Nostalgia

美しきF1マシン:「ハイテク車最初の完成形。”最強マシン”の代名詞」ウイリアムズFW14B

1992年シーズン、圧倒的な強さを見せたのが、ウイリアムズFW14Bだった。車体こそ前年モデルの正常進化版だが、様々なハイテクデバイスを搭載し、ナイジェル・マンセルに唯一のF1タイトルをもたらした。

Nigel Mansell, Williams FW14B Renault, celebrates winning the drivers World Championship
Nigel Mansell, Williams FW14B Renault
Nigel Mansell, Williams FW14B Renault
Nigel Mansell, Williams FW14B Renault, at Loews Hairpin
Nigel Mansell, Williams FW14B Renault, raises his arm as he crosses the line
Nigel Mansell, Williams FW14B
Nigel Mansell, Williams FW14B
Mechanics work on a Williams FW14B Renault in the pits
Ayrton Senna, McLaren MP4/7A, Nigel Mansell, Williams FW14B
Podium: winner Nigel Mansell, Williams, second place Riccardo Patrese, Williams
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 メルセデスが圧倒的な強さを見せている近年のF1。ここまでダブルタイトル6連覇中。2016年には21戦中19勝という圧倒的な強さを見せた。

 時代を遡れば、数年に渡って圧倒的な強さを誇ったチームがいくつかあった。メルセデスの前にはレッドブルが4年連続でダブルタイトルを獲得。2000年代の前半には、ミハエル・シューマッハーを擁するフェラーリが強さを見せた。

 その前に強さを見せたのはウイリアムズだった。1992〜1997年の6年の間に、コンストラクターズタイトルを5回獲得。ナイジェル・マンセル、アラン・プロスト、デイモン・ヒル、ジャック・ビルヌーブと4人のチャンピオンを生み出した。

 その最初、1992年のタイトル獲得に寄与したのが、ウイリアムズFW14Bである。このFW14Bは、エイドリアン・ニューウェイ(現在レッドブルのチーフ・テクニカル・オフィサー)がデザインしたFW14の正常進化版である。

 ただ最大の違いは、リ・アクティブサスペンションと呼ばれる最新デバイスを搭載していたことだ。

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 アクティブサスペンションは、路面からの入力をサスペンションが能動的に動くことで受け止め、車体の姿勢変化をコントロールするというデバイス。1980年代前半にロータスが初めて使った。ウイリアムズも1980年代後半に採用したが、一時採用を中止し、その間に開発を進め、FW14Bに搭載された。ただ、ウイリアムズやロータスが80年代に使ったモノは油圧コントロールのみで車体をコントロールしていたが、FW14Bに搭載されたのはこのアクティブサスペンションと通常のパッシブサスペンションの両方の特性を併せ持ったモノ……ゆえにリ・アクティブサスペンションと呼ばれた。

 この他にも、セミオートマチック・ギヤボックスやトラクションコントロールなど、様々なハイテクデバイスを搭載。特にアクティブサスペンションによって車体の姿勢を制御することで、ニューウェイ作の空力パフォーマンスに優れたシャシーの性能をいかんなく発揮。圧倒的な強さを見せた。

 中でもマンセルは、16戦中9勝を挙げ、第11戦ハンガリーGPの時点で早々に同年のタイトルを決めた。確かに9勝という数字も素晴らしいが、特筆すべきはポールポジションの獲得回数である。マンセルはカナダとハンガリー以外の14戦でポールポジションを奪取。ハンガリーではチームメイトのリカルド・パトレーゼがPPを取っており、16戦中15戦でFW14Bが予選最速だったのだ。

 このFW14Bの成功により、他チームもアクティブサスペンションをはじめとしたハイテクデバイスの開発・採用を追従。しかしウイリアムズの強さは変わらなかった。ただ、ハイテクデバイスにより開発コストの増加が危惧されたため、93年限りで大幅に禁止されることになる。

 ただ、セミオートマチック・ギヤボックスは今も引き続き使われているし、形を変えてトラクションコントロールのような機能が目指されたりもしている。アクティブサスペンションですら、同様の効果が期待されたシステムが度々登場している。

 そういう意味では、ハイテクデバイスを使うなどして、マシンの姿勢をコントロールしようとする今のF1、その最初の完成形がこのウイリアムズFW14Bだったと言うこともできるかもしれない。

 とはいえ、当時最強の座をほしいままにしていたウイリアムズが、今や最後尾を走るというのは、残念であると言うほかない。復活の日を待ちたいところだ。

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