マクラーレン、風洞のアップデートに大きな期待も……”ハンディキャップ”は「言い訳にはならない」

マクラーレンは、新しい風洞がまだ完成していないということは、より良い結果を出す上で言い訳にはならないと考えている。

Lando Norris, McLaren MCL36, Daniel Ricciardo, McLaren MCL36

 マクラーレンは、トップチームに戻るための設備投資の一環として新しい風洞を建設中だが、それは結果を出す上で言い訳にならないと考えている。

 メルセデスやフェラーリ、レッドブルのようなビッグチームに対し、インフラの面で後れを取っていることを十分に認識している。しかし、風洞やシミュレータなどの大規模な設備投資を進めており、来季完了予定のそれが大きな効果を発揮することを期待している。

 新風洞が完成するまで、マクラーレンが今季獲得したコンストラクターズランキング5位を大きく上回ることは至難の業であると自覚しているものの、チーム代表のアンドレアス・ザイドルはそれまでただ待っているわけにはいかないと語った。

 むしろ、マクラーレンにはまだ改善し、訪れるチャンスを最大化できるようなポジションに身を置く余地があるとザイドルは考えている。

「来季も目標は明確だ。チームの全ての領域でもう一歩前進したい」

 そうザイドルは語った。

「それはクルマそのものや、今年見られた弱点だけでなく、あらゆる面でチームとしてもう一歩前進することを意味するんだ」

「同時に、チームとしての現状を現実的に捉えている。特に、前を走るチームと比べると、インフラ面でまだ限界があることもわかっている。そしてそれは、アルピーヌのようなチームや、現時点で我々の後ろを走っているチームにさえも言えることなんだ」

「つまり、コンストラクターズチャンピオンシップの面では必ずしも一歩前進が可能だというわけではない、ということだ。でも同時に我々はレーサーだから、今歩いている道をショートカットしたい、もっと良い仕事をしたいと思って朝起きるんだ。それが我々が持っている野心だ」

 2020年はコンストラクターズランキング3位を獲得したマクラーレンだが、2021年は4位、2022年は5位となった。

 ザイドルはこのポジションは理想的ではないとしつつも、マクラーレンが上位に返り咲くために必要なことをまとめ、前進することができていると強調した。

「私にとっても、最終的に今シーズンを振り返ると、これまでのシーズンと比べて一歩後退したように感じる」

「でも、今年はチームとして一歩前進できた、ポジティブなことがたくさんあったと思っている。だから、最終的にはポジティブなシーズンだったと思う」

「我々は旅をしているんだ。チームとして次のステップに進むために、自分たちが何をすべきかはよく分かっている。同時に、それには時間がかかることもわかっている」

「しかしポジティブなのは、これから起こるすべてのことが、今後数年間で最後のステップを踏むために必要なことだと分かっていることだ。そして、人事組織という意味でも、チームに継続性を持たせる必要がある」

「今はただ、すべてを整えて、それを成功させること、そしてそれができることを示すことが我々の課題だ」

 マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、現在使用しているトヨタの風洞の技術的な限界が、自分たちの風洞施設ができるまでマシンのポテンシャルを阻むことを完全に受け入れていると語った。

「我々がいる風洞には、技術的に足りないところがある。今の風洞でできないことと、新しい風洞でできることを比較すれば、何が問題なのかが分かる。より良い技術を手に入れるまでは、なかなか取り組めないことなんだ」

 
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