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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

レッドブル・ホンダRB16を徹底解剖。細部まで洗練されたデザイン

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レッドブル・ホンダRB16を徹底解剖。細部まで洗練されたデザイン
執筆:
協力: Giorgio Piola, Featured writer
2020/02/18 10:22

レッドブルの2020年マシン『RB16』は、昨年のマシンと比較してあまり違いがないように見えるかもしれないが、実はレッドブルは既存のコンセプトを洗練させただけでなく、様々な教訓を学んでデザインを進化させている。

 レッドブルは2月12日に2020年マシン『RB16』を発表した。昨年のマシンとあまり変化がないという声もあるが、細部に目をやると様々な進化が垣間見える。

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 最初に目を引くのが、フロントノーズの処理である。これはグリッド上の様々なF1チームからインスピレーションを得たものと思われる。

■昨年のトレンド、“ケープ”を採用

Red Bull Racing RB16 nose detail

Red Bull Racing RB16 nose detail

Photo by: Red Bull Content Pool

 ノーズの先端に開口部を設けるというアイデアは、レッドブルが数年前から採用してきたもので、これまで似たようなデザインが続いていた。より幅広でフラットなデザインとなったこの突起は、マシンの中央を流れる空気を取り込み、下方の空力デバイスに届ける役割を持つ。
 
 またRB16には、メインの開口部の上にふたつに分断された小さな開口部が存在する。現時点ではここを通った空気がどこに出ていくのかは明確でないが、あえて言うなら、マシンの全体的な出力を改善するために利用されると解釈するのが妥当であろう。

 フロントノーズ自体も昨年と比べてかなり絞り込まれたデザインとなっており、両側には“ケープ”と呼ばれるパーツが取り付けられている。後方へ向かう気流を制御するこのケープは、昨年多くのチームが採用したものであり、RB16のケープのデザインはメルセデスからインスピレーションを得たものとなっている。

■Sダクトもより洗練されたデザインに

Red Bull Racing RB16

Red Bull Racing RB16

Photo by: Red Bull Content Pool

 前述のようにノーズコーンの幅が狭くなったこともあり、設計チームは車載カメラの位置を再検討することができた。RB16では空力的に賢明であると考えられる場所に再配置されている。

 そしてノーズ中央部には従来通り、ノーズ下方の空気を上方に流すための“Sダクト”がデザインされているが、そこにさらなる気流を提供する小さなダクト(NACAダクト)もノーズの側面(赤い雄牛のロゴの頭の近く)に設けられている。また、バルクヘッド下部にある吸気口も、より多くの空気をSダクトに流せるように工夫されているはずだ。

 Sダクトは、昨年の日本GPで初登場した開口部が狭いデザインをRB16でも採用している。このデザインはさらに洗練されたものとなっており、昨季後半に登場したSダクト周りのフィンも健在だ。これはマシン後部へ向かう気流を制御するためのものだろう。

■絞り込まれたサイドポッド

Red Bull Racing RB16 detail

Red Bull Racing RB16 detail

Photo by: Red Bull Content Pool

 バージボード/ディフレクター近辺は、コンセプトの観点ではあまり変更がなかったと言える。だだし、サイドポッドの小ささとコンパクトさを考慮したいくつかの調整が行なわれている。

 サイドポッドはインレットが狭くなり、後方上部がかなり絞り込まれた形状となっている。これがダウンウォッシュ(下向きの気流)を生み出し、空力性能に大きな影響を与えるものと思われる。

■HALOの周りにはフィンが

Red Bull Racing RB16 detail

Red Bull Racing RB16 detail

Photo by: Red Bull Content Pool

 ドライバーの頭部を保護するデバイスとして、2018年からF1に導入されたHALO。この周辺にも、サイドポッドやエンジンカバーに向かう気流を整えるフィンが設置されている。コックピット周辺にフィンを取り付けるというアイデアは、マルシャF1チームが最初に採用したものだ。

 楕円形となっているインダクションポッドのデザインは、昨年のマシンから引き継がれている。そのすぐ下には、HALOやドライバーのヘルメットからの気流を整えるウイングレットがあるのが見てとれる。

■リヤサスペンション:アッパーアーム、ロワアーム共に高く

Red Bull Racing RB16 rear suspension

Red Bull Racing RB16 rear suspension

Photo by: Giorgio Piola

 続いて見ていくのはリヤサスペンションだ。ロワアーム(矢印1)が特に高くなっており、コークボトル状に絞られたマシン後部により多くの空気が流れるためのスペースを確保している。これでディフューザーやフロアの効果がさらに高まることとなるだろう。またロワアームが高くなったことで、ブレーキダクトの下半分に取り付けられたウイングレットも完全に露出する格好となったため、効果的な整流が期待できる。

 ドライブシャフト(矢印2)は上記のロワアームとほぼ同じ高さにあるが、これは空力フェアリングによって覆われている。ドライブシャフトとロワアームは空力パフォーマンスの観点で密接に関わり合うことになるだろう。

 同じくアッパーアーム(矢印3)も高い位置にマウントされている。これも空気力学的な意味を持っており、ブレーキダクトの入り口やウイングレットに効果的に空気が当たるように工夫されている。

■リヤウイングの形状はどうなっていく?

Red Bull Racing RB16

Red Bull Racing RB16

Photo by: Red Bull Content Pool

 マシン後部の冷却口は、これまでのレッドブルのマシンよりかなり下に向けられているように見える。これはサスペンションが高い位置に取り付けられたからだけでなく、ディフューザーやフロアの効果を高めたいという意図もあるようだ。

 エキゾーストパイプの上には、2本のウェストゲートパイプが並んでいる。これはリヤウイングに向かうような形でわずかに上向きに傾斜している。

 そして興味深いことに、RB16のリヤウイングのピラーは2本となっている。おそらく、テスト中またはシーズン序盤戦でより複雑なエンドプレートのデザインが見られるだろう。

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この記事について

シリーズ F1
チーム レッドブル・ホンダ 発売中
執筆者 Matthew Somerfield