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2016年のデジャブ? F1スペインGP予選で起きたメルセデスの”バカバカしい”同士討ちの背景とは

F1スペインGPの予選ではメルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルがコース上で接触したが、その原因はコミュニケーションミスにあったようだ。

George Russell, Mercedes F1 W14, leads Sir Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14

写真:: Mark Sutton

 F1スペインGPの予選Q2の最終盤では、メルセデスのジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンがホームストレート上で接触。この件について、チーム代表のトト・ウルフは、「愚かだった」と認めている。

 ただ、アクシデントの前に両ドライバーに送られたチーム無線を聞いてみると、この同士討ちが複雑なセッションの中で発生した単純なコミュニケーションミスだということが分かる。

 予選Q2でラッセルとハミルトンは、少々異なる走行プランでピットアウトしており、ラッセルが最後のタイム計測を終えたタイミングでハミルトンが最終アタックに出ることとなっていた。

 ただラッセルは、レッドブルのセルジオ・ペレスがターン5でグラベルへ飛び出してコース復帰を果たした数秒後、同じターン5でエイペックスを逃し、タイム計測を中断。走行プランの変更を余儀なくされた。

 ラッセルは次の周回で再アタックをかけるべく、すぐにペースを落とし、タイヤとデプロイメントの準備を始めた。その際、ラッセルはタイム計測を行なっているマシンが後方から来ないか、チームに無線で尋ねた。

 ラッセルは後方から迫るレッドブルのマックス・フェルスタッペンに最終セクションで抜かれることになると告げられ、フェルスタッペンのためにレコードラインの外へマシンを振った。

 その後ラッセルは、次にフェラーリのカルロス・サインツJr.がアタックラップ中であることを告げられ、タップ妨害にならないようターン13から大きく車速を落とした。

 チームは低速で走るラッセルにパワーユニットのモードを”ストラット2”へ変更するようにアドバイスし、ラッセルは「他に誰かいないか?」と後方ドライバーの有無を尋ねた。

 その質問に対し何の返答も得られなかったラッセルは、次の周回でアタックを行なうべく、最終コーナーを立ち上がったサインツJr.のスリップストリームを得ようとした。

 しかしその時、準備ラップを終えてタイム計測へ移ろうとしていたハミルトンが、思いがけずラッセルの後ろに迫っていた。

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 ハミルトンもフェルスタッペンやサインツJr.を行かせ、メルセデスのピットウォールからは前を行くラッセルがアタック中ではなく準備ラップを行なっているという連絡は無かった。

 ハミルトンが最終コーナーでスロットルを踏む込むと、ホームストレートをラッセルと並んで走ることとなった。

 ラッセルはハミルトンが後方から接近していることに気づかず、サインツJr.のスリップストリームを利用しようと、わずかに右側へ動いた。

 それを見たハミルトンは、チームメイトが自分を通すためにコース右側へ寄ったと考えたか、迷うこと無くコース左側の隙間にマシンを入れた。

 しかし、ラッセルはターン1に向けてレーシングラインの左側へマシンを戻し、ラッセルの左リヤとハミルトンの右フロントウイング翼端板が接触した。

 両ドライバーとも相手の存在ついて一言も発していないことから、今回の同士討ちはチームの責任だとウルフは語っている。

「全てはコミュニケーションのミスだ。同じチームのドライバーなら、予選の最終ラップで互いにぶつかり合うことは望まないからね」とウルフは言う。

「ジョージがタイム計測を開始して、ルイスが最後のチャンスと見てアタックへ出たが、ルイスはジョージが計測ラップだとは思っていなかったという不幸な状況だった。バカバカしく見えるけど、そうではない。ただのコミュニケーションミスだ」

Toto Wolff, Team Principal and CEO, Mercedes-AMG

Toto Wolff, Team Principal and CEO, Mercedes-AMG

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 この件に関して、ラッセルはチームのミスということでFIAからの警告を免れたが、ウルフは今後同じミスを犯さないため、この状況をチームで精査する必要があると認めている。

「これはチームスポーツであり、今後このようなことがないように、アクシデントの後、我々のコミュニケーションにおいて見直すべきことがある」

 そうウルフは言う。

「ただドラマチックな状況という訳ではない。マシンの速さが足らなかっただけだ」

 今回の接触と2016年のスペインGP決勝でハミルトンとニコ・ロズベルグが接触したことを比較することもできる。しかし、ウルフはグリッドの先頭を走っていた当時の状況とは違うと語っている。

「いや、2016年の再来ではない」

「速すぎたせいで2台を失った2016年の状況だったらよかったね。結局、バカバカしく見えるだけの些細な出来事だよ」

 
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