F1

F1のフレキシブルウイング、規制強化へ。FIAが”変更なし”の方針転換、前後ウイングの検査を厳しく

FIAは、2025年シーズンのF1開幕に向けてスタンスを変更。新たな荷重検査を実施することで前後のフレキシブルウイングを規制するようだ。

Filip Cleeren Ronald Vording

公開日時: 2025/02/01 3:00

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McLaren MCL38, Ferrari SF-24 atParc ferme

McLaren MCL38, Ferrari SF-24 atParc ferme

写真:: Andreas Beil

 FIAはこれまで、2024年のF1で議論の的となったフレキシブルウイングについて、荷重検査に変更を加える予定はないとしていたがこの方針を変更。前後のウイングの取り締まりを強化するようだ。

 2025年の開幕戦となるオーストラリアGPから、FIAはリヤウイングの静的たわみ検査の範囲を拡大。6月のスペインGPからはフロントウイングにも検査項目を追加する。

 FIAは当初、F1チームの様々なウイングデザインに対応できるような追加検査を課すのは難しいとして、現在の内容に満足していると述べていた。

 しかし現在、FIAはこの現象をさらに厳しく取り締まる技術指令”TD018”の更新案を送付している。その主な動機は、新シーズンに向けてエアロエラスティック(空力弾性/空力負荷によるパーツの弾性変形)がチーム間の大きな火種となるのを阻止するためだ。

「2024年シーズン終了後にFIAシングルシーター部門が実施したさらなる分析を受け、我々は2025年シーズンにボディワークの柔軟性が争点にならないようにすることを目指している」

 FIAはmotorsport.comに対しそう述べた。

「この取り組みの一環として、2025年シーズンの開幕戦からリヤウイングの検査範囲を拡大し、スペインGPからはフロントウイングの追加検査を導入する」

「この段階的なアプローチにより、チームは既存のコンポーネントを不必要に廃棄することなく適応することができる。これらの調整は、ボディワークの柔軟性に関するレギュレーションを監視し、実施する我々の能力をさらに向上させることを目的としており、公平でエキサイティングなレースを促進するために、すべての競技者に公平な競争環境を保証するものだ」

 motorsport.comの調べによると、フロントウイングはたわみの許容量を15mmから10mmに減らすなどの措置が取られるようだが、この規制強化が6月に延期されているのは、チームが2025年シーズンの開幕に向けて準備しているフロントウイングを廃棄することなく、より厳しい検査に適応できるようにするためだという。

 空力弾性というコンセプトは、2022年から25年にかけてのルールサイクルで大きな話題となった。グラウンドエフェクトカーである現世代のF1マシンは、低速コーナーと高速コーナーのバランスを取るのが非常に難しかったからだ。

 空力的な負荷によって曲がり、それによって特性が変化するウイングは、セットアップの妥協点を見つけ、マシンの運用の幅を広げるための重要なツールとなっているのだ。

 コンストラクターズチャンピオンシップを制したマクラーレンはこのコンセプトを最もうまく活用したチームのひとつとして評価されている。

 しかしその躍進ぶりに他チームは眉をひそめており、フェラーリは各チームが傾倒しているフレキシブルウイングがレギュレーションの範囲内なのかを疑問視している。

 motorsport.comのインタビューに応じたフェラーリのフレデリック・バスール代表は、フェラーリが独自のフレキシブルウイング投入を控えていたのは、FIAが昨夏に取り締まりを強化すると予想していたからだと明かしている。

 しかし、最終的にFIAが何の措置も取らないと発表したことで、フェラーリはライバルたちに比べて大きく遅れ、独自バージョンの投入は9月下旬のシンガポールGPまで待たなければならなかった。

「我々は(FIAが)”ノー・ゴー”を突きつけると確信していた。そして”ゴー”が出されたんだ。だからおそらく我々は1ヵ月か2ヵ月ロスしたと思う。予算制限がある以上、選択を迫られるから難しいんだ」

「もし、それが許可されないと確信していて、別の何かを開発し始めたのなら、風洞での時間を犠牲にすることになる」

 昨年、FIAはマクラーレンの”ミニDRS”リヤウイングを発端に各チームにリヤウイングの調整を要請したが、開幕前の段階でこれ以上の騒動が起きないよう行動を起こした。

 まだ時間は残されているとはいえ、各チームは昨シーズンに大きな武器となり、2025年もそうなると予想していたツールへの規制強化に対応しなければならなくなった。

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