F1

開幕2戦で“極上バトル”が展開されたF1。追い抜き増加目指した新規則は大成功?

2022年シーズンの開幕2戦で数々のオーバーテイクが見られたF1。まだ開幕したばかりとはいえ、新規則の効果が早速あらわれていると言える。

Luke Smith

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編集: 2022/04/06 15:04

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Charles Leclerc, Ferrari F1-75, Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, battle for the lead

 2022年シーズンのF1は開幕2レースを消化した。コース上での追い抜き増加を目指して技術規則が大幅変更された今シーズンだが、バトルのしやすさについてはドライバーたちからポジティブなフィードバックが返ってきている。

 今季から導入された新規則では、先行車からのいわゆる“ダーティエア”の発生を防ぐことで追従性を高め、コース上の抜きつ抜かれつのバトルを演出して見応えのあるレースとすることが目指されている。この効果はテストでも既に確認されていたが、開幕2戦ではフェラーリのシャルル・ルクレールとレッドブルのマックス・フェルスタッペンによる実に見応えあるバトルが繰り広げられた。

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 ただし両ドライバーは、新ルールは確かに追従性の向上に役立っているものの、リヤウイングの空気抵抗を一時的に減らして最高速を上げるDRSは、未だ不可欠なツールであると考えている。

 ルクレールは、第2戦サウジアラビアGPでフェルスタッペンに敗れた後、次のように語っている。

「昨年よりは前のマシンについて行きやすくなった。それはポジティブなステップだけど、DRSを無くすにはまだ不十分だと思う」

「正直、まだその(DRSの)恩恵を受けている。各ドライバーのオーバーテイクとディフェンスにおいて戦略の一部になっているし、今のところレースの一部だ」

 ルクレールの言うDRSを使った“戦略”の最たる例が、サウジアラビアで見られた。ルクレールはフェルスタッペンとのバトル中、長いメインストレートでDRSを使うために最終コーナー前のDRS検知ラインであえて早めにブレーキングし、フェルスタッペンを先行させることでDRSを作動させる”権利”を得ようとしたのだ。レギュレーションでは、前を走るマシンから1秒以内にDRS検知ラインを通過した場合のみ、続くDRS作動ゾーンでDRSを開くことができるようになっている。つまり先にDRS検知ラインを越えてしまうとDRSを使うことができず、逆に後ろを走るマシンにDRSを使われてしまうことになる。

 最終的にはふたりがブレーキングゾーンで“譲り合い”をするという奇妙な光景が見られたため、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はその対策をする必要があると語ったが、彼は開幕2戦で激しいバトルが見られたという事実は頼もしいとも考えている。

「シャルルとマックスがお互いをパスするシーンを10回は見たが、これはこれまでのシーズンで見られなかったものだ」とホーナーは言う。

「この2チームによる素晴らしいレースが、開幕戦に続いて実現したんだ」

 繰り返しにはなるが、ドライバーにとって大きな変化となったのが、これまで以上に前方のマシンに近付けるようになったということだ。かつてのように、接近するとダウンフォースが抜けるといったようなことは少なくなっている。それを証明するかのように、アルピーヌのエステバン・オコンはレース終盤にチームメイトのフェルナンド・アロンソと繰り広げたバトルについて「ゴーカートのようだった」と振り返っている。

 データ上でもポジティブな傾向が見られる。バーレーンGPでは実に55回のポジションチェンジがあった。これは昨年の40回をはるかに上回る。サウジアラビアGPでも、昨年は20回だったポジションチェンジが31回に増えている。これは純粋なオーバーテイクの数を指すものではないが、この数字は興味深い。

 一方で新型マシンについてドライバーから不満の声が挙がっている点は、最低重量が800kgに迫るその重量だ。その重さのせいで、ソフトなタイヤコンパウンドで低速コーナーを走る際などにもたついてしまうようだ。フェルスタッペンは次のように言う。

「ハードタイヤなら、より近付くことができる」

「他のタイヤコンパウンドでは、もちろんコースにもよるけど、大抵は(追従が)厳しい。何周かついて行くと、差が広がってしまう。マシンの重さのせいで、タイヤが限界を超えてしまうんだ。

 とはいえ、F1の新ルールがうまく機能していることは事実のようだ。第3戦オーストラリアGPの舞台アルバートパーク・サーキットは高速レイアウトに改修されているため、F1のアプローチが正しい方向に進んでいるかどうかを確認する良いテストになるだろう。ただその一方で、いわゆるオールドサーキットでもオーバーテイクが増えるのかという点は、確認してみないと分からない部分もある。

 アロンソはサウジアラビアGPを終えて、次戦以降の展望についてこう語っていた。

「メルボルン(オーストラリアGP)ではDRSゾーンもたくさんあるし、また面白いレースになるかもしれない」

「でもイモラやバルセロナなど、ノーマルなレースに戻った時にどれだけオーバーテイクができるのか確認する必要があると思う。ここ(サウジアラビア)はかなり特殊なコースだからね」

 このように、F1におけるオーバーテイクの増加について結論を出すのはやや時期尚早な感もあるが、開幕直後に見られた兆候は非常に良いと言える。現在はフェラーリとレッドブルの2強となっているが、全体的には勢力差が拮抗しており、今後の開発競争次第ではますますバトルが激化する可能性もある。

 ホーナーはこう話す。

「ふたつのサンプルにおいて、マシンに接近してホイール・トゥ・ホイールのレースができるという点にチェックを入れられる。これは上出来だ」

 

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