”一強時代とパフォーマンス低下”を避けなければ……F1委員会、2026年からのパワーユニット規則の調整について議論も意見の隔たりは依然大きく
F1各チームが、2014年に起きたようなパワーユニットのパフォーマンス格差が再発した場合に早々にこれを解消するための仕組みを、2026年からの新レギュレーションに織り込むという基本方針に合意した。
Lewis Hamilton, Mercedes F1 W05 Hybrid
写真:: Alastair Staley / Motorsport Images
今週木曜日(4月24日)にスイスのジュネーブでF1委員会の会合が行なわれた。ここでは主に、2026年からのパワーユニット(PU)のレギュレーションに関して話し合われたが、いくつかのメーカーが開発で遅れをとった場合の救済策を導入することで基本的には合意されたようだ。
2026年から導入される新しいPUレギュレーションにより、勢力図が大きく変わるだけでなく、いくつかのメーカーが大きく遅れをとる可能性があるのではないかという懸念がある。このことは、木曜日に行なわれたF1委員会での主な議題となった。
2014年に現行のPU規則(エンジン+熱エネルギー&運動エネルギー回生システム)が導入された当初、メルセデスが圧倒的なパフォーマンスを発揮。その後数年間にわたって、首位の座に君臨した。2021年にホンダのPUを搭載するレッドブルのマックス・フェルスタッペンにドライバーズタイトルを奪われるまで、7年連続でダブルタイトルを独占し続けた。なおホンダは他よりも1年遅れた2015年から新規則PUを使うF1に参戦し、他メーカーに追いつくのに大いに苦労した。
2026年のレギュレーションでは、2014年の二の舞は避けたいという声が広く上がっている。2014年とは異なり、2026年レギュレーションにおけるPU開発には予算の上限が定められているため、遅れを取ったチームが挽回するのは容易ではない。そのためF1委員会では、開発に失敗したメーカーの追い上げを可能とするメカニズムが議論された。
motorsport.comの取材のよれば、遅れをとっているメーカーに対し、テストベンチの稼働時間及び開発予算上限を緩和するという方向で、基本的な合意に達したようだ。開発が遅れているかどうかを判断する際には、チームとしてのパフォーマンスではなく、純粋なPUのパフォーマンスのみが基準になるという。
またバッテリーのエネルギー切れにより、ストレートの途中でマシンを減速させなければならない状況を回避するため、PU出力における電動パワーの比率を大幅に削減するという提案もあった。2026年からのPUは、電動パワーの出力が大幅に引き上げられる予定なのだ。
この議論がサウジアラビアGPの週末に浮上した際には、意見が分断された。メルセデスのトト・ウルフ代表はこの提案について「まるで冗談だ」と一蹴した一方で、フォードの支援を受けて自社製PUを開発しているレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は強く支持した。
その妥協案のひとつとして挙げられているのは、モンツァのようなロングストレートが主体のサーキットでは、レース時のエンジンと電気モーターの出力比を調整するというものであるが、それ以外にもいくつかの妥協案が提案されていると言われる。
どんな妥協案が受け入れられるかについては、各チーム/メーカー間で意見の隔たりが大きいようだ。今後はPU諮問委員会で詳細に検討される方向性だ。
FIAはこれについて、「F1委員会は、2026年に向けたエネルギーマネジメント戦略の見直しと、2026年にパフォーマンスの低下や重大な信頼性の問題に見舞われたPUメーカーが直面する可能性のある財務の問題への対策について、原則的に議論した」と声明を発表している。
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