中団チーム“更迭”の噂も出たルーキーイヤー……別人のような安定感でタイトル争い独走のアントネッリ「辛い時期を乗り越えたことで強くなれた」
アンドレア・キミ・アントネッリは、F1ルーキーシーズンに物事がうまくいかず、自らの将来に疑念を抱くこともあったと明かした。
2026年シーズンのF1で、第2戦から5連勝中と絶好調のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)。前評判ほどの活躍を見せられなかった昨シーズンと比べると、心持ちもかなり違うという。
アントネッリは、F4とフォーミュラ・リージョナルでチャンピオンを獲得した後、F3を飛び級してF2に参戦するなど、かなりのスピードでジュニアフォーミュラのピラミッドを駆け上がっていき、2025年にはトップチームのメルセデスからF1にデビューした。18歳という若さも去ることながら、7度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンの後任という点でも注目を集めた。
しかしデビューイヤーのアントネッリは、マイアミのスプリントでのポール獲得や複数回の表彰台など期待通りの速さを見せながらも、荒削りが故にミスも目立ち、特に中盤戦は精彩を欠くシーンが続いた。そのためパドックでは、「F1に昇格させるのが早かったのではないか」「ジョージ・ラッセルのようにまずはウイリアムズなどで経験を積ませるべきだったのでは」といった声が挙がり、メルセデスのトト・ウルフ代表でさえも、ミスが目立ったイタリアGPについて「期待外れだった」と厳しいコメントを発することもあった。
ただ今年のアントネッリは、新レギュレーション下でのメルセデスの好調にも助けられながらも、自らのドライビングでも強さと安定感を増している。チームメイトのジョージ・ラッセルに不運が重なったこともあり、第2戦中国GPから第6戦モナコGPまで5連勝。ドライバーズランキングでトップを独走している。
史上最年少でのワールドチャンピオンも視野に入る中、アントネッリはルーキーイヤーの苦境をこう振り返った。
「シーズンのある時期、コース上のことが思うようにいかなくなった」
「それに加えて、アルピーヌやウィリアムズへ移籍するという噂が出始めた。しかもその噂が否定されることもなかった。そういう状況では、どうしても不安が生まれるし、負のスパイラルに陥るリスクがある」
今季の新レギュレーションによって、F1はレース中のバッテリーマネジメントが極めて重要なレースへと変貌したが、アントネッリはこの点にはシミュレータで重点的に取り組んできたという。「今の自分ができていることの大部分は、去年から始めた準備のおかげだ」と本人も自信をのぞかせる。
その努力は確実に実を結んだ。期待を上回る圧巻のスタートを切った若きアントネッリの脳裏には、もはやルーキー時代に感じていたような不安はない。
「僕の場合、今年は去年とは違って、すぐにマシンから良いフィーリングを得られた」とアントネッリは言う。
「状況をずっとコントロールできている感覚がある。もちろん今でも時々ミスはするけど、全体としてははるかに効率的な走りができている。ストレスも去年よりずっと少ないし、自分が何かを証明できたという実感もあって、状況をよりコントロールできている」
「僕は来シーズンもF1にいられると分かっている。逆に去年は、ベルギーGPの週末あたりで、周囲のすべてがずっと暗く見えた時期があった」
「辛い時期を過ごしたけど、それを乗り越えたことで、ドライバーとしてだけでなく、何より人間として精神的に強くなれたと思う」
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