F1エミリア・ロマーニャ:流れも味方にハミルトンが逆転優勝。ホンダ勢に災難続くも、クビアト4位

F1第13戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝を飾った。

F1エミリア・ロマーニャ:流れも味方にハミルトンが逆転優勝。ホンダ勢に災難続くも、クビアト4位

 F1第13戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが、イモラ・サーキットで行なわれた。優勝したのは、メルセデスのルイス・ハミルトンだった。

 2006年のサンマリノGP以来となる、イモラでのF1グランプリ。F1史上初の2デイ開催となり、各チームがロングランのデータが十分ない中で決勝に臨んだ。気温は17度、路面温度は24度というドライコンディションだ。

 スタート前のグリッドでは、アルファタウリのクルーが4番手のピエール・ガスリーのマシンを囲み慌ただしい動きを見せていた。また、2番グリッドのハミルトンのマシンも、一時シートを外してクルーが調整していたが、結局全車がグリッドを離れ、フォーメーションラップに向かった。

 ポールポジションのバルテリ・ボッタス(メルセデス)、ハミルトン、マックス・フェルスタッペン(フェルスタッペン)は予選Q2をミディアムタイヤで突破したため、ミディアムタイヤでのスタート。タイヤを自由に選択できる11番手以下はほとんどがミディアムタイヤスタートを選択した。ただひとり、20番手のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)が新品のソフトタイヤを選んだ。

 63周のレースがスタートすると、ボッタスが素早い反応を見せ、首位のポジションをキープした。その後方ではハミルトンとフェルスタッペン、ガスリーが3台横並びになりかける場面もあったが、ここでフェルスタッペンが2番手を奪った。4番手にはダニエル・リカルド(ルノー)がつけ、ガスリーはひとつポジションを下げてしまった形だ。

 後方ではケビン・マグヌッセン(ハース)がセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)と接触しスピン。ランス・ストロール(レーシングポイント)はフロントウイングを痛め、緊急ピットインしハードタイヤに交換した。

 トップ3はファステストタイムを叩き出し合いながら、お互いに1秒前後の差で隊列から抜け出していく。ハミルトンは失ったポジションを取り戻そうと、ラインを変えてオーバーテイクをしかける素振りを見せるが、無線では『(乱流の影響で)ついていくのがつらい』と訴えた。

 5番手のガスリーもリカルドのDRS圏内を伺う位置からなかなかオーバーテイクにまで至らない。すると、8周終わりでガスリーはピットへ。早めのタイヤ交換かと思いきや、マシンに大きなトラブルを抱えているとエンジニアから告げられた。アイルトン・セナをトリビュートした特別ヘルメットで今回のレースに挑んでいたガスリーだったが、これで無念のリタイアとなってしまった。水圧低下がリタイアの原因だったという。

 フェルスタッペンはボッタスと少し距離を空けたものの、トップ3台が約3秒以内の僅差のまま周回を重ねていく。

 ジョビナッツィが10周目にソフトタイヤからミディアムタイヤへ交換。13周目には5番手を走っていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)をはじめ、9番手のランド・ノリス(マクラーレン)、11番手のエステバン・オコン(ルノー)が立て続けにピットイン。ルクレールとオコンはソフトからハードタイヤに交換した。ノリスはミディアムタイヤを履いた。

 その翌周にはリカルド、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)、ダニール・クビアト(アルファタウリ)もピットに入り、ソフトタイヤからハードタイヤに交換した。17周終わりには、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)がピットに入り、ソフトタイヤでスタートしたマシンが全車ピットを済ませた。

 首位を走るボッタスにもムチが入り、ファステストラップを連発。レッドブルはハミルトンからのアンダーカットを警戒したか、18周を走りきったところでフェルスタッペンはピットインしハードタイヤに交換した。翌周にボッタスがピットに入るが、貯金を作っていたおかげでフェルスタッペンの前、首位でコースに復帰した。

 これで前がいなくなったハミルトンには、「スティントを伸ばすぞ」という無線が飛ぶ。これを受けて、ハミルトンはファステストラップを連発。見えない敵に対して差を縮めた。一方、ハードタイヤに履き替えたボッタスはフロアにダメージを負っているようでペースは振るわず、後方からフェルスタッペンがDRS圏内まで接近した。しかし抜くのは難しく、フェルスタッペンはボッタスのペースに付き合わされる格好だ。

 ハミルトンは、ボッタスやフェルスタッペンと遜色ないペースのまま、周回遅れもかき分けながら周回を重ねていった。

 後方ではペースが悪くなったマグヌッセンを抜けず、タイヤ交換を済ませたマシンが詰まる形に。この影響か、11番手スタートから27周をミディアムタイヤで走っていたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)がピットインを終え、リカルドの前に出た。

 29周目、オコンがマシントラブルによりコースサイドにストップし、バーチャルセーフティカー(VSC)が出された。ハミルトンはこのタイミングでピットストップ。VSCはすぐに解除されるが、これでハミルトンが悠々首位に立った。

 レース折り返しを過ぎ、ハミルトンはボッタスに対し5秒リード。しかしマシンにダメージを抱えるボッタスにはハミルトンを追う力はなく、徐々にその差は開いていく。かといってフェルスタッペンが簡単にボッタスを抜けるような状況ではなく、2番手争いは膠着状態が続いた。

 スタートからミディアムタイヤで走行を続けていたベッテルは、40周目にピットイン。ポイント圏内を争う位置でコースに復帰できるとみられたが、タイヤ交換に手間取り10秒以上のロス。結局14番手でコースに復帰した。

 42周目、ボッタスはターン17でオーバーシュート。グラベルを踏み挙動を乱した。このチャンスを逃すまいと、フェルスタッペンが接近。DRSを使って接近すると、ターン2でアウト側からボッタスをねじ伏せ、2番手に浮上した。ボッタスを抜いた後、フェルスタッペンは一気に1周1秒以上ペースが上がるも、すでにハミルトンは13秒前方だ。

 スタートからミディアムタイヤで走り続けていたキミ・ライコネン(アルファロメオ)は、48周を走り終えてついにピットイン。12番手でコースに復帰した。これで全車がピットイン義務を済ませた。同時に、マグヌッセンがピットに戻りリタイア。ギヤシフトのたびに『酷い頭痛がする』とマグヌッセンが訴えるほど、大きな振動が発生していたようだ。

 51周目、2番手を走っていたフェルスタッペンがターン5でまさかのスピン。スロー映像を見る限り、突如右リヤタイヤがバーストしてしまったようだ。これでセーフティカー(SC)が出動した。ボッタスはピットインし、ソフトタイヤへ交換。ハミルトンも翌周にピットに入った。

 ハミルトンの首位は変わらず、ボッタスが2番手。ステイアウトしたリカルド、ルクレール、アルボンが続いた。6番手ペレス以下、クビアト、サインツJr.、ノリス、ライコネンまでがポイント圏内だ。

 SC中には、タイヤを暖めようとしていたジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が挙動を乱しクラッシュ。またピットインしたストロールが所定の位置に停まれず、フロントジャッキ担当が弾き飛ばされるシーンもあった。

 レース再開は58周目。ハミルトンは危なげなくトップをキープ。後方ではクビアトがペレスとアルボンをオーバーテイク。アルボンはペレスとのバトルの中でスピンを喫し最後尾まで後退してしまった。

 タイヤが新しいクビアトは勢いそのまま、ルクレールをも攻略、4番手に浮上した。タイヤのウォームアップが間に合ったか、3番手のリカルドが表彰台を目指すクビアトの前に立ちはだかる形となった。DRSを使ってリカルドを攻め立てるクビアトだったが、DRS圏外でファイナルラップに突入した。

 ハミルトンは、ファイナルラップに1分15秒484のファステストを叩き出し圧巻の通算93勝目。ボッタスが2位に入り、メルセデスは7年連続のコンストラクターズチャンピオンに輝いた。

 3位は今季2度目の表彰台獲得となったリカルド。クビアトは惜しくも表彰台に届かず4位だったが、ホンダ勢に災難が続く中、唯一ポイントを獲得した。

 5位以下はルクレール、ペレス、サインツJr.、ノリス、ライコネン、ジョビナッツィまでがポイント獲得。アルファロメオは、今季初めて2台が揃ってポイントを獲得した。

 

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順位 ドライバー 周回数 タイム 前車との差 平均速度 ポイント
1 United Kingdom ルイス ハミルトン 63 -       26
2 Finland バルテリ ボッタス 63 5.783 5.783 5.783   18
3 Australia ダニエル リカルド 63 14.320 14.320 8.537   15
4 Russian Federation ダニール クビアト 63 15.141 15.141 0.821   12
5 Monaco シャルル ルクレール 63 19.111 19.111 3.970   10

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