レースレポート

F1 オランダGP

ノリスが前戦ハンガリーに続き連勝! 角田裕毅、入賞争うも痛恨コースオフもあり11位。アロンソ殊勲の”1ストップ”で9位|F1オランダGP決勝

F1オランダGPはマクラーレンのランド・ノリスが優勝。ハンガリーGPと連勝となった。角田裕毅は惜しくも11位で入賞ならず。アロンソが力強いレースペースで1ストップを成功させ、9位でポイントを手にした。

田中 健一

編集: 2026/08/23 15:43

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Lando Norris, McLaren

Lando Norris, McLaren

写真:: Bryn Lennon / Formula 1 via Getty Images

 F1オランダGPの決勝レースが行なわれ、ランド・ノリス(マクラーレン)が優勝。ハンガリーGPに続き連勝を果たした。アストンマーティン・ホンダのフェルナンド・アロンソが粘りの走りで9位入賞。角田裕毅(レーシングブルズ)は痛恨のコースオフが祟り、11位とポイントには届かなかった。

 今年が最後の開催となったオランダGP。スタート前から波乱模様であった。各車がレコノサンスラップを走る間は雨。インターミディエイトタイヤを履くマシンもいた。しかしその雨もすぐに止み、ウエットパッチが残る部分もありながら、各車ドライタイヤを履いてスタートに臨むことになった。

 気温は18度、路面温度は30度というコンディション。各車ドライタイヤを履いたが、ポールポジションのノリスをはじめとしたトップ4台を含む合計7台がミディアムタイヤを選択。キャデラック勢がハード、その他がソフトタイヤを選んだ。

 スタートではノリスが首位を守ったが、4番手スタートのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)に抜かれ、5番手に落とした。

 しかし1周目の最終コーナーで、母国戦のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が大クラッシュ。幸いにもフェルスタッペンには怪我はなく、マシンから自力で脱出。ただコース上にはマシンのパーツが散乱したため、赤旗中断となった。

 その後方では、ボルトレトもスピンした。最終コーナーはかなり濡れていたため、それがこの2台のインシデントに繋がったようだ。

 なお12番グリッドスタートの角田はガブリエル・ボルトレト(アウディ)を抜いて11番手上がったが、クラッシュしたフェルスタッペンを避けるために減速したことで、フランコ・コラピント(アルピーヌ)に抜かれ、11番手で赤旗中断を迎えた。

 この事故の際に黄旗を無視した可能性があるとして、アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)とコラピントが審議対象となった。

 30分ほどの中断期間を経てレース再開。この間にタイヤ交換を行なったドライバーも数多く、例えば首位ノリスはミディアム→ソフトに変更。5番手ピアストリは新品のハードタイヤを履いた。

 ただスターティンググリッドに向かう周回で、オリバー・ベアマン(ハース)がマシントラブルによってストップ。エクストラフォーメーションラップが宣言された。

 仕切り直しのスタートでは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が抜群のスタートで首位に浮上。ラッセルのペースが上がらず、ピアストリにオーバーテイクを許して4番手に後退した。

 後方ではニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)も素晴らしいスタートを決め、角田とコラピントを抜いて9番手に上がった。

 なおリンドブラッドには、イエローフラッグ違反でドライブスルーペナルティの厳罰。コラピントにも同様の罰則が下った。ふたりはこれを早々に消化。角田はこれでポイント圏内の10番手に入ってきた。

 先頭を行くアントネッリは、快調なペースで周回を重ね、2番手ノリスとの差を徐々にではあるが開いていく。3番手ピアストリは、ハードタイヤを履いているためかペースが上がらず、ノリスからさらに遅れていく格好となった。

 上位勢で最初にピットストップに動いたのは4番手のラッセル。17周を走り切ったところでミディアムタイヤからハードタイヤに交換した。この1周後にピアストリが反応してピットイン……しかしタイヤ交換に時間がかかったため、ラッセルに先行を許した。

 なおピアストリと同じ周回に8番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)と角田が同時にピットイン。いずれもハードタイヤを履いた。19周を走ったところでこのふたりと順位を争っていたヒュルケンベルグもピットインし、ガスリーと角田の間でコースに復帰した。

 ただガスリーとヒュルケンベルグは、先にペナルティを消化し後退していたリンドブラッドの後ろに詰まる格好となり、その間に角田が差を縮めた。

 21周終了時には首位アントネッリと2番手ノリスが同時にピットイン。これでまだタイヤ交換を済ませていないハミルトンが首位に立つことになった。チームからは「タイヤはどうだ?」と尋ねられると「OKだ」とハミルトン。他とは戦略を変えている可能性が見てとれた。

 そのハミルトンが25周を走り切ったところでピットイン。ソフトタイヤからハードタイヤに履き替え、コースに復帰した。

 26周目、ガスリーがリンドブラッドを抜きにいったところでオーバーラン。この隙を突いて、ヒュルケンベルグが先行。ヒュルケンベルグの勢いはよく、リンドブラッドも抜いて10番手に浮上した。

 一方ガスリーは再三リンドブラッドに仕掛けるが、抜けない。そんな中角田がガスリーに迫り、ズバリとオーバーテイク。その後リンドブラッドは角田を先行させ、チームとしてポイントを目指す戦略を採った。角田は戦略が違うカルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)も抜いて10番手に上がった。

 ヒュルケンベルグは快調に飛ばし、角田との差を広げていく。ただこの時、ヒュルケンベルグはソフトタイヤ、角田はハードタイヤであった。

 先頭争いに目を戻すと、首位アントネッリは変わらずだが、徐々にノリスが差を縮め、30周目を超えた頃にはその差は1秒以内となった。

 34周目にはルクレールがピアストリをオーバーテイクし4番手に浮上。そのピアストリの後方にはハミルトンも迫り、難なくオーバーテイクしていった。

 40周を走り切ったところで、首位を行くアントネッリがピットイン。ハードタイヤ→ハードタイヤと履き替えた。チームメイトのラッセルも同じ周にピットインし、やはりハードを履いた。先頭が真っ先に動くという、意外な展開となった。

 これでノリスが首位に返り咲いたが、2番手と3番手には僅差でフェラーリの2台。3番手ハミルトンは「僕の方が速いよ」と、ルクレールに譲らせるように暗に訴えた。ルクレールにはピットストップの指示が飛ぶがこれには従わず……1周遅れてピットインした。ノリスもピットストップしたことで、ハミルトンが首位に立った。

 角田は44周目、最終コーナーでコースオフ。グラベルに飛び出して大きくタイムを失ってしまう。これでチームは角田をピットに呼び戻し、ソフトタイヤに履き替えさせた。ガスリーがこれに反応して翌周にピットインし、ミディアムタイヤを履いた。この角田とガスリーのピットインによって、アストンマーティン・ホンダのフェルナンド・アロンソが9番手となった。

 先頭のハミルトンが粘りの走りを見せるが、その後方からはアントネッリが接近。しかしアントネッリとて楽ではなく、その真後ろにはノリスも追いついた。三つ巴の状況だ。

 54周目のターン1で、ノリスがアントネッリをオーバーテイク。そして勢いそのままにハミルトンも抜いて首位に立った。ただこのタイミングでエステバン・オコン(ハース)がコース脇にストップし、バーチャル・セーフティカーが宣言された。

 ハミルトンはこの間にピットインし、ソフトタイヤに交換。ルクレールもこれに続いた。アントネッリは1周後にピットインし、やはりソフトタイヤを選択することになった。

 57周目からレース再開。ノリスが先頭で、ラッセルがその6秒後方。さらに6秒後ろにアントネッリ、以下ハミルトン、ルクレールという順だった。このリスタート時にガスリーが角田をオーバーテイク。角田は11番手に後退してしまった。

 レース最終盤にはウイリアムズ同士が接触するというシーンがあり、コース上に散らばったデブリを回収するためにVSCが宣言された。

 再開後もノリスのペースは衰えず、そのままトップチェッカー。ハンガリーGPに続く連勝を手にした。

 2位に入ったのはアントネッリ。ラッセルにポジションを譲られたが、ノリスには届かなかった。

 ラッセルは終盤防戦一方。再三ハミルトンにプレッシャーをかけられたが、なんとかこれを抑え切って3位表彰台を手にした。以下4位ハミルトン、5位ルクレール、6位ピアストリというトップ6。欠場となったアイザック・ハジャーの代役を務めレッドブルのマシンを駆ったリアム・ローソンが7位となった。

 トップ4チームに次ぐ8位でフィニッシュしたのはアウディのヒュルケンベルグ。その後方9位でフィニッシュしたのがアロンソだった。アロンソは多くのマシンが2ストップ、中には3ストップを選んだマシンもいる中、実質的な1ストップで走り切り、最後はガスリーの追撃を凌ぎ切った。予選こそ厳しかったが、レースペースは好調。アストンマーティン・ホンダは確実にパフォーマンスを上げている。

 角田裕毅は結局11位でのフィニッシュ。ガスリーに抜かれた後はついていけず、入賞を逃す結果となった。レース中盤のコースオフがなければ十分に入賞も狙えたと思われるだけに、その一瞬のミスが悔やまれる。

 次戦はスピードの殿堂モンツァで行なわれるイタリアGP。2週間後の開催である。

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