目指すは表彰台と勝利……アロンソ、堅実な復帰シーズンも”不運”に不満隠せず「競争力がある時に限って雨が降る」

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)はF1トルコGPを16位で終え、「運に見放されている気がする」と語った。

Fernando Alonso, Alpine F1, on the grid

 2021年アルピーヌからF1への復帰を果たしたフェルナンド・アロンソは、16位に終わったトルコGPのレース後、「今年は運に見放されている気がしてならない」と語った。

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 イスタンブール・パークで行なわれたトルコGPでは、アロンソは今季最高の予選5番手からレースをスタート。しかしオープニングラップのターン1でピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)に接触され、アロンソはスピンを喫し、大きく後退することになった。

 後方に沈んだアロンソは巻き返しを開始するも、ミック・シューマッハー(ハース)と接触し、5秒のタイムペナルティが科された。結果、アロンソは最終的に16位でチェッカー……上位入賞はおろか、ポイント獲得も逃すことになった。レース後にアロンソは「今年は運に見放されている気がしてならない。来年に向けて運が蓄えられているのかもね」と自らの不運を嘆いた。

 ただアロンソはこれまで58ポイントを獲得し、ドライバーズランキングで10番手と、僚友エステバン・オコンを12ポイント上回っている。今季から名称を改めたアルピーヌとしても、アルファタウリ・ホンダとアストンマーチンを抑えコンストラクターズランキング5番手につけている。

 この通り堅実な復帰シーズンを過ごしているように思えるアロンソから、「不運だ」というコメントが出ることを不思議に思う人もいるかもしれない。

 しかし、アロンソが求めているモノはランキングの順位ではない。2005年と翌2006年にF1世界王者のタイトルを手にした時よりも、40歳になった現在の自分の方が優れていると証明すべく、彼は勝利や表彰台を求めている。そのチャンスを逃してきたことを不運に思っているのだ。

 トルコGP同様に雨が混乱をもたらしたハンガリーGPでは、ターン1で多重クラッシュが発生し何台ものマシンがリタイヤに追い込まれたが、アロンソは幸運にもそれを回避した。しかし、先行したオコンがトップに躍り出たため、アロンソは後方から猛追するルイス・ハミルトン(メルセデス)の盾役を全うし、援護役に回った。アロンソはオコンのF1初優勝を大きくアシストしたが、ハミルトンに交わされたことで表彰台獲得を逃すこととなった。

Fernando Alonso, Alpine A521, Lewis Hamilton, Mercedes W12

Fernando Alonso, Alpine A521, Lewis Hamilton, Mercedes W12

Photo by: Charles Coates / Motorsport Images

 ハンガリーGPに続きウエットレースとなったベルギーGPでアロンソは混乱の中に新たなチャンスを見出すも、レースそのものが豪雨によりセーフティーカー先導の3周のみに終わったことで勝負が始まる前に決着がついてしまった。

 雨絡みのレースとなったロシアGPでは、アロンソは雨がコースを濡らし始めたレース終盤に6番手を走行していた。ライバル勢が強まる雨に耐えかねピットでスリックタイヤからインターミディエイトタイヤへ交換する中、ステイアウトを選択したアロンソは3番手に浮上した。しかし、首位を走行していたランド・ノリス(マクラーレン)のように、ピットストップのタイミングを1周遅らせたことで表彰台のチャンスを失い、最終的に6位でチェッカーを受けた。

 そして迎えたトルコGPでは、先述の通りスタート直後に事実上終わってしまった。とはいえ、メルセデスとレッドブル・ホンダの4台がトップ4を占めたことを考えると、トルコGPでアロンソが表彰台へ上がる確率は低かっただろう。

 不満の理由についてアロンソは、アルピーヌが最も得意とするレース週末が雨絡みになり最大限の力を発揮できていないこと、逆にアルピーヌに競争力がないと見込んでいたレースで想定外の結果がもたらされていることという2点を挙げている。

「競争力がない時に、とてもつまらないレースになってしまうのがイライラするんだ」とレース後アロンソは語った。

「しかも僕らに競争力がある時に、クレイジーな天候とか、変わった事が起こるんだ」

「今年獲得したポイントは実力によるモノで、天から降ってきたモノではない。だから今年獲得したすべてのポイントを誇りに思うよ」

 アロンソとしては、トルコで復帰後最高の予選順位を得たことで、F1ドライバーとして最高の状態に戻りつつあると語る。

「(トルコGPの)週末では、そうだね。ソチ(予選)でもやはり天候に左右され、最後はドライタイヤを使う状況だった」

「まだまだこれからだと思っているが、今は確実に自分に自信を持っている」

 
 

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