ハミルトン勝利への”唯一の道”は先制ピットインだった? でもメルセデス「先に動く勇気はなかった」
メルセデスは、F1アメリカGPでルイス・ハミルトンを8周目という早い段階でピットインさせることが、マックス・フェルスタッペンを倒すのに役立ったはずだと語った。
Lewis Hamilton, Mercedes W12, Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B
Steve Etherington / Motorsport Images
F1アメリカGPの決勝で、好スタートを見せてトップに立ったルイス・ハミルトン(メルセデス)。しかし10周終わりという早い段階でピットインしたことで主導権を握ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を逆転できず、2位でレースを終えた。
積極的なタイヤ戦略を採ったレッドブルに対抗するため、メルセデスはハミルトンのスティントを長くし、レース終盤によりフレッシュなタイヤを与えようとしていた。しかし、フェルスタッペンに接近してオーバーテイクができるほどのペース差は生み出せなかった。
メルセデスは勝利をもたらすために他の選択肢があったかどうかを振り返り、ハミルトンがミディアムタイヤに苦しんでいた第1スティントに、勇気を持ってもっと早い段階でピットストップするべきだったと考えているようだ。
メルセデスのエンジニアリング・ディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、「どうすればよかったのか」という質問に対し、次のように答えた。
「水晶玉を持っていたとしたら、ハードタイヤの方が我々にとって良いタイヤだったと分かったかもしれないね!」
「レースに勝つための現実的な選択肢は、ルイスが好スタートを切った後、早めにピットインしてトップを維持することだったと言えるだろう。8周目にピットインできたかもしれない」
「しかし、短いスティントでミディアムに苦戦していたことを考えると、(早めにピットインして)トップをキープするだけの勇気はなかっただろう。レース全体が危うくなるような気がしたんだ」
「でも実際には、早めにピットインしてゴールすることも可能だったと思う。だがそれは我々が先に引き金を引いて、ルイスがマックスを抑えることができるかどうか、最善を尽くすという話だ。それが最大のチャンスだったんだ」
逆に、ハミルトンが2番手を走っていたとして、レッドブルと同じ様な戦略を選ぶことができたかは分からないとショブリンは語った。
「2番手にいると考え方が変わる。他に問題が起きなければ、多くの場合で勝つのはルイスかマックスだから、最低でも2位でレースを終えることができるんだ」
「しかしかなり疑問なのは、我々が(フェルスタッペンに)ついていくことができたかどうかということだ。彼らが我々にしたように、彼らの真後ろに陣取ることができたかどうかは確信が持てない」
「アンダーカットの射程圏内をキープできたかは別問題だ。それは、ミディアムタイヤでのパフォーマンスが強くなかったことに起因する。もしそれができなければ、マックスが(第1スティントを)長く走って、レースを有利に進めることができただろう」
「実際、アンダーカットされたときにできる最善の方法は、タイヤのオフセットを作る(タイヤの状態に違いを作る)ことだった。しかし、最終的にはそれが功を奏するほどレースは長くなかったのだ」
今回のレースは、全車が2回以上のピットストップを実施した。ショブリンも、1ストップ戦略が考えられるほど、タイヤが長持ちした可能性はないと明言した。
「最終スティントでは、多くのチームがタイヤマネジメントを強化し、デグラデーションをコントロールしていた」
「しかし、みんなが激しくプッシュしているときは、信じられないような速さでタイヤが減っていった。だから、1ストップは考慮していなかったんだ」
「ミディアムは十分ではなかった。ハードタイヤ2セットなら、レースを走りきれただろうが、それではレースにならない。我々にとってミディアムはあまりにも苦しく、3ストップではピットストップの遅れを取り戻すことができない。そのため、想定していた通り、2ストップ以外はなかったのだ」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments