F1 カナダGP

角田裕毅、1周目にピットインする”超アグレッシブ”戦略も入賞ならず「VSCが宣言されるまで、うまくいっていたのに」

F1カナダGPを14位で終えた角田裕毅(アルファタウリ)は、アグレッシブな戦略が功を奏さなかったことを悔しがった。

Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT04, Nyck de Vries, AlphaTauri AT04

 アルファタウリの角田裕毅は、F1カナダGPの決勝レース1周目にピットインするというアグレッシブな戦略を採った。当初この作戦が功を奏しポジション上げることに成功したが、2ストップ目を遅らせたことでポジションを落としてしまうことになり、入賞は叶わなかった。

 角田はカナダGPの予選で16番手タイムを記録したが、他車のアタックを妨害したとして3グリッド降格のペナルティを科されてしまうことになり、19番グリッドからスタートすることになった。

 ここからなんとかポジションを上げようと、チームは角田を1周目にピットインさせる戦略を採った。コースに戻った角田はフリーエアで走り、ポジションを上げることに成功。しかし、前を行くマシンをなかなか抜くことができなかったために2ストップ作戦に切り替えた。ただこのタイミングが遅く、先に2回目のピットストップを済ませていた数台のマシンにアンダーカットされてしまうこととなって結局14位でのフィニッシュ。今季3回目の入賞とはならなかった。

「僕らのアグレッシブな戦略は、バーチャル・セーフティカーが宣言されるまでうまくいっていました。ペースもすごく良かったです」

 角田はチームのプレスリリースにコメントを寄せた。

「しかし(2回目のピットストップの)タイミングがうまくいかず、思うようにポジションを上げることができませんでした。その後は、ペースの面で苦労しました」

「僕らのマシンのパフォーマンスは問題ありませんでしたが、バルセロナほどは良くありませんでした。つまり、望んでいたほど多くポジションを上げることができなかったんです」

「求めていたようなフィニッシュではありませんでしたが、良いオーバーテイクもできたので、良い学びになりました」

「今後ポイントを獲得する可能性を最大限に高めるために、クリーンな週末を過ごし、より良い予選順位を手にする必要があると思います」

 テクニカルディレクターのジョディ・エジントンは、この日の戦略について次のように語った。

「予選順位のせいで、レースは必要以上に難しくなった。ユウキには3グリッド降格のペナルティも加わり、我々は何か違うことを試みなければいけなかった。しかし、残念ながらうまくいかなかった」

 エジントンはそう語った。

「我々は非常に早い段階でユウキをピットストップさせ、フリーエアを利用してポジションを上げようとした。この戦略は非常にうまく機能し、ユウキは集団に戻ることができた」

「古いタイヤを履いていたマグヌッセン(ケビン・マグヌッセン/ハース)の後ろに詰まってしまったため、2ストップに切り替える決定が下された。ただ、ピットストップに少し時間がかかったため、予想していた位置よりも若干ポジションを落としてしまった。そして最終的にアルボン(アレクサンダー・アルボン/ウイリアムズ)が率いる集団に戻ることができなかった」

 確かにレース中のピットストップの記録を見てみると、角田の1回目のストップは23.646秒だったのに対し、2回目は27.523秒と、約4秒タイムを失ったことになる。他車が先にピットストップしたのに加え、ピットでのタイムロスもあったのだ。

「ユウキのレースを検証し、1ストップ戦略に固執することでより良い結果を得られた可能性があるのかどうかを判断したいと思う。しかしペースの面では、もし予選でもっと上位のグリッドを手にできて、より平均的な戦略を活用することができていたら、今日はポイントを獲得できていたはずだ」

「予選は週末の非常に重要な側面だ。今後は、より適切に戦う必要がある。我々は、ポイントを逃している現状から立ち直り、ポイントを獲得できるようにしなければいけない」

 
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