F1アクセサリー規制、6月末まで免除期間延長へ……ドライバーとのさらなる対話に向けFIAが歩み寄り
FIAは、マシン乗車時のアクセサリー規制について、F1ドライバーとのさらなる対話のため6月末まで免除期間を6月末まで延長すると発表した。

今季のF1では、新しくF1レースディレクターに就任したニールス・ウィティヒ主導の下、FIA国際競技規約(ISC)の適切な履行の厳格化が進められている。この規約にはピアスや指輪、ネックレスやブレスレットなどのアクセサリー類を外してマシンに乗車しなくてはならないとする条項も含まれているが、多くのドライバーが反発している。そのためFIAは、規制厳格化の免除期間を6月末まで延長すると発表した。
このアクセサリー規制は、第3戦オーストラリアGPの際に注意喚起から始まり、第5戦マイアミGPからは車検時の申告制でのルールの遵守が求められるようになった。
このFIAの動きを快く思わないF1ドライバーも少なくなく、メルセデスのルイス・ハミルトンは「不必要」で「後退」だとして、全てのピアスを外す必要はないと語っていた。特に彼のノーズピアスは簡単には取り外すことができないため、2レースの間は取り外しを免除されることとなったた。
マイアミGPとスペインGPが免除期間だったが、今回6月末まで延長されることとなった。追加の免除期間はモナコGPからアゼルバイジャンGP、カナダGPの3レースが対象となる。
この措置は、ドライバーとFIAのメディカルスタッフとのさらなる対話を進めるために行なわれたモノで、FIAは安全かつ賢明な方法でISCの付則L項第3章第5条にあるアクセサリー類の規制を履行しようと試みている。
スペインGPのドライバーズブリーフィングの後、アクセサリーを着けた状態でマシンをドライブする上で起こりうる安全上の問題について、話し合いが行なわれた。

Lewis Hamilton, Mercedes
Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images
アクセサリー規制の強化は、2020年バーレーンGPでロマン・グロージャンに発生した炎上クラッシュがきっかけとなっている。同様の事故が発生した場合、ドライバーをコックピットから引っ張り出す際にジュエリーがマシンに引っかかる可能性があり、重大な結果になることが危惧されているのだ。なお、規制自体はかなり前からISCに記載されていた。
ルールを破った場合に下される罰則については現時点では明記されていないものの、初犯の場合は5万2000ドル(約680万円)、再犯の場合は最大26万5000ドル(約3500万円)の罰金。3度目の違反では、チャンピオンシップポイント剥奪の罰則を科す可能性もあると言われている。
このアクセサリー規制の強化においては、結婚指輪を含めマシン乗車時に着用が許されるモノ、許されないモノに関して不透明な部分が残っている。
ハースのケビン・マグヌッセンは5月26日(木)にモナコで、結婚指輪を着けたままマシンに乗ってもいいかどうか、FIAに説明を求めるという。
「5万ユーロの罰金と言われた時点で外したんだ」とマグヌッセンはマイアミGPの際に語っていた。
「引き出しの中にしまっておいたよ。リスクは冒さないよ」
「けど、結婚指輪を着けてレースをすることで僕の指がさらなる火傷を負うことになっても、僕は受け入れられる」
「何かが起こっても……それが悪いことだとしても、僕は自分の結婚指輪をつけていたい。外すのはちょっと嫌な感じだ」
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