F1 モナコGP

大混迷! F1モナコGPの最終結果を巡る闘争がついに決着。ガスリーの表彰台が幻に……その理由は? アルピーヌは裁定受け入れも「失望と不満」を表明

F1モナコGPの最終結果に関する国際控訴裁判所の判決が言い渡され、ガスリーに当初科されたペナルティは有効に。その理由が説明された。

田中 健一

公開日時: 2026/09/05 1:33

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Pierre Gasly, Alpine A526

写真:: Erik Junius

 FIAの国際控訴裁判所は、今年のF1モナコGPでピエール・ガスリー(アルピーヌ)に科されたペナルティは有効だと判断。これにより、当該レースで3番手フィニッシュしていたガスリーは、7位に降格することとなった。

 今年のF1モナコGPでは、ピットレーンの速度超過によるペナルティが相次いだ。当該レースを3番手でフィニッシュしていたガスリーも、2度にわたってピットレーンの速度制限を超過したとしてペナルティを受け、7位降着となっていた。

 しかしピットレーンの速度を計測するループの距離に77cmの誤差があったことが判明。アルピーヌが再審を請求した結果、ペナルティが取り消され、ガスリーが3位に返り咲いていた。

 しかしこの裁定にはレッドブルとマクラーレンが反論。国際控訴裁判所に異議申し立てを行なった。

 国際控訴裁判所は9月4日(金)に、ガスリーへのペナルティは有効であるとの判決を下した。この結果ガスリーは7位に降格となり、レッドブルのアイザック・ハジャーが表彰台に返り咲くことになった。

 国際控訴裁判所の判決理由のひとつは、ガスリーのピットレーン走行距離が、速度制限のループよりも長かったことをアルピーヌが完全に証明できなかったということだ。つまり、速度違反と判定されたのは「走行距離の短縮、速度の超過、あるいはその両方の組み合わせ」だった可能性があるということだ。

 しかし国際控訴裁判所は、他のドライバーがレース中にペナルティを消化していたことは、「不当な裁定の取り消しを妨げるものではない」とも説明。「ペナルティの消化はチームの裁量と選択に基づいて執行されたものである。競技上の公平性を損なうという理由でこれに反する主張を認めることは、逆にスポーツの公平性に反することになる」とも明言した。

 アルピーヌはこの裁定に対して「失望と不満」を表明。ガスリーは何の不正行為もしておらず、いかなるペナルティも受けるに値しないと依然として主張する。

「チームは、2026年モナコGPの結果に関する、FIA国際控訴裁判所の判決に失望と不満を表明する」

 アルピーヌはそう声明で発信した。

「我々は判決に同意せず、レース中に10号車がピットレーンの速度制限を一度も超過していないという主張を堅持する。しかしパリで行なわれた審議の決定を受け入れる」

「結果は期待していたものではない。不当な処分を受けたと感じている。しかしチームはコース上でのパフォーマンス向上に引き続き注力し、依然として熾烈なチャンピオンシップ争いを繰り広げていく」

「この結果によって、シーズン終了までに目標を達成するためのチームの努力とモチベーションを阻害することはない」

 一方でFIAも声明を発表し、スチュワードが誤った判断を下した責任は必ずしも彼らにはないと主張しつつも、手続きを見直すことを約束した。

「FIAは国際控訴裁判所が8月25日の審理に関して下した判決を承知した」

「国際控訴裁判所の判決は、モナコGPの文書99に記載されたスチュワードの決定に対するマクラーレンF1チームとレッドブル・レーシングの控訴を認め、事実上これらの決定を覆した」

「FIAは現在のF1計時システムの方法論と運用、おとび関連する規制事項を見直している。また、審査権や控訴手続きを含むその他の司法手続きと運用についても見直しを行なう予定である」

「FIAはスチュワード制度、そしてグローバルモータースポーツにとって不可欠な多様な審査団の独立性と客観性を全面的に支持する」

「スチュワードの決定は、裁判所とは異なる環境で行なわれる。一方で裁判所は、広範かつ追加の法律顧問の意見、主張、証拠にアクセスすることができる」

「FIAのスチュワードは常にそのプロセスを見直し、広範な専門能力の育成に参加している。国際控訴裁判所の全ての決定は、FIAスチュワードによって綿密に検討され、継続的な改善のためのプロセスが確保されている」

Reported by Ben Vinel

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