F1 イタリアGP

F1分析|超高速&灼熱でも、決勝レースでのソフトタイヤの出番あり! F1イタリアGP決勝の戦略を、FP2の走行データから読み解く!

F1イタリアGPの初日FP2のロングランデータを分析。決勝は1ストップが主流か?

田中 健一

編集: 2026/09/05 9:28

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Lewis Hamilton, Ferrari

Lewis Hamilton, Ferrari

写真:: Manuel Eletto / Getty Images

 F1イタリアGPでは、ソフト、ミディアム、ハードのいずれのタイヤも、決勝での出番がありそうだ。初日FP2のロングランペースを見ると、ソフトタイヤでロングランをしたフェラーリ勢が特に印象的であった。

 イタリアGPの舞台は、超高速サーキットのモンツァ。しかも気温は30度以上、路面温度も55度を超えるなど、マシンにもドライバーにも、そしてタイヤにとっても過酷なコンディションである。しかも今回持ち込まれたタイヤはソフトがC5、ミディアムがC4、そしてハードがC3という最も柔らかい組み合わせ。タイヤの面では苦労するのではないかと見る向きもあった。

 しかし初日FP2で各車が行なったロングランのペースを見ると、いずれのタイヤのデグラデーションも実に限定的であった。

F1イタリアGP FP2ロングランペース:ソフト

F1イタリアGP FP2ロングランペース:ソフト

写真: Motorsport.com Japan

 通常ならば予選専用タイヤとなることが多いソフトでも、多くのマシンがロングランを実施。もっとも多くのマシンがロングランを行なったタイヤと言うこともできる。上のグラフが、ソフトタイヤでの各車のロングランペースの推移である。

 タイヤのデグラデーション、つまり性能劣化が激しいと、このグラフが総じて右肩下がりとなる。しかしこのグラフを見ていただくと、右肩下がりになっていない……つまり、デグラデーションが小さいということがよくお分かりいただけるだろう。

 その中でも特に秀逸だったのがフェラーリ勢だ。他は中団グループのマシンたちであったものの、飛び抜けたペースで走っているのが分かる。しかも若干右肩上がりの折れ線……つまり走れば走るほどペースが上がっているということだ。

 決勝でも、フェラーリがソフトタイヤを使うのは必至だろう。そして、ライバルにとって驚異的な存在となるのは間違いない。

 ちょっと心配なのは、緑色の線で示しているアストンマーティン・ホンダのランス・ストロールのペースの遅さだ。直近のライバルとも言えるキャデラックからも1周あたり1.5〜2秒ほど遅れている。燃料搭載量の差であればよいのだが。

F1イタリアGP FP2ロングランペース:ミディアム

F1イタリアGP FP2ロングランペース:ミディアム

写真: Motorsport.com Japan

 こちらはミディアムタイヤでのレースペース推移。レッドブルのマックス・フェルスタッペンのペースと、レーシングブルズのアービッド・リンドブラッド&角田裕毅のレースペースはほぼ互角といったところに見える。レッドブル系2チームの争いが白熱しそうだ。

 なお角田は、走りはじめから徐々にペースを上げ、5周目をピークにペースダウン。まだマシンに慣れ切っていないからなのか、リンドブラッドと比較して安定していないという印象に見える。

 なおウイリアムズのアレクサンダー・アルボン(紫色)のペースは、優れたものではなかったが、美しいほど安定しているところも注目しておきたい。

F1イタリアGP FP2ロングランペース:ハード

F1イタリアGP FP2ロングランペース:ハード

写真: Motorsport.com Japan

 そしてこちらがハードタイヤのロングランペースだ。メルセデスの2台と匹敵する速さでレッドブルのリアム・ローソンが走っていたことがわかる。いずれのペースも安定している。

 判断が難しいのはマクラーレン勢だ。ランド・ノリスもオスカー・ピアストリも、短い連続周回しか行なわなかったため、そのパフォーマンスは不明。ただ短い中ではペースの下落は大きい。

 なおピレリのチーフエンジニアであるシモーネ・ベッラは、FP2の後にこんなことを語り、このグラフの傾向を裏付けている。

「3種類のタイヤすべてにおいて、デグラデーションは限定的で、マネジメント可能な範囲に留まっている」

「特に注目すべきは、ソフトコンパウンドだ。ロングランでも良好な安定性を示しており、レースでも有効な選択肢となりそうだ」

 モンツァには長いストレートが存在しており、それによってタイヤが冷え、過度に発熱することがない……それがデグラデーションが小さい理由だと、ベッラは言うのだ。

 そう考えると、ソフトタイヤを使う1ストップ作戦という選択肢も、十分に可能性がありそうだ。

 ただ、予選ではソフトタイヤで1周以上アタックラップを行なうのは難しいだろうともベッラは語っている。

「ソフトタイヤはサーマルデグラデーション(過熱による性能劣化)によるパフォーマンス低下のため、アタックラップを1周以上行なうのは難しいかもしれない」

「各コンパウンドのパフォーマンス差は、シミュレーション結果と一致している。C4(ミディアム)とC5(ソフト)の間は約0.5秒、C3(ハード)とC4(ミディアム)の差は約0.2秒であった。サーキットが生み出す縦方向と横方向のエネルギーが限定的であるため、タイヤ間の違いは比較的小さくなっている」

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