F1 オーストリアGP
”機密”扱いだったF1の最新レーシングガイドライン、透明性向上の要請を受けて公開される
F1を統括するFIAは、2025年の改訂版レースガイドラインとペナルティシステムを公開した。

Filip Cleeren
編集: 2025/06/26 11:23
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

The race start
写真:: Kym Illman (Getty Images)
FIAは、透明性向上の要請を受けて、アップデートされたF1レースガイドラインとペナルティシステムを公開した。
F1のレースガイドラインは、FIAのレーススチュワードがコース上で起きたインシデントを判断し、ペナルティを下す際に参考とするモノ。しかし昨シーズンの複数の注目すべきインシデントで、ガイドラインをめぐって多くの議論が行なわれた。
ドライバーとの話し合いを経て、ガイドラインには大幅な変更が加えられたが、これまでその内容は機密扱いだった。しかしこの度、FIAは現在使用されている最新バージョンをウェブサイトで公開したのだ。
最も議論の的となっている条項は、ホイール・トゥ・ホイールのバトルにおいてどちらのマシンが優先権を持つか、およびコーナー出口などでスペースを空ける必要があるのかどうかという点だ。最新版では、イン側のラインを取ったマシンがオーバーテイクしやすくなっているようだ。
Sergio Perez, Red Bull Racing RB20, passes George Russell, Mercedes F1 W15
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
最新ガイドラインでは次のように定められている。
■コーナーのイン側での追い越し
コーナーのイン側から追い越す際にスペースを与えられる権利を得るためには、追い越す車は次の条件を満たす必要がある。
i) 他の車のミラーと少なくとも並行する位置にフロントアクスルを配置し、コーナーのエイペックスに至るまで維持すること。
ii) コーナーの進入からエイペックスまでの間、完全にコントロールされた運転を行ない、”ダイブイン”を行なわないこと。
iii) スチュワードの判断において、適切な走行ラインを選択し、トラックリミット内を維持したままその動きを完了すること。
■コーナーのアウト側での追い越し
コーナーのアウト側からの追い越しは、常に実行がより困難な操作であるとみなされる。コーナー出口を含めてスペースを与えられる権利を得るためには、追い越す車両は次の条件を満たす必要がある。
i) コーナーのエイペックスにおいて、自車のフロントアクスルが他車のフロントアクスルよりも前方にあること。
ii) コーナー進入からエイペックス、そして出口まで、コントロールされた方法で走行すること。
iii) トラックリミット内を維持したままコーナーを走行すること。
■シケインやS字コーナー
i) 上記のイン側、アウト側に関するガイドラインは、複合コーナーの各要素に適用される場合がある。一般的には、最初のコーナー要素に優先順位が与えられる。
また、これらのガイドラインは規則ではなく、競技者が特定のインシデントをスチュワードがどのように判断するかを理解するのを助けるためのものである。ただしスチュワードは競技規則に基づいてケースバイケースの判断を行なう権限を有しており、FIAは考慮される要素を具体的に指定している。
i) 車両がどのようにインシデントに至ったのか?(例:レイトブレーキングや急ハンドル、ブレーキング中のライン変更など)
ii) その操作のタイミングが遅かったか、または楽観的だったか?
iii) 合理的に考えて、ドライバーが見ることができ、知ることができ、予測することができたことは何か?
iv) その操作がコース上で完了可能だったと考えられるか?
v) アンダーステア、オーバーステア、ロックが発生したか?
vi) 誰かが車のポジションやハンドルを、インシデントの原因となるような方法で操作したか?
vii) コーナーのタイプが事故の原因となったかどうか?(例:コーナーのキャンバー、縁石、形状、エイペックスなど)
viii) タイヤの相対的な状態、タイヤの履歴、グリップはどのようなものだったか?
また、メルセデスのドライバーであり、GPDA(F1ドライバーの選手会組織)の理事であるジョージ・ラッセルのコメントも公開された文書に含まれている。彼は以前、FIAの透明性不足を批判していた。
「僕たちのスポーツの統治における透明性の向上は重要な問題であり、これはその方向への重要な一歩だ」とラッセルは述べた。
「この措置がメディアとファンに、コース上でレースを行なう際のルールについて明確な理解を提供し、スチュワードが判断を下すプロセスを理解する手助けとなることを願っている」
FIAはまた、ペナルティとペナルティポイントのシステムを詳細に説明する別個のガイドライン文書を公開した。この文書では、各違反に対して下されるペナルティの内容と、付与されるペナルティポイントの基準が記されている。
この中には大きな話題となった悪態や暴言に対するペナルティについても記されている。メディアインタビュー、記者会見、ポディウム式典などではない、”非制御”環境での発言は原則として私的な会話として扱われるものの、短期間に複数の違反が発生した場合、人種差別的または差別的な内容を含む場合、またはFIA役員への虐待を含む場合はこの限りではないとされている。
関連ニュース:
F1F1カナダGPは”レース後審議対象”のマシン多数。最終結果が大きく変わるかも?……角田裕毅「昨日僕がペナルティなら、彼らも同様だ!」
F1僕にどうしろって言うんだ……? レッドブル角田裕毅、手負いピアストリ回避でグリッド最後尾転落のペナルティ。不満止まらず
F1ラッセル、FIA会長の”悪態”ペナルティ見直し発言に反応「実行に移されるまでは意味がない」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 レッドブル、F1オーストリアGPから最新アップデート投入へ。新時代全集中のためRB21開発は大詰め
次の記事 ブラッド・ピット「ニッポンはF1の国……皆さんにようやくこの作品を見てもらえて嬉しいよ」:映画『F1/エフワン』の舞台挨拶に緊急登壇

More from
Filip Cleeren

好調だったはずのマクラーレンはなぜ4番手チームに成り下がったのか。「状況が一変した。データに異常もないのに」とステラ代表
F1
F1
バーレーンGP
1 時間前
好調だったはずのマクラーレンはなぜ4番手チームに成り下がったのか。「状況が一変した。データに異常もないのに」とステラ代表

マクラーレン代表、前代未聞の”ソフトウェアバグ”に理解示す「再発は防ぎたいが、不具合は受け入れるべき」
F1
F1
バーレーンGP
1 日前
マクラーレン代表、前代未聞の”ソフトウェアバグ”に理解示す「再発は防ぎたいが、不具合は受け入れるべき」

「本当にひどい話。受け入れられない」ソフトウェアのバグで複数台が立ち往生……セパンで起きた珍事にF1ドライバーの不満爆発
F1
F1
バーレーンGP
2 日前
「本当にひどい話。受け入れられない」ソフトウェアのバグで複数台が立ち往生……セパンで起きた珍事にF1ドライバーの不満爆発
最新ニュース

好調だったはずのマクラーレンはなぜ4番手チームに成り下がったのか。「状況が一変した。データに異常もないのに」とステラ代表
F1
F1 F1
バーレーンGP
1 時間前
好調だったはずのマクラーレンはなぜ4番手チームに成り下がったのか。「状況が一変した。データに異常もないのに」とステラ代表

ラッセル痛恨……シンガポールGPグリッド降格決定で逆転タイトルに暗雲。ウルフ代表認める「残念だが」
F1
F1 F1
バーレーンGP
2 時間前
ラッセル痛恨……シンガポールGPグリッド降格決定で逆転タイトルに暗雲。ウルフ代表認める「残念だが」

日本から世界に挑戦……宮田莉朋、中村仁の2026年の評価をトヨタ加地ディレクターに訊く
F1
F1 F1 3 時間前
日本から世界に挑戦……宮田莉朋、中村仁の2026年の評価をトヨタ加地ディレクターに訊く

アロンソ、ダカールラリーへの再挑戦が2027年にも実現か? プロドライブから参戦の噂
Dakar
DAKR Dakar 4 時間前
アロンソ、ダカールラリーへの再挑戦が2027年にも実現か? プロドライブから参戦の噂
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録