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今のレッドブルは、もはや以前とは異なる……元アドバイザーのヘルムート・マルコ博士が証言「情熱を感じられなければ、続けていくのは難しい」

昨年までレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めていたヘルムート・マルコによれば、ディートリッヒ・マテシッツが率いていた頃のレッドブルは、まさにワンマンショーのような形であり、今では全く様相が変わったという。

Helmut Marko, Red Bull Racing

 ヘルムート・マルコ博士は、2025年末にレッドブルを去った。彼によれば、チームはF1に参戦を開始した2005年の頃とは全く異なるモノになっていたという。その決定的な転換点となったのは、2022年にレッドブル共同創設者のディートリッヒ・マテシッツが死去したことだったようだ。

 マルコ博士は、レッドブル・レーシングの創設期からレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーとしての重責を担い、育成ドライバーのマネジメントなどで大きな権力を握ってきた。しかし2025年限りでレッドブルを離れ、今はF1オーストラリアGPの開催サーキットであるレッドブルリンクのアンバサダーを務めている。

 そのマルコ博士は最近、『Die Zeit』のオーストリア版の取材に応じ、マテシッツ逝去前後のレッドブル・レーシングについて語った。

「彼の下ではワンマンショーだった」

 マルコ博士はそう語った。

「ディートリッヒは自分で判断でき、先見の明があった。何が良くて何が悪いのかを、すぐに判断することができた」

「彼はレースの現場にやってきて、何が重要なのかをすぐに理解することができたんだ」

 しかしマテシッツが亡くなった後は、上層部の体制が変更された。それにより、全く異なる組織になったと、マルコ博士は証言する。

「現在、レッドブルには3人のトップがいる。彼らは報告などをしなければいけない。より普通の企業構造に似たモノになっているんだ」

 その結果、マルコ博士を取り巻く状況も変化することになった。

 そもそもマルコ博士は、マテシッツとは友人関係であったという。

「ディートリッヒは、レッドブルリンクからそれほど遠くない、シュタイアーマルクの山中に美しいシャレーを持っていた。そこでよく会っていたんだ」

「私にとって友情とは、お互いを信頼し、合意が守られるということを意味する」

 マルコ博士は、レッドブルのF1プロジェクトを担当することになった3人のディレクターのうち、オリバー・ミンツラフとは親密な絆を築けていなかったという。

「レッドブルは新たな時代に入った。ディートリッヒ・マテシッツの後継者たちは、独自の経営を始めた」

 そうマルコ博士は言う。このことも、彼がレッドブル離脱を決めた一因のようだ。

「私はオリバー・ミンツラフのところに行って、『辞めます』と言ったんだ」

「私がやってきた仕事には情熱が必要で、それに燃えなければいけない。それを感じられなくなったら、続けていくのは難しくなる」

 ただマルコ博士は、公にレッドブルの新しい経営陣を非難しているわけではない。レッドブルを離れることを決断した主な原因は、2025年にマックス・フェルスタッペンにチャンピオンを獲得させられなかったことだと、マルコ博士は改めて述べた。

「それができれば、我々にとっては5年連続でのワールドタイトル獲得だった。それを達成できたのは、これまでスクーデリア・フェラーリのミハエル・シューマッハーだけだ。非常に残念だった」

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