アストンマーチン、2022年は序盤大苦戦から劇的復活……ストロール「2〜3年前の僕らだったら、そんな芸当は無理だった」

　アストンマーチンのランス・ストロールは、2022年シーズンにチームが序盤の大苦戦から立ち直ったことについて賞賛。数年前だったら、こんなことは実現できなかっただろうと語る。

　アストンマーチンは2022年、新レギュレーション下で登場させたAMR22の初期デザインに失敗し、大きく出遅れることになった。チームは、マシンを路面に近づけるほど大きなダウンフォースを発生できると期待していたが、メルセデスのようにポーパシングに見舞われてしまい、車高を上げざるを得ず、パフォーマンスを犠牲にすることになった。

　この問題に対処するためにアストンマーチンは、マシンのコンセプトを変更。スペインGPでアップデート版のマシンを投入することができた。その後、チームは上昇気流に乗ることができ、最終的にはコンストラクターズランキング7位で終えている。

　チームのドライバーであるストロールによれば、数年前であれば、チームは最下位に沈んだまま、シーズン中に立ち直ることはできなかっただろうという。しかしそうはならなかったことに、今後に向けた多いなる期待があると、ストロールは考えている。

「チームは大きく進歩したと思う」

　ストロールはmotorsport.comにそう語った。

「ファクトリーでどのように仕事が行なわれ、マシンがどう開発されたかと考えると、2〜3年前の僕らだったら、初期に陥った穴から抜け出すのがはるかに難しかったと思う」

「今は大きく変化した。バルセロナでは、完全に異なるマシンを用意し、そこからアップデートしていった。そして突然、以前よりもはるかに良いポジションにいることに気付いた」

「数年前だったら、そういう形で穴から抜け出すようなことはできなかっただろう。だからその意味で、僕らは大きな進歩を遂げたと思う」

「チームとしての全体的なアプローチで言えば、僕らは以前よりもはるかに上手く結束できている」

「ファクトリーでの労働意欲、コミュニケーション、全ての仕事の仕方を振り返ると、僕らは以前レーシングポイント時代にいた場所から、かなりの距離を歩んできたと思う」

　ストロールは、チームが状況を好転させたことは賞賛しつつも、一貫性を持つためにさらに進歩する必要があると考えている。

「僕らはシーズン中に競争力を高め、多くのレースでポイントを争う立場にいた。Q3に進出することにも挑戦できた。それは、シーズン序盤には近付くことさえできなかったことだ」

「その点では本当にポジティブだった。でもその一方で、奇妙な浮き沈みもあった。たとえばアメリカGPでは、僕らはおそらく4番目に速いチームだった。でもその1週間後のメキシコでは、9番目か10番目のチームになってしまったんだ。そしてサンパウロではその中間だった」

「他の週末ほど競争力がない週末がまだあると思う。しかもその原因は不明なんだ。ある程度の見当はついているけど、100%確実ではない」

「今後は、そういうことがないようにするのが目標だと思う。空力効率が求められるコース、低ダウンフォースのコース、そして高ダウンフォースのコース……どんな種類のコースでも、競争力を高めなきゃいけない。それが焦点になると思う」

「でもシーズン序盤に僕らがいた場所を見れば、正しい方向に大きな一歩を踏み出すことができたはずだ」