F1

F1に新規参戦するキャデラック、そしてアウディ……新規参入する自動車メーカーがいつ以来なのか?

キャデラックにアウディが参戦をスタートさせる2026年のF1。ハース以来の新チームとなるが、自動車メーカーとしてはいつ以来?

田中 健一

公開日時: 2026/01/17 11:29

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Valtteri Bottas, Cadillac

Valtteri Bottas, Cadillac

写真:: Cadillac Communications

 2026年、F1にとって大変革の年である。レギュレーションが大きく変わり、マシンが一変。燃料も変わる。

 それだけではない。参戦チーム/メーカーという面でも大きな変更がある。

 2026年、F1に新規参戦するチームはキャデラックである。彼らはフェラーリ製のパワーユニットを使うものの、マシンはゼロから開発中。ドライバーには優勝経験のあるベテランふたり、セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスを揃えるという本気ぶりである。

 チームとしての新規参入は、2016年のハース以来。F1は実に10年ぶりに新チームを迎えるということになるわけだ。

 では、自動車メーカーとしてはいつぶりのF1新規参戦なのだろうか?

 今シーズンはキャデラックではなく、アウディもF1に新規参戦することになっている。アウディの場合は、これまで継続して参戦してきたザウバーを買収する形でのF1参戦だが、メーカーとしてはこれまでF1参戦経験はなく、新規である。しかもパワーユニットは自社製だ。このキャデラックとアウディが、新たにF1に挑む自動車メーカーということになる。

 2021年にはアルピーヌがF1への参戦をスタートしたが、これはルノーが傘下ブランドであるアルピーヌの名称に変更したというだけであり、新規参戦とは趣が異なる。また同年にはアストンマーティンもF1への参戦をスタートさせたが、これはレーシングポイントの名称を変更したものであった上、アストンマーティンは1959〜1960年の2年間F1に参戦した歴史があるため、新規参戦とは言えない。

 2012年にはケータハムが自動車メーカーとしてF1に参戦している。これも前年までのロータス・レーシングを引き継ぐ形での参戦であったが、チームのオーナーであったトニー・フェルナンデスが自動車メーカー”ケータハム“を買収し、チームの名称に採用した格好。実質的にはこのケータハムが、キャデラック/アウディの前にF1に参入した最後の自動車メーカーということになろう。

 それ以前には、2006年〜2007年にスーパーカーメーカーのスパイカーがF1に参戦している。このチームは前身がジョーダン/ミッドランド、そしてその後フォースインディアなどを経て、今はアストンマーティンとして参戦しているチームだ。

 なおアウディは、チームとしてだけでなくパワーユニット(PU)メーカーとしての参戦。またキャデラックも、2029年からは親会社であるゼネラルモーターズ製のPUを使うことが決まっている。

 エンジンも自社製で調達するのはいつぶりだろうかと歴史を辿ってみると、2002年にF1への挑戦をスタートさせたトヨタ以来ということになりそうだ。

 なお2026年シーズンからは、レッドブルも自社製PUを投入する。レッドブル・パワートレインズ(RBPT)だ。このRBPTは、近年では特に特殊な存在であると言える。何が特殊なのか? それは自動車メーカーではないということだ。

 かつてはコスワースやイルモア、ハートなどといった非自動車メーカー系のエンジンがF1でも使われていた。無限も、ホンダとの関係性が強かったとはいえ、これの中に当てはまるかもしれない。

 しかし特に2014年にV6ターボエンジン+運動エネルギー/熱エネルギー回生システムのいわゆるPU規定が導入された後は、非自動車メーカー系のPUは皆無だった。PUはシステム自体が実に複雑であり、開発費用も高価であることが、その理由と言えよう。そういう意味では、2013年にマルシャF1チームが使っていたコスワースCA2013が、現時点で最後の非自動車メーカー系エンジンということになる。

 ただ今季はRBPTが、非自動車メーカー系PUとして登場する。メルセデスやホンダ、フェラーリ、アウディといった名だたる自動車メーカーを相手にどこまで太刀打ちできるのか、2026年最大の注目点と言ってもいいだろう。

 なおこのRBPTは、フォードの手厚いサポートを受けて新型PUを開発中。奇しくもRBPTの前の非自動車メーカー系エンジンを手掛けたコスワースも、長くフォードから資金援助を受けていたという共通点がある。

 さてトヨタもハースとの提携関係を強めるなど、その距離を縮めている(今年は同チームのタイトルスポンサーだ!)。チームやPUメーカーとしての参戦ではないものの、ドライバーやエンジニアなどを送り込んでおり、ハースF1の小松礼雄代表は「正式にトヨタと一緒に参戦している」と表現するほどだ。

 メルセデス、ホンダ、フェラーリに加え、アウディ、キャデラック、ルノー(アルピーヌ)が参戦するF1。そこにRBPTが新規パワーユニットメーカーとして挑む。トヨタも関与する。歴史的にも珍しいほど、世界中の名だたる自動車メーカーが覇権を争う……そんな形にF1がなりつつある。歴史的にも稀に見る、超ハイレベルの大激戦時代に突入していくことになるかもしれない

 覇権を握るのはどのメーカーなのか? 我々はまもなく目撃することになる。

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