念願のF1参戦ピアストリ、マクラーレンでチームメイトと内紛を起こすのか? 元代表ザイドルはリスク軽視

マクラーレンは2023年からオスカー・ピアストリを起用するが、ランド・ノリスとの間でライバル関係による緊張や摩擦が引き起こされる可能性は少ないと見ている。

Oscar Piastri, McLaren

 マクラーレンは2023年シーズンから新たにオスカー・ピアストリがドライバーとして加わる。チームメイトはすでに実績十分のランド・ノリスだが、この2人の間で緊張が生じる可能性は少ないと、元チーム代表のアンドレアス・ザイドルは語っている。

 アルピーヌとの契約問題などがありつつも、最終的にマクラーレン加入が決まったピアストリ。F1へのチャンスに“飢えていた”2021年のFIA F2王者の加入は、これまでノリスとダニエル・リカルドのコンビによりラックスした雰囲気のあったチーム内に、新たな動きを起こす可能性があるように見える。

 ピアストリの能力についてはチーム側もお墨付きを与えており、CEOのザク・ブラウンは2023年シーズンの見通しに関して次のように語っている。

「彼に対して、この日までにこの目標を達成しろだとか、そういった期待をしているわけではない。ランドはF1でも並ぶ者の無い速さを持つ人物なんだ」

「レースに勝てるマシンがあれば、彼は何勝もしていただろうと思うし、それはおそらく皆が同意するところだろう」

「つまり、オスカーは世界で最も速いドライバーのひとりのチームメイトとなるわけだ。だが、個人的には、オスカーがいずれ(ノリスに)挑戦することを大いに期待している」

 そして2022年限りでマクラーレンを離れた元代表のアンドレアス・ザイドルは、離脱前に行なわれたインタビューで、ピアストリが加入してもチーム内に緊張が生じるリスクがあるとは考えていないと語っていた。

Lando Norris, McLaren, in cockpit

Lando Norris, McLaren, in cockpit

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

「正直に言って、私はそういったことは考えていない」

 ピアストリの加入によるチーム内の緊張について聞かれたザイドルはそう語った。

「当然ながらドライバーはひとりひとり、そのパーソナリティやキャラクターが異なっており、それがふたりの間でまた違った関係に繋がってくる可能性はある」

「しかしどの関係が良いとか悪いとか、必ずしもそういうことになるわけでもない。結局のところ、その人となりやキャラクター、ドライバーとしても、これまでのオスカーとの交流から、ノリスと何か問題が起こるとは思っていない」

 なおブラウンCEOはピアストリの人格も非常に高く評価している。彼はアルピーヌとの契約を巡る問題が取り沙汰されていた時期の対応を例に挙げ、次のように称賛した。

「この夏、彼の行動は非常に印象的なものだった」

「オットマー(サフナウアー/アルピーヌ代表)のオスカーに対するコメントは非常にアンフェアかつ不正確なものだった」

「しかしオスカーはこのプロセスを通じて、非常に成熟した態度を示していた。これで21歳だというから印象的だったよ。プレッシャーやスポットライトを浴びせられても、彼は動揺することなく、落ち着き払っていた」

「彼は将来のスターだと思う。重要な点は彼が(2022年に)レースをしていないというのを理解することだ。我々はあまりテストもしていないんだ。これはオスカーに限ったことではないが、プレシーズンテストがもっと長ければ良いのにとも思う。事実上彼は1日半のテストを効果的に使う必要があるわけだが、これはあまり十分な時間ではない」

「彼は競争力を発揮するだろうし、ランドをプッシュしていくだろう。我々は彼にチームに馴染む時間を与える必要があるだけだ。オスカーは非常に真面目なドライバーだし、準備はできている」

 ノリスはこれまで、チームメイトとは良好な関係を築いてきた。リカルドとは親密な姿も見せたが、ノリスは全てのドライバー間で敬意を払っていると語っている。

 リカルドとの関係について聞かれた際、ノリスは「もちろん、友達以上の関係だ」と答えた。

「でも、僕はどのチームメイトとも常にいい関係を築いてきたと思うよ。コースの外でも中でもいい関係を築いてきたと思う」

「僕は一緒にいるドライバーたちとは、常にしっかりと敬意を払ってきているんだ」

 
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