F1

F1チーム、“ミラー開発戦争”回避に向け協議へ……曖昧な技術規定の文言が原因とFIA示唆

メルセデスがアグレッシブな空力デザインをテストに投入したことを受け、F1チームは3月15日に“ミラー開発戦争”回避に向けた話し合いを行なう予定だという。

Jonathan Noble Luke Smith

編集: 2022/03/16 11:47

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Mercedes W13 mirror

 F1の2022年シーズン開幕に先立ちバーレーンで行なわれたプレシーズンテストでは、メルセデスが今季のマシン『W13』に大規模な空力アップデートを投入。極小のサイドポンツーンの上には、フェアリングで覆った上部の横方向の衝撃吸収構造(SIS)が翼のように伸びている。SISにあるミラーには小さな整流板が付随して並べられている。

 フェラーリのチーム代表を務めるマティア・ビノットは、このサイズゼロ・サイドポンツーンよりもミラーに着目し、テクニカルレギュレーションに即しているものの、将来的にこのエリアが開発競争の的となり、各チームが“宇宙船”のようなデザインを持ち込むのではないかと危惧していた。

 3月15日(火)に行なわれるF1技術諮問委員会(TAC)の会合では、この問題が議題に上がるという見方がある。

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、「ミラー戦争に巻き込まれたくはないものだ」と述べている。

「ここ10年ほどの間、技術会議ではミラーの役割やウイングとして機能するかどうかという話に多くの時間を割いてきたが、恐らくそれは意図したモノではない」

「話すに相応しいTACの会合では、恐らくこの議題が取り上げられ、議論されることになると思う」

 FIAのフォーミュラカー担当のニコラス・トンバジスはこの問題について、現行のテクニカルレギュレーションではどこまでがボディワークで、どこからがミラーの一部なのかが明確に定義されていないためだと指摘している。

 理論上では、ミラーはボディワークに分類されない。F1テクニカルレギュレーション第3.2.2条によると、ミラーの空力的影響はミラーとしての「主な機能に対して、付随的でなければならない。空力的影響を最大化することを目的としたデザインは禁止されている」と定められている。

Lewis Hamilton, Mercedes W13

Lewis Hamilton, Mercedes W13

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

【ギャラリー】そんな装備で大丈夫か!? メルセデスがF1テストに持ち込んだサイドポンツーンが”ほぼない”マシン

 ただレギュレーションでは、いくつかのボディワークを、ミラーを支えるステーとして申告することも認められており、その場合は別の見方をされることになる。

「レギュレーション内で、ミラーステーと呼ばれるボディワークには2種類あり、一定の条件を満たす必要がある。このボックスの中に収まっていなくてはならない、何らかの寸法の中に収まっている必要がある、セクションを持たないなどとね」とトンバジスは言う。

「ただその言い回しでは、申告した通りのボディワークに付けることができてしまう」

「『〇〇と呼ばれるボディワークは、その中に収まっていなければならない』と規定されるべきだったが、実際はそうならなかった。名前と機能の間に直接的な関連性はないのだ」

「マシンの他のエリア……レギュレーションの他のエリアでは、『この目的のために、△△に従う必要がある』という文章を我々は載せている。そこでは別の見方がされる。というのも、この文言では、そのコンポーネントの目的や存在理由が具体的に定義されているからだ」

「明らかに違うことをやっていて、その機能を言い訳にしているチームがあれば、我々は許可しないことも多い。一方で、ミラーステーについては文言が定まっていないため、少なくとも現時点ではそのような意見になっている」

 TACがメルセデスのミラーデザインを禁止するように働きかけるということは考えにくいが、空力的な意味合いが強まるデザインへとシフトしないよう、2023年シーズンに向けてテクニカルレギュレーションの文言に変更が加えられる可能性はある。

「我々は常に翌シーズンのレギュレーションを評価していて、物事が明確かどうか、新しいレギュレーションが意図とは異なるカタチで反映されていないかなどを見ている」とトンバジスは続ける。

「(2022年は)結果として、意図したところからの乖離は非常に少なかったと思う。ただ、少々引っかかるモノもあり、その点はチームと話し合っている。15日にもう一度TACの会合を開き、これらの問題について話し合う予定になっている」

 

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