ノリス、赤旗中断中のタイヤ交換義務消化は”馬鹿げたルール”と批判
マクラーレンのランド・ノリスは、赤旗中断中にタイヤを交換し、タイヤ使用義務を消化できるというルールは馬鹿げていると批判している。

マクラーレンのランド・ノリスは、レースが赤旗中断している間にタイヤを交換できるという”馬鹿げたルール”を批判している。
ノリスはF1第8戦イタリアGPの序盤、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とカルロス・サインツJr.(マクラーレン)に次ぐ、3番手を走行していた。
各車が最初のピットストップを迎えようというタイミングで、ケビン・マグヌッセン(ハース)がマシンを止めたことによりセーフティカー(SC)が出動。多くのマシンがこのタイミングでタイヤを交換した。
しかし、SC出場直後にピットに入ったハミルトンとアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)はピットレーンクローズ中に作業を行なったことで審議対象となった。さらにレースが再開された24周目にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が最終コーナーのパラボリカでクラッシュ。赤旗が掲示され、レースは中断された。
この時点で上位のオーダーはハミルトン、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)、ジョビナッツィ、サインツJr.、ノリスという順番だった。
そのうち、ガスリーとライコネンはSC出動前にピットに入っていたことで順位を上げたドライバーだ。一方、ストロールは全車の中で唯一ピットに入っておらず、タイヤ交換義務を消化していないドライバーだった。
ところがレースが赤旗中断となったことで、ストロールは全くタイムをロスすることなく、ピットレーンでタイヤを交換することができたのだ。F1の競技規則41.4bには、レース中断中に許可される作業について記されており、その中に『ホイールおよびタイヤの変更』が含まれている。
レース再開後、ハミルトンとジョビナッツィはペナルティを受けたことにより後退。ライコネンは徐々にポジションを落としていった。しかしノリスはストロールを攻略することはできず、4位でレースを終えた。
「僕が今回表彰台に上がれなかった唯一の理由は、ストロールが”フリーピットストップ”の恩恵を受けたからだった。それは馬鹿げたルールだと思う。多くの点で、彼らは表彰台に値しない」
ノリスはスカイF1にそう語った。
「そのルールは取り除かれるべきだと思う。ガスリーはその前にピットに入っていて、赤旗が出た時点で前にいた。それはフェアだし、それについては何も言うことはない」
「しかしまだピットに入っていなかった人は、何もせずに(ピットストップのロスタイムである)24秒を得した。彼らはもう一度ピットに入るべきなんだ。それはまだピットに入っていなかった自分の責任だ。ピエールは自分でラッキーを掴み取ったし、それはフェアプレーだと思う」
「実際にはピットストップをしていないのに、ピットストップの義務を消化できたのは正しくないと思う」
一方で、マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表は、このルールを受け入れているとmotorsport.comに述べた。
「私は、レギュレーションについて問題があるとは思っていない」
「我々はチームとしてFIAと協力し、現在の状態に至っている。ランドの気持ちは理解しているが、それが我々の味方をする時もあるだろう」
「我々はこのレギュレーションを投票で決めた。だから文句を言う理由はない。前を向いていこう」
ルールについてノリスと話し合うかと訊くと、ザイドルは次のように付け加えた。
「話すことや説明することは多くないと思う。それ(ノリスの意見)はレース中の感情であり、それは素晴らしいことなんだ」
「私が言いたいのは、彼らドライバーがヒーローだということだ。クルマに乗った彼らは全力で、0.1秒を競ってバトルしている。何かあった時、その瞬間はフェアじゃないと思うかもしれないが、それは感情的な反応だ。しかし彼は問題ないと確信している」
FIAレースディレクターのマイケル・マシは、レギュレーションの再検討は歓迎だと話した。
「私の理解としては、レース中断に関する規則は、それが長時間に渡った場合のためのものだ」
「幸い、それはそれほど頻繁に起きることではない。見直しが必要な要素がある場合は、全チームのスポーティングディレクターと共に、ワーキンググループで議論をし、必要なプロセスを実行する」
「2020年シーズンの残りの期間に変更されることはないが、そこから学んで、将来的に何が起こるかについて話し合い、改善できることがないか確認する」
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