明かしていた。

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 ある意味レース結果を“操作”したとして、マシがレースディレクターから解任されるのではないかという憶測が飛び交う中、ブランドルは彼をクビにしたところでF1が抱える問題は解決しないと意見を述べた。

「確実に言えることは、マイケル・マシから(レースディレクターを)変えても問題は解決しないということだ」とブランドルは言う。

「ひとりの人間が、23レースものシーズンに対処するのは負担が大きすぎるし、さらに増える一方だ」

「その昔、チャーリー(ホワイティング/マシの前任者)とハービー(ブラッシュ/ホワイティングのアシスタント)が年間16〜18レースに対応してきた頃は、チャーリーがレーススタート進行を行ない、ハービーはグリッド近くのスタート台からチャーリーが戻ってくるまで、事実上レースディレクターを務めていた」

「彼らはすべてコントロールできていたが、(レース数は)指数関数的に増えている。だからマシが残るにしても彼にはサポートが必要だし、現時点では彼らもそうしようとしているんじゃないかと思っている」

「(マシが辞めるなら)いったい、誰が彼の後を継ごうというのかね?」

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B, Lewis Hamilton, Mercedes W12, on the final lap

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B, Lewis Hamilton, Mercedes W12, on the final lap

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

 ブランドルは、マシ自身とFIAが2022年シーズンの続投を望んだ場合は「”ライフ”がひとつしか残っていない」として、「それが可能かは分からない」と語った。

 一方、ブランドルと同じく解説者で3度のグランプリウィナーでもあるジョニー・ハーバートは、マシは立場を守ることはできないと示唆している。

「彼は、F1に対してあまりにも大きなダメージを与えてしまったと思う」とハーバードは語る。

「彼の置かれているポジションは、信頼されている必要がある。そして彼への信頼は完全に、微塵も残らないほどに蒸発してしまったと私は考えている」

「問題は、誰が彼の後釜に就くかということだ。このポジションに収まる人物には、明らかに経験が重要視されるだろうからね」

「マイケルはとても幸運だった。チャーリー・ホワイティングがレースディレクターを務めていた頃に、彼はその下で働き、そこで多くを学んだ」

「現時点で、彼の後任になれる人物はいるのだろうか? 答えはノー。それが問題なのだ」

 

 

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