F1 イタリアGP
F1分析|イタリアGP FP2ロングランペース分析。デグラデーション小さく、1ストップ必須か……レッドブルの速さは他を圧倒
F1イタリアGPのフリー走行2回目で、各車がロングランを実施。いずれのタイヤもデグラデーションが小さめであり、1ストップ作戦が必須となりそうだ。
編集: 2022/09/10 12:55
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超高速のアウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァで開催されているF1イタリアGP。金曜日のフリー走行2回目(FP2)では多くのマシンが精力的にロングランを行ない、各タイヤのデータや傾向が出揃った感がある。本稿ではその傾向を分析し、決勝レースの展開を占ってみたい。
今回のイタリアGPに持ち込まれているタイヤは、ハードがC2、ミディアムがC3、ソフトがC4と、ピレリが今季用意しているタイヤのうち、中間の組み合わせである。
これらのFP2での傾向を見てみると、いずれのタイヤもデグラデーションが非常に小さいことが分かる。
F1イタリアGP FP2ロングランペース分析(ソフト)
Photo by: Motorsport.com / Japan
まずソフトタイヤでは、7人のドライバーがロングランを実施した。デグラデーション値は1周あたり-0.135秒(ルイス・ハミルトン/メルセデス)から0.243秒(ピエール・ガスリー/アルファタウリ)とマシンによる差はあるが、その平均値は0.064秒である。他のグランプリに比べれば実に小さいと言うことができよう。
F1イタリアGP FP2ロングランペース分析(ミディアム)
Photo by: Motorsport.com / Japan
ミディアムタイヤでは、10人のドライバーがロングランを実施した。こちらも1周あたり-0.129秒(セルジオ・ペレス/レッドブル)から0.298秒(周冠宇/アルファロメオ)と、幅が広いが、平均値は0.060秒。ソフトとほとんど同じ値だ。
ソフトとミディアムのパフォーマンス差は、ピレリの発表によれば0.4秒だという。ここから算出すると、ミディアムタイヤのペースの方がソフトタイヤでのペースを上回るためには、100周以上を要するということになる。それを考えれば、ミディアムとソフトのいずれか一方を使うとするなら、ソフト一択ということになる。
ただこれは、あくまで計算上の話。グラフの折れ線を見ると、もう少し違った傾向も見えてくる。
ソフトタイヤでのペース推移の折れ線は、一度ペースが向上した後、ペースが下落していることを示している。各車ともスティントの3周目あたりが最も速く、その後はペースが下落しているのが分かるだろう。特にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ガスリーあたりがその傾向が顕著だ。
この3人のデグラデーション値の平均を算出すると、0.152秒/周という比較的大きなデグラデーションが存在するということにもなる。
ハミルトンも同じようなペース推移を見せているが、ペースが下がり始めるとすぐに走行を切り上げてしまっているため、計算上はデグラデーションがマイナスと算出されてしまっている。実際には、ハミルトンも大きなデグラデーションを抱えていた可能性がある。
マクラーレンのダニエル・リカルドは、他のマシンとは異なり、一度ペースが落ち、その後回復するという傾向を見せている。
一方でミディアムタイヤでのペース推移のグラフを見ると、ソフトタイヤのそれとは全く違う傾向であることが読み取れる。
一目してお分かりいただけるように、多くのマシンがほとんど同じラップタイムを並べたため、グラフの折れ線もほぼ一直線。レッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、そしてアルピーヌのフェルナンド・アロンソ、そしてハミルトンらが、その傾向にある。ミディアムタイヤで最長のロングランを行なったアルファタウリの角田裕毅のペース推移も同じように見えるが、最後の数周のみペースが落ちてしまっている。
ここから判断するに、前述の通りデグラデーションが非常に小さい(平均0.06秒/周)という計算結果は、ある程度信頼できると思われる。
これらの検証結果からすると、ミディアムタイヤは4周+ソフトタイヤのペースが上がる序盤3周ほどの合計7周程度も走れば、ソフトタイヤよりもペースが良くなると考えられる。
F1イタリアGP FP2ロングランペース分析(ハード)
Photo by: Motorsport.com / Japan
今回持ち込まれているもう1種類のタイヤであるハードも、グラフをご覧いただければ一目瞭然。デグラデーションはほとんど見られない。そこから考えれば、ミディアムからハードへと繋ぐ1ストップ作戦が、最善の選択と言えそうだ。
さてマシンのパフォーマンスの面ではどうだろうか? FP2のロングランを見る限り、やはり今回もレッドブルが他を圧倒していそうだ。
レッドブルのふたりは、ミディアムタイヤでロングランを実施。そのペースは、2番手のチームに比べて1周0.5〜1秒速いモノだ。
気になるのは2番手のチームだが、ここにはフェラーリとアルピーヌがいるかもしれない。アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、ミディアムでのロングランを行ない、非常に優秀なペースで走った。そのペースは、メルセデスを少しだけながら上回るものだった。
メルセデスのハミルトンは、ミディアムだけでなくソフトでもロングランを行なっており、このペースがフェラーリと比較できる。フェラーリはメルセデスよりも若干速い程度……つまりアルピーヌと同等である可能性がある。
またメルセデスと同等のロングランペースを持っていそうなのが、アルファタウリである。ソフトタイヤでのペースを見ると、メルセデスには若干劣っていそうだが、ミディアムでの角田のペースはメルセデスとほぼ同等。マクラーレンも近い位置にいる上、角田はグリッド降格ペナルティが決まっているため簡単な戦いにはならないだろうが、それでも入賞のチャンスはありそうだ。
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