F1
アントネッリ大躍進のカギは? ルーキーシーズンの”学び”とメルセデスの管理が実を結ぶ
メルセデスの副チーム代表ブラッドリー・ロードは、アンドレア・キミ・アントネッリが今季劇的に進歩した理由を語った。

Benjamin Vinel
編集: 2026/08/12 22:14
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メルセデスの副チーム代表であるブラッドリー・ロードは、アンドレア・キミ・アントネッリが今シーズン、F1タイトル争いに加わるようになった理由をいくつか挙げた。
アントネッリは昨年、F1史上3番目に若いドライバーとして厳しいルーキーシーズンを過ごした。F3を飛び越えてF2をわずか1年間戦った後、メルセデスからフェラーリに移籍したルイス・ハミルトンの後任として、F1で最も成功しているチームの一つに加入した。
アントネッリはかつてはチームメイトのジョージ・ラッセルに大きく差をつけられていたが、F1が新たな技術規則に移行した今季、その状況は逆転した。
シーズン前半戦の11戦で、アントネッリは5連勝を含む6勝をマーク。サマーブレイクを迎えた時点で、ランキング2番手のハミルトンに50ポイント差をつけてランキング首位に立っている。
アントネッリについて「驚いたかと何度か聞かれたけど、答えは『イエスでもありノーでもある』かな」とロードは語った。
「キミを獲得してチームに迎える決断をしたのは、彼のポテンシャルを信じていたからだ。でも、F1でまだ2年目のドライバーが、これほどの安定感と本当に落ち着いた成熟度を持って走っているのを見ると、驚かされるのも事実だ」
「最初の難しいシーズンを経験する中で、まるで何年分もの学習を1年に凝縮したような感じだった。そして、それを冬の間にしっかり消化したんだと思う」
「もちろん、レギュレーション変更によるリセット効果もあると思う。新しいマシンやパワーユニットを前に、全ドライバーが急速な学習曲線を登っている。フィールド全体を見ても、チーム内の若手とベテランの組み合わせにおいて、新しいドライバーと経験豊富なドライバーの間の勢力図が変わったように見える」
「キミは明らかに素晴らしい仕事をしているし、今もそれを続けている。週末を重ねるごとに自信と自己確信が高まっているのが分かる。ただし、何かに浮かれているような感じではない。地に足はしっかりついているし、家族やチームの中でもしっかりそういう状態を保っている。自己確信がどんどん強くなっているのは、本当に素晴らしいことだ」
Bradley Lord, Deputy Team Principal, Mercedes AMG F1 Team
Photo by: Andy Hone/ LAT Images via Getty Images
アントネッリが2025年の苦しいシーズンからどう立ち直ったのかについて、ロードはさらに付け加えた。
「彼はチームから最大限のものを引き出すために、自分に合った方法を見つけたんだと思う。週末を迎える前にどれだけ準備が必要なのかを理解するようになった。トラックで走れる時間は非常に限られていて、価値のあるものだからね」
「特にスプリントが増えている今のカレンダーでは、FP1を走ったらすぐにタイム計測を伴う予選に入る。昔のような自由なフリープラクティスというわけではない」
「バクーの頃に一度リセットして、ボノ(レースエンジニアのピーター・ボニントン)やチームの他のメンバーともう一度努力を強めたのは、彼にとって本当に有益だった。シミュレーターに定期的に乗り、そこでの作業の密度や深さを高めることで、自分の目の前にあるチャンスに気づいたんだ。そして彼はそのチャンスを両手でつかんでいる」
「この好転には、メルセデスがアントネッリをプレッシャーやメディアの騒ぎから可能な限り守ったことも影響している。2024年のモンツァFP1では、F1マシンに初めて乗った際、彼は最初のアタックラップでクラッシュするほど、若さゆえの意気込みを隠そうともしなかった。その経験から得た教訓もあった」
「キミのF1デビューをサポートするにあたっては、非常に慎重に、そして賢明に考えてきた」とロードは続けた。
「F1へのステップアップはどんなドライバーにとっても大きなものだし、特にメルセデスをドライブすることで生じる期待もある。だから、マーケティング関連の仕事やトラックでのPR、その他のイベントなどで彼を働かせすぎたり、負担をかけすぎたりしないようにして、できるだけスムーズに管理してきた」
「ドライバーにはよくこう言っている。『こういう仕事で君たちを速くすることはできない。でも、やり方を間違えれば確実に遅くすることはできる』とね」
Andrea Kimi Antonelli, Mercedes, George Russell, Mercedes
Photo by: Steven Tee / LAT Images via Getty Images
一方、若いアントネッリのほうがラッセルよりもF1の新しいマシンに「適応しやすかった」のではないか、と問われると、ロードはすぐに否定した。
「いや、2人とも自分のやり方に固執しているわけではないし、このマシンから最大限のものを引き出すために、完全にオープンな姿勢で取り組んでいると思う。適応力や機敏さ、状況に応じて柔軟に対応する能力は、トップドライバーにとって常に重要な強みだ。キミにもジョージにも、そうした能力がある」
「こうしたマシン、そしてこのカテゴリーでは、複雑な要素が多すぎて、時には少し迷子になってしまうこともある。だからアドバイスしているのは、とにかくシンプルにすること。ドライビングに集中し、タイヤを正しい状態に持っていき、レーシングドライバーなら誰もが常に上手くやらなければならない部分をきちんとこなす。そしてシステムについては、必要な学習を行ない、最適な形でサポートし、機能させる」
「もちろん、物事がうまくいっていないときには、かなり複雑で難しい状況になる。でもキミは、余計なノイズをかなり取り除いて、本当に必要なことに集中できていると思う。自分がやるべき核心部分に集中することで、エンジニアたちにはセットアップやその他のシステムの最適化に集中する余裕が生まれる」
「そういう意味で、異なる要素の間で努力をうまく分担できている。非常に良いバランスになっていると思う」
Additional reporting by Oleg Karpov and Roberto Chinchero
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