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美しきF1マシン:「第3期の第1歩。純白”ホンダ”に高まった期待」ホンダRA099

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執筆:
2020/04/07 3:00

ホンダは2000年からワークス体制でF1に復帰するため、純白のテストマシンを用意した。そのホンダRA099を、マックス・フェルスタッペンの父親であるヨス・フェルスタッペンがドライブ。ライバルチームにその速さを見せつけた。

 昨年からレッドブルにパワーユニットを供給したホンダ。コラボレーション1年目にもかかわらず3勝を挙げ、躍進を遂げた。そして新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となっているが、2020年シーズンにはタイトル争いに加わることも期待されている。

 そのホンダがF1に復帰したのは2015年。マクラーレンと組んでの復帰だったが、このコンビはなかなかうまくいかず、3年で終了することになってしまった。

 この2015年から今までは、いわるゆホンダF1第4期である。その前の第3期は、リーマンショックの煽りを受け、2008年限りで撤退。しかし当時ホンダが開発したマシンは、翌年ブラウンGPと名を変え、メルセデスエンジンを搭載してチャンピオンを獲得することになった。

 この第3期の最初は2000年。ティレルの後を継ぎ、新興チームとして参戦を開始したばかりのB.A.R.へのエンジン供給という形だった。

 ただその前年、ホンダはある1台の魅力的なマシンを走らせ、テストを行なっていた。そのマシンがRA099である。

 ホンダは第3期をスタートさせるにあたって、当初は車体もエンジンも自社で開発するフルワークス体制での参戦を目指していた。そしてその中心的な役割を担っていたのが、ハーベイ・ポストレスウェイトである。

 ポストレスウェイトは、ウルフがF1デビューウインを達成した際のマシンWR1やティレル019、ティレル022などを手掛けてきたレーシングカーデザイナー。ホンダはF1参戦するにあたって、テクニカルディレクターとしてそのポストレスウェイトを招聘したのだ。そして開発されたのがRA099である。

 このマシンは完全なオリジナルマシンであるが、製作はイタリアのダラーラが担当。まだホンダのF1エンジンは完成していなかったため、当時参戦中だった無限ホンダのV10エンジンを搭載していた。デザインはごくシンプル。そして何よりも純白のカラーリング(登場当初は赤のストライプが入っていた)が印象的だった。

 初走行はイタリアのバイラーノ。1998年の12月のことだった。すでにホンダは、2000年からのF1復帰を明言しており、その準備として1年以上前から走行を開始するという念の入れようだった。

 翌年からは、各F1チームが参加する合同テストに、ホンダも特別枠で参加。そして最初から速さを見せた。ライバルチームはその速さに驚き、そして疑問の目を向けた。RA099はあくまでテスト用であり、レギュレーションに完全準拠しているのかどうかわからなかったからだ。

 しかし、連日好タイムをマークするRA099。F1復帰に向け、 期待は日に日に高まっていった。しかし4月、その流れが一変してしまう。ポストレスウェイトがテスト中に心筋梗塞を起こし、急死してしまったのである。そして5月、ホンダはフルワークス体制での参戦開始を諦め、前述の通りB.A.R.にエンジンを供給する形で参戦することを決めた。

 2006年からは当初の予定どおりフルワークス体制での参戦となったが、この第3期の勝利は、2006年ハンガリーGP(ジェンソン・バトン)の1勝のみだった。

 もしポストレスウェイトが急死していなかったら、ホンダが最初からフルワークス体制での参戦ができていたら……その行先を目にしてみたかったと思う方も多いのではなかろうか。

 このRA099を走らせたドライバーはただひとり。ヨス・フェルスタッペンである。そのヨスの息子であるマックスが、今やレッドブルのエースとなり、ホンダを久々に表彰台の中央に導いた。その1勝目となった2019年のオーストリアGP、表彰台に登ったマックスは、胸のホンダのロゴを誇らしげに指差した。

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この記事について

シリーズ F1
ドライバー Jos Verstappen , マックス フェルスタッペン 発売中
チーム ホンダ・レーシングF1チーム
執筆者 田中 健一