F1 オランダGP

ハジャー、歓喜のF1キャリア初表彰台。トロフィー破壊事件発生も「キツかったけど、楽しもうとした」

F1初表彰台を手にしたアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)が、喜びを語った。

田中 健一 Oleg Karpov

編集: 2025/08/31 22:55

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Isack Hadjar, Racing Bulls

 F1オランダGPの決勝レースで、レーシングブルズのアイザック・ハジャーが3位入賞。自身初の表彰台を獲得した。

 この結果についてハジャーは、「子供の頃からずっと夢見てきたこと」だと語ったが、せっかく手にしたトロフィーを壊してしまうというアクシデントもあった。

 今季F1デビューを果たしたハジャー。その初戦オーストラリアGPでは、フォーメーションラップ中にクラッシュし、ピットに戻って泣き崩れた……それから14戦後、ハジャーは輝いてみせた。

 オランダGPの初日はPUのセンサートラブルに見舞われ、FP2を満足に走れず。しかし土曜日には、初日に走行距離を稼げなかった悪影響も感じさせず、予選4番手となった。

 そして迎えた決勝レースでは、終始スタートポジションを守った。後方からはフェラーリやメルセデスといった、本来なら上位を走るはずのチームが次々にプレッシャーをかけ、さらには何度もセーフティカーが出動する展開。しかしハジャーは、これに動じなかった。そしてレース終盤に2番手を走っていたランド・ノリス(マクラーレン)がマシントラブルでリタイアすると3番手に浮上し、そのままチェッカー……初表彰台を獲得した。

 ハジャーはこれで、F1の歴史上5番目に若い表彰台登壇者となった。

「セーフティカーによるリスタートが続き、緊張感に包まれた。いつまでも終わらないんじゃないかと思ったよ」

 ハジャーはレース後、フランスのテレビ局Canal+のインタビューにそう語った。

「正直、最後の数周は体力的にも精神的にも、その辛さを実感した。粘り強く走るのは大変だったけど、最後の3周はただ楽しもうと自分に言い聞かせた」

「僕は自分のペースをコントロールできていた。フィニッシュラインを越えた瞬間、全てが蘇った。純粋に喜びを感じたよ」

 レース中ずっと、ハジャーのペースは素晴らしいものだった。一時はレッドブルのマックス・フェルスタッペンを凌ぐほどであった。

 その理由について尋ねられたハジャーは、次のように説明した。

「正直に言って、大量ポイントを獲得するのが目標だった」

「僕としてはスタートで4番手を守りたかった。それを達成することができたんだ。その後は最初のスティントで、シャルル(ルクレール/フェラーリ)に対して賢くディフェンスした。セクター2で少しペースをセーブして、セクター3でかなり速く走ったんだ。それでポジションを守ることができた」

「彼(ルクレール)の方が少し速かったとしても、十分だったと思う。ジョージ(ラッセル/メルセデス)に対しても、まったく同じことをした」

「信じられない気持ちだ。でも、夢にも思わなかったよ。子供の頃からずっと思い描いてきた。ずっとここに立つことを夢見てきた。F1で初めての表彰台だ。予想していたよりも早く達成できたけど、今後もっと多くの表彰台に立ちたいね」

台座の部分が取れてしまったトロフィーを持つ、ハジャー

台座の部分が取れてしまったトロフィーを持つ、ハジャー

写真: Joe Portlock / LAT Images via Getty Images

 ただハジャーには、不運も待ち受けていた。初めて手にしたF1のトロフィーを、記念撮影中に壊してしまったのだ。

 カメラマンの求めに応じてポーズを取った後、ハジャーはトロフィーを床にそっと置いた。しかし慎重に扱っているように見えたにもかかわらず、トロフィーは首の部分が折れてしまい、真っ二つとなってしまった。

 トロフィーの価値は明らかにされていないが、これは今回のグランプリのために用意された特注品。熟練の陶工によって作られ、ひとつひとつ手書きで模様が入れられた、ロイヤルデルフト社製の逸品であり、その価値はプライスレスと言えよう。

Isack Hadjar, Racing Bulls, Peter Bayer, RB F1 Team, Alan Permane, RB F1 Team

Isack Hadjar, Racing Bulls, Peter Bayer, RB F1 Team, Alan Permane, RB F1 Team

写真: Mark Sutton / Formula 1 via Getty Images

 なおこの好結果により、苦戦が続く角田裕毅に代わって、レッドブルに昇格するのではないかという声も出てきている。そのための準備はできているかと尋ねられると、ハジャーはSkyのインタビューに次のように答えた。

「何でも準備はできているよ」

 なおレッドブルの関係者たちには、今回の結果により「ハジャーの来季レッドブルへの昇格は決まったのでは?」という質問が、メディアから多く飛んだ。しかしこれには、慎重な答えに終始した。

 レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、今回の結果だけで将来を決定するつもりはないと姿勢を崩さず。ORFのインタビューで、今回の表彰台に乗ったふたり(マックス・フェルスタッペンとハジャー)は、来季のレッドブルでコンビを組むのではないかと尋ねられると、次のように答えるだけにとどめた。

「その点については、年内に判断するよ」

 またレッドブルのチーム代表であるローレン・メキーズも、決定を急ぐつもりはないと語った。

「レースごとに感情が変わるものだが、ハンガリーでは違う視点を抱いていた。我々レッドブルの視点から見れば、我々のドライバーたち全員と契約を結んでいる。つまり決定権を持つのは、レッドブル・グループ……つまり我々だけなんだ」

「なぜ結果次第でプレッシャーをかけるんだ? 単純に言えば、時間をかけて考えていくということだ。今季は残り9レースだ。ドライバーに伝えるタイミングも関係しているから、最終戦まで待つとは言わない。でも決断するまでの時間はまだある」

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