アウディF1、あえてのシェイクダウン1番乗りは”計画通り”「できるだけ長く空力開発をしたい誘惑はあった」
アウディは、1月9日に真っ先に新車のシェイクダウンを行なったが、これは1年半も前から計画していたことだったという。
ザウバーを買収する形で、F1へと参入するアウディ。その初代マシンとなる『R26』は、1月9日にバルセロナでシェイクダウンされた。
他のチームに先駆けて新車をデビューさせたアウディ。当然と言えば当然だが、これは場当たり的に決まったモノではなかった。テクニカルディレクターのジェームズ・キーによると、約18ヵ月前から準備されていたことのようだ。チームは1月の2週目にマシンを走らせることを目標に、設計と製造のあらゆる目標を定めていたのだ。
これはアウディにとって重要なことだった。というのも、ザウバーは長年F1のエントリーリストに名を連ね、各サーキットに関する膨大なデータを持っていたものの、アウディのパワートレイン部門にはそれがなかったからだ。そのため、チームは新しいパワーユニット(PU)の比較基準となるデータを集める必要があった。
シェイクダウンで認められている50kmしか走行はできなかったものの、この50kmはチームにとって大きな後押しとなった。マシンは正常に動作していることが確認できたからだ。
開発を数週間長く行なうという誘惑もあった(バルセロナで開催される非公開のプレシーズン・シェイクダウンテストで初始動となる可能性もあった)が、キーは早めに着手することが最善の解決策だと考えたと明かす。
「これは約18ヵ月前に決定したもので、こうなることは分かっていた」とキーはベルリンでの発表会で説明した。
「土壇場での決断ではなかった。しかし、2社しかいない新参者(PUマニュファクチャラー)の1社として、サーキットでの実績が本当に必要だと考えたのだ」
「そして、PU担当の同僚たちと、できるだけ早くコースに出ようと合意した。マシン開発のプロセスがどのように進んできたかを考えると、(2025年)1月1日に空力開発に着手できるまでシャシーの技術基準の観点から、すべてが憶測の域を出なかったことが問題だった」
「もちろん空力性能がクルマの性能を決定づける。設計の最終段階まで待たねばならず、可能な限り長くその状態を維持したかったが、(シェイクダウンを早めることで)その期間を短くすることになる」
「冬の間は、すべてがかなり圧縮されていた。我々にとって非常に厳しい一年だった。しかし、我々はコース上での基準を掴みたかった。PUに関してはそれを実現できた。実に素晴らしいことだ」
Audi F1 Team
Photo by: Audi
キーは、2025年のサンパウロGPでガブリエル・ボルトレトが2度クラッシュを喫した影響で、製作期間が短縮される恐れがあったにもかかわらず、チームは予定をこなすことができたと語った。
ボルトレトはサンパウロGPのスプリントと決勝で2度クラッシュ。ザウバーは在庫補充のために2025年用のパーツを生産する必要が生じ、2026年用のパーツ製造に遅れが生じたのだ。
もちろん、ボルトレトのクラッシュは2026年シーズンにおけるアウディのチャンスを危険に晒すほどの影響はなかっただろう。しかし、少なくともシェイクダウンは後回しになったかもしれない。
「1月の第2週になることは分かっていた。当初は数日遅れる可能性もあったと思う。でも金曜日に何とか間に合ったんだ」とキーは付け加えた。
「でも言った通り、全てが圧縮された状態だった。だからチームは、可能な限り長く空力の開発を進めるために専念していた。でもクリスマス前にマシンを組み上げて始動させ、1月に走行させるのは本当に大きな決断だった」
「(ボルトレトのクラッシュは)確かに影響を与えた。新車用のパーツを製作中だったからだ。不幸な出来事だったが、チームは再びあらゆる手を尽くしてリカバリーを図った」
「別のマシンを製作しながら、新たなウイングも製作しなければならなかった。これが先ほども言ったように、環境が急速に変化しているという現実だ。アウディとのこの旅は、まさにユニークな機会なのだ」
「そしてチームは、我々が得ている投資や人的リソースによって目の前に広がる可能性に、非常に意欲を燃やしている。こうした作業は彼らにとって容易ではないが、彼らはやり遂げたいと思っている。期限に間に合わせるためなら、追加の残業を惜しまない覚悟だ」
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