F1

F1新エンジンの”圧縮比”問題、開幕までの解決は不可能な見込み。FIAはメルセデスやレッドブルの技術的選択を擁護

F1のパワーユニット(PU)マニュファクチャラー会議では、圧縮比の抜け穴について、測定のための代替手段の合意には至らなかった。

Franco Nugnes

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公開日時: 2026/01/24 8:20

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Mercedes F1 W14 engine

 F1の2026年シーズンに向けて、各チームが続々と新車を発表し、シェイクダウンを済ませている。一方で、開幕前から物議を醸していた”圧縮比”問題は、特に変化のないまま開幕を迎えるだろう。

 メルセデスとレッドブル・パワートレインズは、巧妙な冶金技術を駆使し、エンジンの圧縮比を規定で定められている16:1以上に引き出すことができるのではないかと噂されている。

 この問題は12月にニュースが世界で報じられる前から、大きな関心を集めてきた。ライバルメーカーから人材を引き抜くという自然な流れの中で、メルセデスとレッドブル・パワートレインズが、圧縮比を引き上げる術を見つけたという噂が広まったのだ。

 2026年の規則では、パワーユニット(PU)が大きく変更されており、内燃機関(エンジン)も圧縮比は従来の18:1から16:1に引き下げられている。この圧縮比は、エンジンが「冷間」状態のときに計測することで管理されると規定されている。

Mercedes W17

Mercedes W17

Foto di: Mercedes AMG

 FIAはシーズン開幕前にこの論争を「解決」したいと述べているものの、Motorsport.comの調べによると、1月22日に行なわれたFIAとマニュファクチャラー間の会議に出席したFIA代表者は、メルセデスやレッドブル・パワートレインズの”技術的選択”を擁護したという。

 圧縮比の測定方法を変更するかどうかは、この会議の最重要議題となっていた。フェラーリ、ホンダ、アウディは、メルセデスとレッドブルが特定した抜け穴の影響について、声高に不満を表明したとされている。いずれにせよ、数ヵ月前にホモロゲーション(認証)を取得したエンジンを改造するには時期が遅すぎるため、10馬力程度、1周あたりコンマ数秒の短縮が可能と言われるメルセデスとレッドブルのアドバンテージが保たれたまま、開幕を迎えることになるだろう。

 アウディF1プログラムの責任者であるマッティア・ビノットは、ベルリンでのチーム発表会で、会議で少なくとも将来の行動に関する明確なガイドラインが示されることを期待していると述べたが、実際には全てが現状維持のままだ。エンジンが高温の状態でもFIAがデータを読み取れるように燃焼室にセンサーを追加するというアイデアは、全会一致の支持を得られなかった。

 したがって、F1の新時代は論争の中で幕を開けることになる。開幕早々に、ライバルたちがメルセデスやレッドブルに正式な抗議を行ない、緊張が高まる可能性も否定できない。

 しかし他にも、F1の新時代の門出を曇らせる可能性のある、未解決の問題が存在するようだ。

 FIAシングルシーターディレクターのニコラス・トンバジスは、motorsport.comの独占インタビューに応じ、FIAは「こうした問題には慎重に対応したい」と考えており、「各チームが規則を同じように解釈することを望んでおり、レースに出場する人々が規則をまったく同じように理解していることを確実にしたい」と述べている。

 規則の抜け穴や文言の解釈の隙間を見つけ出し、ライバルチームが同じ抜け穴を見逃したり効果的に活用できなかったりすると、規則変更やその活用の禁止を求めるロビー活動が行なわれる。これはF1において、古くから繰り返されてきた物語だ。

 しかし今回異なるのは、必ずしも強く抗議している側の思い通りにならない可能性がある点だろう。

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