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F1新車”雑感”解説2023「アストンマーチンAMR23」まさに昨年型と95%違う! 各所に工夫が張り巡らされた、過激な空力デザインの1台

2023年仕様のF1マシンAMR23を発表したアストンマーチン。ディテールを見ていくと、各所に細かな工夫が施された、意欲的なデザインのマシンに見える。

Aston Martin AMR23

写真:: Aston Martin Racing

 アストンマーチンが2023年シーズンのF1を戦うニューマシンAMR23を発表した。テクニカルディレクターのダン・ファロウズは、昨年型のマシンAMR22と95%が変わったと主張し、「トップチームへの挑戦を始める」と息巻いている。確かに発表された写真を見ると、昨年型とはコンセプトすら異なる部分が多々見て取れる。

 マシンの前方から見ていこう。

 ノーズは、AMR22では非常に直線的な形状だった。しかしAMR23はそのエッジ部分が波打つ、複雑な3D形状になっているのが分かる。またその先端はフロントウイングのメインプレーンまで伸びており、3枚のフラップのみがノーズに接続されていたAMR22とは違う。

アロンソがドライブするAMR22

アロンソがドライブするAMR22

Photo by: Michael Potts / Motorsport Images

 フロントウイングは、AMR22ではティレル019や020を彷彿とさせるアンヘドラル式で、車体中央部分は持ち上げられる形状になっていた。しかしAMR23ではこのアンヘドラル式を捨て、ノーズの左右が持ち上げられる形となった。つまりフロア下に送る気流を中央で取り込む形から、左右で取り込む形に変更したのだ。これは、大きなコンセプト変更と言っていいだろう。

 フロントサスペンションのレイアウトも大きく異なる。AMR22では、上下のウイッシュボーンが路面と水平にレイアウトされ、プッシュロッドがそのかなり上でコクピットに接続されていた。しかしAMR23は、ウイッシュボーンにかなり下反角が付けられ、前方から見るとハの字型になった。その証拠に、アッパーウイッシュボーンのコクピットへの取り付けられている高さと、プッシュロッドの取り付けられている高さがほぼ揃っている。

Aston Martin AMR23 detail

Aston Martin AMR23 detail

Photo by: Aston Martin Racing

 ただ、アッパーウイッシュボーンで高い位置に取り付けられているのは前脚のみ。後脚は路面と並行で、比較的低い位置でモノコックに接続されている。つまりアッパーウイッシュボーンの前後の高さが違っているということだ。これは、レッドブルRB18が採用していた形だ。

 サイドポンツーンの下部が細く絞られ、上面が後傾する形は、昨年のAMR22にスペインGPで投入されたモノと同じように見える。しかしその上面の処理は、実に過激だ。

Aston Martin AMR23 detail

Aston Martin AMR23 detail

Photo by: Aston Martin Racing

 ショルダー部分が持ち上がり、エンジンカウルとの間でバスタブを形作る、フェラーリF1-75で採用された形だが、AMR23ではそれをさらに過激な処理で進化させてきた。バスタブ部分はより深く掘り込まれでおり、気流の流路をより明確な形で表現している。そして後端ではカウル自体を絞り込み、ディフューザー上に流路をつなげている。

 この空力的な処理もすごいが、それだけサイドポンツーンの内部は狭くなっているはずで、コンポーネントの配置やコンパクト化、そして冷却効率という面で知恵が絞られているモノと想像できる。

 またこれもトレンドのひとつと言える、エンジンカウルに段差をつけるデザインも採用。この後端はかなり高い位置にあるため、ビームウイングを活用するというよりも、リヤウイングのメインプレーンの下に多くの空気を流し、リヤウイング本体で発生するダウンフォースを増やそうとしているように見える。

Aston Martin AMR23 detail

Aston Martin AMR23 detail

Photo by: Aston Martin Racing

 後方からマシンを見ると、サイドポンツーン下、そしてサイドポンツーン上のバスタブを通った空気で、ディフューザーの上を活用しようとしているのがよく分かる。そしてそこには左右2枚ずつのビームウイング、さらにはリヤブレーキダクトのフィンなどが配置され、2重3重のディフューザーを形成したような格好となっている。

 フロア端の形状は、比較的オーソドックスに見えるが、実際に走行する際には、全く別のフロアを取り付けてくる可能性もあるだろう。それ以上に気になるのは、リヤホイールの奥、ディフューザーの側面あたりに見える、半円形の切り欠きだ。

Aston Martin AMR23 detail

Aston Martin AMR23 detail

Photo by: Aston Martin Racing

 昨年の終盤には、多くのマシンがフロアに切り欠きを設け、その内部にエッジウイングを設けるなどしていた。その切り欠きは、AMR23にも存在する。ただそのさらに後方に、縦方向の切り欠きが存在しているようだ。

 詳しい形状は分からないので判断が難しいが、マシンの車高変化によるフロア下やディフューザー内の圧力をコントロールするモノなのか、あるいはこれがあることでディフューザーの効果を高めることができるのか……実際走行する際にも存在しているかどうかはまだ分からないが、実際に採用されるのならば、注目のポイントのひとつかもしれない。

 冒頭でも申し上げた通り、アストンマーチンは今シーズンを、トップチームへの挑戦を始める1年と位置付けている。確かにそう宣言するだけの意欲作……昨年型AMR22とは大きく異なっているのは間違いない。

 さて、その真価やいかに。

 
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