F1メカ解説|モナコGPに持ち込まれた超ハイダウンフォース仕様マシン:モナコGPピットレーン直送便
全22戦中最も特殊なコースとも言えるモンテカルロ市街地コース。このコースで開催されるモナコGPには、最もハイダウンフォース仕様のパッケージが持ち込まれる。それ以外にもマシンの様々なディテールをご紹介。
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
Red Bull Racing RB18 side detail
Photo by: Giorgio Piola
カウルを外し、走行準備が整えられているレッドブルRB18。側面の2本の衝撃吸収構造(SIS)が確認できる。上方のSISは、エアインテークの上方、リヤビューミラーの下に見えるパイプ状のモノ。また、下部のSISは、横方向に張り出すフロアセクションの中に内包されている。
Ferrari F1-75 side detail
Photo by: Giorgio Piola
モナコでフェラーリF1-75に搭載されていたフロアは、スペインGP以前の古い仕様のモノ。フロア前端から側面に沿うビブウイングをよく観察することができる。その上方は、コクピット側とブリッジ状のエレメントで繋がれている。
Ferrari F1-75 side detail
Photo by: Giorgio Piola
フェラーリF1-75のフロア後端部分。金属製のステー5個で繋がれたL字型のエッジウイングを備えていることも分かる。これも、スペインGP以前の旧仕様のモノだ。
Mercedes W13 detail
Photo by: Uncredited
準備が進められているメルセデスW13。リヤウイングは、予想通りハイダウンフォース仕様である。メインプレーンは、中央部は若干上方に持ち上げられ、外側に行くに連れて若干落ち込み、そして翼端板に繋がる部分が再び持ち上がる、複雑な3D形状になっている。
Mercedes W13 detail
Photo by: Uncredited
カウルが外されたメルセデスW13。ゼロポッドの中をじっくり観察しよう。縦に長いインテークから、前後方向に寝かされたラジエター(銀色のパーツ)に向けて気流が送られている。またパワーユニットの前方は、ヒートシールドで覆われているようだ。
Mercedes W13 detail
Photo by: Uncredited
メルセデスW13のコクピット下には、2本の金属製ステーが設けられている。これはフロアの先端部分がたわんでしまうのを避ける狙いがある。グラウンド・エフェクト効果で多くのダウンフォースを発生する今季マシンにとって、この部分の処理は非常に重要である。
Red Bull Racing RB18 detail
Photo by: Uncredited
レッドブルRB18のステアリングアッセンブリー。ほぼ準備が整っている状態だ。ステアリングロッドが、ロワアームと同じ高さにあるのが、これでよくわかる。
Red Bull Racing RB18 rear detail
Photo by: Uncredited
レッドブルはRB18にハイダウンフォース仕様のリヤウイングを装備。各所にチェッカー模様のステッカーが貼られているが、これを車載カメラで撮影することで、どれほどのたわみが生じているのかをチェックしようとしている。
Red Bull Racing RB18 brake drum detail
Photo by: Uncredited
サイドポンツーンのボディワークが取り外されたレッドブルRB18。ラジエターの上部には、これを覆うようにボディワークが設けられている。これはカウルの内側に隠れてしまうものであり、チームが車体内部の気流をコントロールしようとしているのが分かる。また、後端部にはディフューザーのようなエレメントも存在する。これも、熱を帯びた空気を車体後方の開口部に導くのに寄与しているはずだ。
McLaren MCL36 rear detail
Photo by: Uncredited
やはりボディカウルが外されたマクラーレンMCL36。パワーユニットの上にも冷却用のサドルクーラーが搭載されているのが分かる。
McLaren MCL36 rear detail
Photo by: Uncredited
マクラーレンのリヤウイング。他チームがモナコに持ち込んだモノに比べると、この写真で取り付けられているリヤウイングの角度は薄いように見えるが、メインプレーン自体は肉厚。また中央部分でメインプレーンを支えるステーは、下部が二股に分かれ、エキゾーストパイプを包み込んでいる。
Alpine A522 detail
Photo by: Uncredited
アルピーヌA522のリヤウイング。ビームウイングを含め、その全体像がよく分かる。こちらはメインプレーンにも角度がつけられた、ハイダウンフォース仕様だ。
AlphaTauri AT03 rear detail
Photo by: Uncredited
アルファタウリAT03のリヤウイング。前回のスペインGPから、重量を減らすために塗装を剥がしている。
Williams FW44 brake drum detail
Photo by: Uncredited
ウイリアムズFW44のフロントブレーキダクト。車体中心部方向に伸びたダクトの内部は3分割されている。またその下には、中心に翼端板のようなエレメントを持ったフェアリングが搭載されている。
Aston Martin AMR22 brake drum detail
Photo by: Uncredited
アストンマーチンのフロントブレーキとサスペンション。プッシュロッドがダクト内部を斜めに横切っているのが分かる。またブレーキキャリパーのカバーには開口部が設けられ、ブレーキディスクの冷却を手助けしている。
Mercedes W13 detail
Photo by: Uncredited
ゼロポッドを採用したことで、独特の形状となった側面衝撃吸収構造のフェアリング。ミラーを覆うようにL字型のカバーがつけられ、その下には後方へ向かう気流を制御するための小型のフィンが5枚取り付けられている。
Mercedes W13 detail
Photo by: Uncredited
金属製のフロアステーを取り付けるメルセデスのメカニック。フロアステーは前後2箇所に存在しており、メカニックが取り付けようとしているのは、リヤ側のもの。フロアのたわみを抑えるため、ギヤボックスのケーシングにもう一方を接続する。
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