レッドブルF1、”リヤウイング”抗議の可能性をちらつかせるメルセデスを牽制「フロントウイングも見るべき」
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、メルセデスがアゼルバイジャンGPで”フレキシブル・リヤウイング”への抗議も辞さないとしていることを受け、フロントウイングにも注意を向けるべきだと語った。
F1スペインGPでメルセデスのルイス・ハミルトンが、レッドブルのリヤウイングが動いていると発言したことに端を発し、今のF1ではこのフレキシブルウイングに関する論争が活発化している。
FIAはこれに対応する形で、フランスGPから対荷重テストを強化することを決定。フレキシブルウイングを取り締まる方向に動いている。
しかしメルセデスとマクラーレンは、テスト基準の強化が実施される前に、猶予期間が設けられたことについて不満に思っていると発言。特にメルセデスのトト・ウルフ代表は、アゼルバイジャンGPの週末までにFIAが状況を明確にしなければ、F1は「非常に厄介な」状況に向かうことになると警告。フレキシブルウイングについて抗議を提出する可能性があると示唆している。
一方でレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、FIAはいつから検査が強化されるかということについて明確にしていると考えており、もしメルセデスがレッドブルのフレキシブル・リヤウイングを訴えるなら、逆にメルセデスのフロントウイングについて抗議することになるかもしれないと語った。
「今回のことを、我々は少し奇妙に感じている」
マルコ博士は、motorsport.comの姉妹サイトであるFormel1.deの独占インタビューにそう語った。
「FIAは検査のルール、特にねじれに対する耐性のルールを変更することを決定した。これは、ポール・リカール(フランスGP)から適応される。それは非常に明確な声明であり、レギュレーションだ」
「ウルフ氏が遅すぎると思おうが、私の考えでは、手順を決定するのは依然としてFIAの仕事だ。もし彼が抗議するのなら、彼は自由にそれをすることができるがね」
「しかし、彼はフロントウイングのことも見るべきだと思う。ServusTVとSkyの映像には、このフロントウイングがどれだけ地面に近づくのか、記録されているからね」
レッドブルがメルセデスの”フレキシブル・フロントウイング”に抗議できるかどうかと尋ねられたマルコ博士は「そうだ」と答えた。
レッドブルの関係者が、メルセデスの2021年用マシン”W12”のフロントウイングのフレキシブル性について言及するのは、これが初めてではない。
ウルフ代表も先週末のSkyスポーツのインタビューで、メルセデスがフロントウイングをチェックしたところ、「レッドブルとまったく同じように曲がっている」ことを発見。「フロントウイングについても、お互いに抗議し合う可能性がある」と語り、さらに次のように付け加えた。
「しかし、リヤウイングが必要以上に曲がっているのは明らかだ。レギュレーションでは、それは不適合だと分類されるはずだ」
マルコ博士によれば、レッドブルは2012年と2013年にも、検査基準が強化されたことにより、マシンに同様の変更を加えなければいけなかったと語ったが、当時に期限に沿って行なうことができたと説明した。
「我々は毎度改善しなければならなかった」
マルコ博士はそう語った。
「期限が設定され、その期間内に改善を行なった。それは、通常のプロセスだ」
「現時点で我々は、合法的なマシンでサーキットを走っている。そしてポール・リカールでは、(検査基準の強化に)対応するための補強財をリヤウイングに搭載する」
とはいえマルコ博士は、レッドブルとメルセデスの間のフレキシブルウイングに関する論争は、「チャンピオンシップの行方を決定付けるモノではない」とも語った。
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