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ホンダ浅木泰昭HRD Sakuraセンター長が考える、F1の将来「カーボンニュートラルのために……F1が果たすべき役割がある」

ホンダのHRD Sakuraセンター長を務める浅木泰昭氏に、F1の将来のパワーユニット、そしてエンジンが持つ魅力について訊いた。浅木センター長曰く、F1には将来に向け、果たすべき役割があるという。

Honda RA619H

写真:: Motorsport.com / Japan

 2021年限りでF1活動を終了させたホンダ。ただF1のパワーユニットが今後どのようになっていくかは、まだ不透明な部分もある。

 2025年までは現行のパワーユニット規定が使われるが、それ以降はMGU-Hを廃し、V6ターボエンジン+運動エネルギー回生システムになる予定だ。ただ世界の自動車業界は、完全電動化の方向へ梶を切りつつある。欧州では複数の国が、今後数年以内に内燃機関を持つ自動車の新車販売を禁止することを打ち出している。そういう意味では、エンジンを動力源とするF1は、時代と逆行しているようにも見える。

 では将来のF1のPUはどんなモノになっていくのだろうか? ホンダのF1プロジェクトを率いてきた浅木泰昭(本田技術研究所 HRD Sakuraセンター長)は、将来のF1はカーボンニュートラルの実現に役立つレギュレーションになっていかなければいけないと語った。

「ホンダも、カーボンニュートラルの実現のためにF1を撤退すると言いました。F1は、カーボンニュートラルを実現する上で必要だというようなレギュレーションになっていかなければいけないと思います。むしろF1を活用して、カーボンニュートラル社会を少しでも早く実現することができるレースに変わっていかなければ、将来はなかなか厳しいと思います」

「F1は必死で変わろうとしているように見えます。でもブランド力を高めるためだけではなく、新たな時代を切り開くレギュレーションになっていく……そう言う自覚がないと、将来はないと思います」

 前述の通り世界中で自動車は、電動化へ電動化へという声が高まっている。しかし浅木センター長は、様々な選択肢を考慮し、未来へ進んでいくべきだと語る。

「ホンダとしては、マルチパスという戦略をとっています。カーボンニュートラル社会の実現を目指す方法は、ひとつじゃないだろうということです」

「ひとつ大きいのは電気です。それは間違いないと思いますし、我々も注力していくと言っています。しかしカーボンニュートラル燃料というのも大きいと私は思っています。それをサーキットで使い、燃焼技術などの実証実験をしていく……F1にはそういう役割が残っていると思います。そうやっていかなければ、F1だけでなく、レースの将来がないと思います」

「とは言っても、今はカーボンニュートラル燃料はまだまだコストが高いし、色々な問題があります。でもマルチパスのひとつの選択肢として、レース業界が中心になって進めていくことができたらいいと思っています」

 これまでF1用エンジンを開発してきた浅木。そのエンジンには、他には代え難い魅力があるという。

「エンジンは爆発を伴います。爆発というのは、鼓動ですよね……つまり心臓の動きと一致するようなところがあります。そしてお腹の底に響くような音が人間や動物に与える感覚は、モーターとは違うと思います」

「それ以外にも魅力はあります。例えば全てが電動になったら、充電インフラの整備が届かない地域の人たちはクルマに乗れなくなってしまうかもしれない。でも化石燃料に頼らない燃料を作ることができれば、今後も地球環境に負荷を与えず、世界中で自動車に乗り続けることができるかもしれません。加えて、飛行機で世界を移動するにはまだ電気では無理なのでカーボンニュートラル燃料の開発は必要と考えています」

「太陽があれば走れるというようなモノができれば、そういうような問題も起きないかもしれません。でもバッテリーは必要……そのバッテリーだって、地下資源に頼る必要がありますし、色々な問題があります」

「つまりEV一本に絞るのではなく、カーボンニュートラル燃料の開発にも重きを置くべきじゃないかというのが、私の考えです」

 
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