F1 マイアミGP

アントネッリが3連勝でランキング首位独走。激闘続きの57周……心配された雨はほとんど降らず。アロンソ15位|F1マイアミGP決勝

メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが優勝。心配された雨は一時パラつく程度であり、レースに大きな影響は与えなかった。

田中 健一

編集: 2026/05/04 5:32

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Andrea Kimi Antonelli, Mercedes

Andrea Kimi Antonelli, Mercedes

写真:: James Sutton / LAT Images via Getty Images

 F1マイアミGPの決勝レースが行なわれ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が優勝。これで3連勝を果たした。アストンマーティン・ホンダ勢は2台揃っての完走となった。

 雷雨の襲来が予想されたため、当初の予定よりも3時間前倒してスタートが切られることになったF1マイアミGPの決勝レース。そのスケジュール変更が功を奏し、ドライコンディションでスタート時刻を迎えることになった。

 このF1の前に行なわれたFIA F2のフィーチャーレースはウエットコンディションでスタートが切られたが雨は上がっており、次第に路面が乾いていった。レース終盤にはドライタイヤを試すマシンもあった(さすがに濡れすぎていて、このトライは失敗だったが)。

 その後路面のドライアップは進み、F1の決勝を迎える頃にはほぼ完全に乾いた。各車がミディアムタイヤを履いてスターティンググリッドに並び、気温26度、路面温度36度というコンディションであった。なお予選で車両規定違反があり失格となったアイザック・ハジャー(レッドブル)は、ピットレーンスタートを選び、ハードタイヤを履いた。

 スタートでは、フロントロウの2台がうまく加速せず、この間隙を突いてシャルル・ルクレール(フェラーリ)が首位に浮上。ルクレールはターン1のブレーキングを慎重に行なったが、出遅れたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はオーバーラン気味になってルクレール攻略を狙った。

 フェルスタッペンはコーナー立ち上がりからルクレールに競りかけたが、接触を避けようとしたかスピン! 360度くるりと回って、レースに復帰した。後続のマシンに追突されなかったのは、不幸中の幸いであろう。しかし、10番手まで順位を落としてしまった。

 ルクレールはそのまま逃げ切りを図りたいところだったが、レースペースに優れているのはメルセデス。4周目のバックストレートエンド(ターン17)でブーストモードを活かし、アントネッリが首位を取り戻した。

 しかし続く5周目にブーストモードを使えるのはルクレールの方。ルクレールはブーストモードを使い、アントネッリをオーバーテイク。またこの2台の後方では、マクラーレンのランド・ノリスが虎視眈々と狙っており、6周目に入ったメインストレートでアントネッリを抜き、2番手に浮上した。

 その直後にセーフティカー(SC)出動。2件の事故がほぼ同時に起こったのだ。

 まずターン14では、ハジャーがイン側のウォールに左フロントをヒットさせてしまい、サスペンションを壊してウォールにクラッシュ。ハジャーは自身のミスを嘆いた。

 またバックストレートエンドのターン14では、アルピーヌのピエール・ガスリーとレーシングブルズのリアム・ローソンが接触。ガスリーのマシンは横方向に一回転し、タイヤバリアのリヤが乗る形でストップしてしまった。幸いにも、いずれのドライバーにも大きな怪我はなかったようだ。

 このSCの間に、フェルスタッペンがピットイン。ハードタイヤに履き替えた。ここでタイヤ交換義務を消化し、フィニッシュを目指そうという戦略であろう。1周目にスピンした時に、タイヤを痛めていたかもしれない。一方でキャデラックのバルテリ・ボッタスはソフトタイヤに交換した。

 ただ複数のドライバーには、しばらくすると雨が降ってくるという無線が飛んだ。

 12周目からレース再開。メルセデスのジョージ・ラッセルは、チームメイトのアントネッリ攻略を狙ったがうまく加速できず……逆にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に抜かれてしまう。

 加速が鈍ったラッセルにはルイス・ハミルトン(フェラーリ)も接近するが、ここは順位変わらず。そのすぐ後ろでは、アルピーヌのフランコ・コラピントもチャンスをうかがった。

 オーバーテイクモードを使えないのは、長い全開区間があるマイアミではかなりの痛手。先頭のルクレールは13周目にノリス、アントネッリに立て続けにオーバーテイクされてしまう。ルクレールはすぐにアントネッリを抜き返すが、その直後に再度アントネッリが反撃。そうこうしている間に、先頭のノリスはこの2台から逃げる。

 ルクレールのペースは上がらず、次第にアントネッリに差を広げられてしまい、逆に後方から迫ってきたピアストリに対して防戦一方の状況となる。その道中でルクレールは一瞬コースオフ。一瞬ピアストリに前に出られてしまうも、なんとかポジションを取り戻すことができた。

 20周目、ラッセルがピットイン。ハードタイヤに履き替え、12番手でコースに復帰した。先にハードタイヤを履いたフェルスタッペンは猛烈なペースで飛ばし、一時16番手まで落ちたものの、この時点で6番手まで浮上していた。その勢いを見ての判断だったかもしれない。ルクレールもそれに反応し、21周を走り切ったところでピットイン。ただラッセルにアンダーカットを許してしまう。しかもルクレールは「なんでピットインしたの? 雨はいつ?」と無線で抗議した。

 その雨が降り始めたのが25周目。バックストレート手前のあたりを通過するマシンのオンボードカメラで、水滴が確認できるようになった。

 26周目、フェルスタッペンがハミルトンを抜いて4番手に浮上。そしてこの周回が終えたところで、アントネッリもピットインしてハードタイヤに履き替えた。結局雨は強まらなかったからだ。強い雨雲がサーキットに接近したが、ほんのわずかに逸れたのだ。

 これを見たノリス、ハミルトンがピットイン。ノリスはアントネッリにアンダーカットを許してしまった。その後ピアストリもピットに入ったことで、早々にピットストップを完了していたフェルスタッペンが実質的な首位に。その後方にはアントネッリとノリスがピタリとつけた。

 ただフェルスタッペンも無理に抑え込むことはせず、アントネッリとノリスが立て続けに抜いていった。

 首位に立ち、単独走行になったアントネッリは快調なペースで飛ばし、ノリスとの差を開いていった。しかし33周目に無線で「ギヤボックスに問題がある」と訴える。実際ペースも落ち、ノリスが再び1秒以内に接近。しかしこの問題は杞憂に終わり、アントネッリは再びペースを取り戻してノリスとの差を開き始めた。

 アントネッリは瞬間的にはノリスに再接近される場面もあったものの、結果的には3.2秒の差をつけてトップチェッカー。これで中国GP、日本GPに続き3連勝を達成することになった。

 白熱したのは3番手争いだ。

 フェルスタッペンは使い古したタイヤでレース終盤まで粘ったが、残り10周という時点でついにルクレールが追いついた。必死の抵抗を見せたフェルスタッペンだったが、タイヤライフの差はいかんともしがたく、ルクレールが先行。さらにはピアストリにも攻略されてしまった。

 その後はルクレールvsピアストリの3番手争いとなった。ピアストリがルクレールに迫り、執拗にプレッシャーをかける。そして56周目のターン17で、ピアストリがオーバーテイクを完了。ただルクレールは諦めず、ピアストリを抜き返そうとしたが、痛恨の単独スピン! 左フロントをコンクリートウォールに当ててしまう。

 ルクレールはなんとかレースに復帰したが、マシンはダメージを負ったようで、しっかりコーナリングできず、ショートカットを繰り返してチェッカーを目指す。しかしその間にラッセルとフェルスタッペンが殺到。ルクレールは最終的には2台に抜かれてしまうことになった。

 結局ピアストリが3位、以下ラッセル、フェルスタッペン、ルクレールという順でのフィニッシュとなった。

 ただ多数の事象が審議対象となっている。ルクレールは、複数回コース外を通ってアドバンテージを得たこと、そしてマシンが安全ではない状態で走行を続けたことが、レース後に審議されることになった。またフェルスタッペンとラッセルはバトル中に接触しており、これもレース後の審議対象である。

 7位以下はハミルトン、コラピント、カルロス・サインツJr.、アレクサンダー・アルボン……ここまでが入賞となった。ウイリアムズはダブル入賞である。

 アストンマーティン・ホンダ勢は、フェルナンド・アロンソが第1スティントをミディアムタイヤで40周以上走破し、ソフトタイヤに交換。最終的にはキャデラックのセルジオ・ペレスを抜いて15位となった。ランス・ストロールも17位でフィニッシュした。完走は日本GPに続き今季2度目だが、他のライバルチームとバトルしながらのレースを出来るところまでようやく辿り着いた。着実に進歩しているのは間違いないだろう。

 もちろん、これで満足するわけにはいかない。今後さらなる前進を期待したいところだ。

 次戦カナダGPは2週間後、5月22日〜24日にかけて行なわれる。

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