ベルガー、1992年のホンダV12を手に。かつての”相棒”田辺エンジニアがお届け……「キャリアで最も素晴らしい時間だった」
ゲルハルト・ベルガーは、自身が1992年のF1ポルトガルGPで使ったホンダエンジン”RA122E/B”をHRCから贈呈された。
Gerhard Berger, Koji Watanabe / HRC President, Toyoharu Tanabe / HRC Chief Engineer
写真:: Honda Racing
ホンダ・レーシング(HRC)は、1992年のF1で使ったV12エンジン”RA122E/B”を、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーに贈呈したことを明らかにした。このエンジンは、ベルガーが同年の第14戦ポルトガルGPの金曜日と土曜日に実際に使ったものであるという。
1992年、ホンダはマクラーレンにV12エンジンを供給。アイルトン・セナとベルガーがドライブするMP4/7Aに搭載された。RA122E/Bである。
同年はウイリアムズ・ルノーとナイジェル・マンセルのパッケージが圧倒的な強さを誇ったが、そんな中でもセナがモナコ、ハンガリー、イタリアの3勝を挙げ、チームメイトのベルガーもカナダとオーストラリアで勝利。マクラーレンはコンストラクターズランキング2位で終えた。
そんな1992年シーズン投入されたRA122E/Bのシリアルナンバー:FDRE-V039が、今回HRCからベルガーに贈呈された。そのセレモニーが9月8日に行なわれた。
Gerhard Berger, Koji Watanabe / HRC President, Toyoharu Tanabe / HRC Chief Engineer
写真: Honda Racing
ベルガーが1993年からフェラーリに移籍したこと、そしてホンダが1992年限りでF1を撤退したため、このRA122E/Bはベルガーが最後にドライブしたホンダF1エンジンということになる。しかもシリアルナンバー:FDRE-V039の個体は、ベルガーがポルトガルGPの金曜日と土曜日に実際に使ったまさにそのエンジンである。
HRCの広報担当者によれば、ベルガーは以前から、ホンダV12を手に入れたいと熱望していたという。そして今回、ようやくこれが実現。HRCの渡辺康治社長と、1992年当時にエンジニアとしてベルガーを担当していた田辺豊治が、ベルガーの元にエンジンを届けた。なおこのエンジンは栃木県さくら市のHRC Sakuraで丹念にレストアされたという。
「1992年のホンダF1 V12エンジンを、当時実際にドライブし、表彰台を獲得したゲルハルト・ベルガー氏にお届けできることを、大変嬉しく思います」
「これはホンダF1の歴史を広く共有するという、我々のメモラビリア事業における大きな一歩になります」
Gerhard Berger, Toyoharu Tanabe / HRC Chief Engineer
写真: Honda Racing
そしてかつてベルガー担当エンジニアを務め、今はHRC四輪部門チーフエンジニアである田辺も、次のようにコメントした。
「当時私は、ベルガー氏のオントラック・エンジンエンジニアを務めており、本日まさにそのエンジンをベルガー氏にお渡しすることができ、大変感慨深いです」
「2019年のオーストリアGP(ホンダがレッドブルと初めて勝利を掴んだレース。コンストラクター代表として、田辺が表彰台に登壇した)でも、表彰台でベルガー氏にお目にかかるという名誉を受けました。そして今回再び歴史的な瞬間に立ち会えることを、大変光栄に思います」
またベルガーも、今回ホンダV12を手に入れたことを大いに喜び、次のようにコメントを寄せた。
「私のF1キャリアの中で最も素晴らしい時期のひとつは、ホンダと共に過ごした時間だった」
そうベルガーは当時は振り返る。
「ホンダは非常に競争力があり、情熱的なモータースポーツ企業だ。その情熱は、数十年にもわたるレースでの成功からも明らかだ。そして、特にレースエンジニアのタナベと、緊密な協力から生まれた友情を誇りに思う」
「日本文化への深い経緯、経営陣と従業員の相互が尊重していること、そして常に暖かく迎えてくださったおもてなしは、ホンダと共に働くことを、本当に特別なモノにしてくれた。それに深く感謝しているし、本日こうしてエンジンをいただく際に皆さんとご一緒できることを、大変嬉しく思っている」
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