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フェルスタッペン、いよいよ今週末にニュルブルクリンク北コースでレース参戦。総合優勝は無理だけど……王者が参戦する理由。日本人ドライバーも多数

今週末に行なわれるニュルブルクリンクでのレースは、かつてないほど注目を集めている。F1世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンが参戦するからだ。

Max Verstappen, Emil Fray Racing Ferrari 296 GT3

Max Verstappen, Emil Fray Racing Ferrari 496 GT3

写真:: Max Verstappen

 今週末、ニュルブルクリンクを舞台にニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)第7戦が行なわれる。このレースには、レッドブルからF1に参戦中で4度のF1チャンピオン経験者であるマックス・フェルスタッペンが参戦を予定しており、かつてないほどの注目を集めている。

 このNLSと呼ばれるシリーズは、伝説的なサーキットのひとつであるニュルブルクリンク北コースを舞台に年間数戦を開催する、長年続くスポーツカー選手権である。

 2025年シーズンは8回のレースウィークエンドに合計10レースが開催され、そのうち2レースは6月に行なわれたニュルブルクリンク24時間レースの予選レースとなった。

 今週末は第7戦と第8戦のダブルヘッダーとなり、いずれも4時間の耐久レースとなる。1チームあたりのドライバー数は、2〜4人である。

 NLSには、生粋のレーシングカーと言えるGT3規格のマシンから完全に市販車そのままの車両まで、幅広いクラスの車両が参戦。それぞれがクラス分けされており、さらに排気量に基づいてサブカテゴリーが分かれている。

 フェルスタッペンの名前はまだ暫定のエントリーリストに掲載されていないが、SP7クラスにエントリーしている89号車ライオンスピードGP、もしくはCUP3クラスにエントリーしている980号車ライオンスピードGPのマシンを走らせるものとみられている。マシンはいずれもポルシェ718・ケイマンGT4 CSである。

 いずれのクラスも、GT3とはパフォーマンス差が大きいため、フェルスタッペンは総合優勝ではなくクラス優勝を狙うことになるだろう。

 いずれのマシンも、フェルスタッペンのシムレースのチームメイトであるクリストファー・ルラムのマシンとしてエントリーされている。彼は今季、フェルスタッペン.com・レーシングのアストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3 Evoを駆り、GTワールドチャレンジ(GTWC)・ヨーロッパ・エンデュランスカップにも参戦している。ルラムはさらに、エミール・フレイ・レーシングからGTWCのスプリントカップにも参戦しており、フェルスタッペンはこのチームのマシンを5月にテスト。9月27日にはSP9クラスにエントリーし、GT3デビューを果たす予定だ。

Max Verstappen, Emil Fray Racing Ferrari 496 GT3

Max Verstappen, Emil Fray Racing Ferrari 496 GT3

写真: Max Verstappen

 フェルスタッペンは今年の5月、フランツ・ヘルマンという偽名を使ってニュルブルクリンク北コースを走り、GT3のコースレコードを非公式に破ったとされている。ただこのマシンの正確な仕様をめぐって、激しい論争が起きた。

 しかし今回は、5月のような騒動にはならないだろう。というのも、フェルスタッペンはいわゆる”Permit A”と呼ばれる認証を取得していないからだ。この認証がなければ、マシンには人為的な制限がかけられる。つまりマシンのパフォーマンスが引き下げられ、クラス優勝やコースレコード更新を目指すのはほぼ不可能であるということだ。

 標準仕様のポルシェ718・ケイマンGT4は、車重1315kgで425馬力を発生する。パワーウェイトレシオは3.1kg/hpである。しかしニュルブルクリンク北コースで行なわれるレースに初めて参戦するドライバーは、パワーウェイトレシオ4.2kg/hp以下にすることを義務付けられているため、フェルスタッペンが乗るケイマンGT4は大幅に出力を制限しなければならない。

 おそらくフェルスタッペンが乗るマシンは”Permit B”仕様となり、これならば車重1350kg、出力300馬力……これならパワーウェイトレシオは4.5kg/hpとなり、初出場の要件を満たす。しかしながら、クラス優勝やラップレコード更新は、事実上不可能と見てよかろう。

Max Verstappen, Red Bull Racing

Max Verstappen, Red Bull Racing

Photo by: Pirelli

 この制限を課しているのは、通称”DMSBノルドシュライフェライセンス”である。このライセンスは”Permit A”と”Permit B”に分かれており、”Permit A”のみがパワーウェイトレシオ4.2kg/hp未満のマシンでレースに参加することが許されている。

 フェルスタッペンとはいえ、”Permit A”を取得するためには、ふたつのレースで上位入賞を果たす必要がある。しかしこれは、1レースで異なる2台のマシンに乗ることでも達成できるため、フェルスタッペンはライオンスピードGPの2台のポルシェ・ケイマンを交互に走らせる可能性がある。ただ最低14周、レース距離の少なくとも20%を走らなければならない。

 通常の4時間レースなら、ケイマンは25〜26周を走る。つまりフェルスタッペンは、それぞれのマシンで7周ずつ走れば、”Permit A”取得のための全ての要件を満たすことができると考えられる。

 この制度の目的は、全てのドライバーが速いマシンに乗る前に、より遅いマシンをドライブする視点からレースを体験することで、コース上でのお互いの尊重を促進するということにある。

 これは2015年から導入された制度だが、常に議論の的になっている。一部の人は、これは「不必要なハードル」だと批判し、主催者にとっては「ドル箱」になっていると一蹴している。例えばMotoGPを引退し、最近ではWECなどツーリングカーレースに挑んでいるバレンティーノ・ロッシは、この制度があるがゆえに、ニュルブルクリンク北コースでのレース参戦を避けている。

 一方で制度に賛同する人たちもいる。彼らはこの制度が導入されたおかげで、北コースでのレースの流れが大幅に改善されたと主張する。

 フェルスタッペンが目指すところは、最終的には自身のチームも含め、トップクラスのGT3マシンでレースに出場することを認められることだ。

 なおこのレースには中山雄一や小山美姫(160号車Toyo Tires with Ring Racing/Toyota Supra GT4)、奥本隼士や坪井翔(172号車KCMG/Toyota Supra Evo GT4)といった、スーパーGTなどでお馴染みの日本人ドライバーも参戦を予定している。

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