F1新車”雑感”解説:アルファタウリAT02”その2”。発表時とはノーズもフロントサスもまるで違う!
アルファタウリがイモラで新車AT02をシェイクダウン。しかしそのマシンは、発表会の際に公開されたイメージとは、大きく異なっていた。
写真:: Davide Cavazza
アルファタウリは、ニューマシンAT02をイモラ・サーキットでシェイクダウンした。そこで披露された実車は、2月19日に発表された姿とは大きく異なっていた。
見た目上もっとも変わったのはノーズだ。ノーズは先端の中央部分のみが前方に突き出していた昨年モデルとは一線を画し、丸みを帯びたシンプルな形状になった。最低地上高を満たすため、ノーズは全体的に低くなり、フロントウイングステーの間からノーズ下に流れる気流も減少しているはずだ。
ただ、これを助けているのがケープだろう。ノーズの背面にはこのケープと呼ばれる路面と水平の板が取り付けられ、その前端は上方に反り上がっていて、前方からの気流を受け止めるようになっている。ここを通った気流を、効果的にフロア下に導くことを狙っているのだろう。
このノーズは、本来ならば昨年型を踏襲することが、レギュレーションによって義務付けられている。しかし彼らは各チームに割り振られたトークンふたつを使い、このノーズを変更することを決断。今回明らかになったような形状になった。
フロントウイングも発表された時のモノとは異なるが、これはシーズン中にも様々変更されていくだろう。
ただ、ノーズ以上に注目したいのが、フロントサスペンションのレイアウトだ。これも、発表時の画像と実車とでは、大きく異なっている。
まずは別の記事でもご紹介した通り、プッシュロッドのホイール側の取り付け位置が変わっていることだ。昨年型AT01も、そして2月19日に発表された画像も、このプッシュロッドのホイール側の先端は、ロワウイッシュボーン付近という比較的低い位置に取り付けられていた。しかし今回イモラを走ったマシンは、ブレーキダクトの中心部、アッパーウイッシュボーンとロワウイッシュボーンのちょうど中間のアップライトに、直に取り付けられているのだ。
またこのプッシュロッドの取り付け位置には、もう1本細いアームが存在しているのが分かる。これはステアリングロッドであるはずだ。
発表時の画像も、そして昨年型のAT01も、ステアリングロッドはロワウイッシュボーンと一体化するように配置されていた。空力的なことを考えれば、このエリアに余計な障害物を置きたくない。そういう意味ではAT01のレイアウトは理に適っている。しかしAT02では、わざわざステアリングロッドが独立し、上下ウイッシュボーンの間に移動している。しかも、発表時にはこれを公開しなかった……そこに意図が感じられる。
実はこのフロントサスペンションレイアウトは、レッドブルの2020年型モデルRB16のそれにうりふたつ。昨年2勝を挙げ、メルセデスの最大のライバルとなった力をどの程度受け継いでいるかに注目だ。
なおレッドブルもニューマシンRB16Bをシルバーストン・サーキットでシェイクダウンした。しかし公開される写真は、同時に走行したRB15のモノばかり。発表会時にも、わずか2枚しかイメージを公開していない。何らかの革新的なモノをひた隠しにしているのではないか……そういう考えは邪推だろうか?
ちなみにレッドブルは、排気ガスをディフューザー上に吹き付け、ダウンフォースを増加させるいわゆる”ブロウンディフューザー”を最初に登場させた際、その発見を遅らせようと本来のエキゾーストパイプの位置に、”偽装”のためのステッカーを貼ったことがある。
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