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フォーミュラEが抱えるジレンマ。大幅パワーアップ&大型化の新世代マシン『Gen4』でカレンダーも様変わり?

あらゆる兆候から見て、今年8月に開催されるフォーミュラEロンドンE-Prixは、イベントとしては最後の開催となる可能性が高い。

Nick Cassidy, Jaguar TCS Racing

Nick Cassidy, Jaguar TCS Racing

写真:: Simon Galloway / LAT Images via Getty Images

 フォーミュラEが火曜日にポール・リカール・サーキットでGen4マシンを発表した際、パドックで大きな話題となったのは、Gen4マシンがデビューするシーズン13(2026-27)のカレンダーがどうなるかだった。

 というのも、フォーミュラEの新型車両『Gen4』は、その驚異的な性能ゆえにこれまで通り市街地のストリートサーキットでレースを開催するという方針を貫くべきか、それともより伝統的な常設サーキットで開催すべきかというジレンマに直面しているからだ。

 常時4輪駆動のGen4は最大出力がGen3の350kWから、600kW(約816PS)まで、実に1.7倍にパワーアップしている。その驚異的なパワーに加え、その重量とサイズも問題だ。重量はこれまでより87kg増加。全長は439mm、全幅は90mm大きくなっている。

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 Gen4導入に伴い、これまで選手権で使用されてきたサーキットでレースができなくなる可能性があるという問題が生じる。F1マシンと比べても全幅が110mm狭いだけのGen4にとっても、F1と同様、コースが狭くこれまでのようなバトルができなくなる懸念が生まれるのだ。

 問題となるのはモナコだけではない。ロンドンE-Prixは2021年からエクセル・サーキットを会場としてカレンダーに名を連ねており、シーズンの最終戦として、ファンにとても人気があった。しかし、ターン10~13やターン18~20のような曲がりくねったセクションがある、非常にタイトなコースでもある。

The Gen4 car is larger, heavier and faster than the Gen3 Evo

The Gen4 car is larger, heavier and faster than the Gen3 Evo

Photo by: FIA Formula E

「より大きく、よりパワフルな車になるので、これまで考えていなかったサーキットも走れるようになった」と、フォーミュラEのCEOであるジェフ・ドッズは語った。

「悪い面としては、現在我々がレースをしているお気に入りのサーキットの中には、Gen4カーでは非常に走りにくいものもあるということだ」

「ファンに人気のロンドン・エクセルでのレースは、個人的にも大好きなレースだが、Gen3 Evoカーが屋内セクションから屋外セクションに出る時点で既に混戦状態になり、狭いボトルネックが発生する」

「Gen4は、それは絶対に不可能だ。危険すぎるし、複雑すぎる。非常に複雑なレースになってしまうだろう」

 つまり、あらゆる兆候から判断すると、8月15日~16日に開催されるシーズン最終戦である今年のレースが、フォーミュラEにとってロンドンでの最後のレースとなる可能性が高い。フォーミュラEは他の開催地を模索しており、6月には世界モータースポーツ評議会にカレンダー案を提出する予定だ。

 後継の開催地はまだ決まっていないが、パドックでの噂話では、ブランズ・ハッチが後継候補として有力視されている。確かに都心部ではないが、ロンドンからのアクセスは比較的容易であり、歴史あるこのサーキットが目玉イベントを失った今、ブランズ・ハッチはフォーミュラEの拠点として真価を発揮する可能性がある。

 これまで、都市部で市街地コースを舞台にすることでファンを集めてきたフォーミュラE。時代は変わりつつあり、フォーミュラEが独自のセールスポイントを失いつつあるという見方もあるが、チャンピオンシップ責任者でありフォーミュラEの共同創設者でもあるアルベルト・ロンゴはこれとは反対の見解を示している。

「クルマが速くなればなるほど、これまで使用してきたサーキットに留まることが難しくなることは最初から分かっていた」

「都心部でのレースは一つの選択肢だ。ストリートコースは我々が慣れ親しんできたことだ」

「モスクワ、パリ、ローマで行なったレースを忘れてはならない。あれらは純粋なストリートコースだった。都心といえば、メキシコのような場所も含まれる。たとえ常設コースであっても、そこは都心であり、地下鉄で行くことができる」

「常設サーキットを使うのは、なぜダメなんだ? これは、いずれ地球上で最速となるマシンをアピールすることなんだ。だから、それを際立たせるサーキットを使い始めよう。我々のDNAは健在だ」

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