F1スプリント予選レース、次戦イギリスGPで初実施予定も、各チームからルールの”詳細”について懸念が噴出

今季中に試験的に導入される予定のF1スプリント予選レースだが、パルクフェルメなどに関して複数のチームが懸念を抱いているものの、予定通り実施に向け進んでいるようだ。

F1スプリント予選レース、次戦イギリスGPで初実施予定も、各チームからルールの”詳細”について懸念が噴出

 今季のイギリスGPの際にF1で初めて実施される予定のスプリント予選レース。これは、土曜日の午後に100kmのスプリントレースを実施し、日曜日の決勝レースのスターティンググリッドを決めようというものだ。

 ただ、これまでとはグランプリの週末のフォーマットが大きく異なるため、F1スポーティングレギュレーションに大きな調整を施す必要があった。

 主要な部分は少し前の段階で既に合意がなされているが、パルクフェルメルールなどいくつかの部分については、議論が続いてきた。そしてオーストリアGPの木曜日に行なわれたチームマネージャー及びF1とFIAの主要な関係者による会議でも、それらのことが議題として取り上げられた。

 一部のチームが懸念しているのは、スプリント予選レースを実施することで、従来方式の予選が金曜日の午後に移った結果、パルクフェルメ状態が始まるタイミングがこの金曜予選前に早まってしまうことだ。つまりこれまでは金曜日の夜や土曜日のフリー走行3回目が終わった段階で行なっていた作業を、かなり前倒ししなければならなくなる。

 その中でもチームが心配しているのが、クラッチのシミング(均一調整)をする時間があるかどうかという点だ。一部のチームは、週末を通してトラブルが発生するのを避けるべく、金曜日の夜か土曜日の朝にこの調整を行なっている。

 もしこのシミングをパルクフェルメ状態でも免除されないということになった場合は、チームによってはその後の走行距離を制限しなければならないかもしれない。つまり、土曜日の朝に行なわれるFP2での走行に支障が生じる場合があるのだ。この影響を受けると懸念されているのは、アルピーヌやマクラーレン、アストンマーチン、アルファロメオなどであるようだ。

 他のチームはシミングを必要としない”長寿命”のクラッチを使っているが、今季のホモロゲーションルールでは、シーズン中に他のスペックのクラッチに変更することが許されない。

 木曜日に行なわれた会議では、クラッチのシミングについて、特別な免除はない旨が合意されたと見られている。

 ただ、チームはパルクフェルメ状態の中でも、クラッチを交換することができるようだ。とはいえこれが許されるのは過度に摩耗していることを示すデータを提示できる場合に限られるという。そして変更が必要であったことを正当化するために、取り外したクラッチはFIAによる検査を受けなければならない。

 もうひとつの問題は、フロア下のプランクと呼ばれるパーツの交換についてだ。このプランクが過度に摩耗していると、ペナルティの対象とされる。そのためチームは、予選前にこのプランクを交換するのが常。予選が始まった後では、交換することが許されないからだ。スプリント予選レースが実施されることになれば、パルクフェルメ状態が始まる金曜予選以降は、交換できない……つまり、プランクを交換せずに予選、FP2、スプリント予選レース、決勝レースを走破しなければならなくなる。

 この日の会議が行なわれる前、F1のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは、これらのような細かな懸念についての議論が、イギリスGPでスプリント予選レースを実施する計画を狂わせることはないと主張した。

「ルールは決定的なものである」

 そうブラウンは語った。

「クラッチの問題は、初期段階から言及されていた。しかし、最近はかなり静かになっていたと言わざるを得ない。そして最近になって再び言及されるようになったのを見て、興味深く思っている。これについては木曜日に話し合うが、ルールは明確に定義されている」

「元々の議題は、ピレリに何セットのウエットタイヤを返却するのかなど、そういう小さなモノだったのだ。非常に、非常に細かい部分だった。だから基本的なモノについての変更は何もない」

「そして明確にしておくならば、木曜日の会議で何も合意されなかった場合でも、この計画は前に進んでいく。世界モータースポーツ評議会で承認された、一連の規則があるのだ」

「そしてどんな小さなことでも、それを調整することができる。ただ、承認のプロセスは既に完了している。だから今ではもう、これを止めるものは何もないのだ」

 

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