予算制限はF1を変えた。レッドブル、開発競争の違いを実感「以前とは”規律”が変わった」

F1の予算制限は、開発競争の”規律”を変えたと、レッドブルのチーフエンジニアであるポール・モナガンは語った。

Sergio Perez, Red Bull Racing RB18

 2021年からF1に導入された予算制限。レッドブルは、これにより開発競争が以前とは変わったと考えているようだ。

 ビッグチームであるレッドブル、フェラーリ、メルセデスは予算制限が施行されてからも支配力を発揮しているものの、時間の経過と共に競争力が平準化され、シリーズがより持続可能なものになると期待されている。

 一方で、2022年は新しいレギュレーションが導入された影響もあって、レッドブルが22戦17勝をマーク。2013年以来となるダブルタイトルを獲得した。

 シーズン中盤に主要なライバルであるフェラーリを引き離すことに成功したが、2023年は厳しい戦いが待っているかもしれない。2021年の予算を超過したことにより、空力開発時間が10%削減されているからだ。

 予算制限のプレッシャーの中で、パフォーマンスを維持することがどれほど困難だったかと尋ねると、レッドブルのチーフエンジニアであるポール・モナガンは次のようにmotorsport.comに語った。

「それは規律を変えてしまったんだ」

「以前はより大きな、より多くの費用がかかる可能性のある側面について検討することができた。それができるほど、非常に恵まれた立場にいたんだ」

「しかし、それが少し変わってしまった。そのため、我々のエンジニアリング部門はそのルールに適応するように変化してきた。以前は引き受けたことも、今は引き受けることができないんだ」

 モナガンは、この予算制限は「両刃の剣」であり、シーズン中に勢力図を変えられるような能力を失うことにもなりかねないと指摘した。一方で彼は、次のようにも付け加えている。

「それは他のチームにとっても同じだ。みんなが楽しめるルールになったんだ。みんな同じ。どうなるか見てみよう」

 予算制限の影響で、各チームはより慎重にマシンを開発するようになった。モナガン曰く、例年ならシーズン終盤に持ち込まれていたような”ちょっとしたパフォーマンス”をもたらすアップデートが、予算制限によって2022年マシン『RB18』に導入されなかったという。

 それでも、ライバルたちと比べて適切な開発ができたことが、レッドブルの大勝につながったと彼は話した。

「規律のあり方が違うんだ。開発速度を維持するために、価値の低いパーツではなく、適切なパーツを作ったかのかという疑問を、別の形で投げかけられているんだ」

「ライバルと比較して、我々はその質問にイエスと答えると思う」

 
関連ニュース:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 F1とNetflixの大人気ドキュメンタリー『Drive to Survive』シーズン5のリリース予定を公開。フェルスタッペンも出演
次の記事 【ギャラリー】懐かしのマシンから最新モデルまで! 東京オートサロンに集合したレーシングマシンおまとめ号

Top Comments

最新ニュース

バスティアニーニ、地元戦3位は「素晴らしいこと」雨の難コンディションに”乗り換えが正解か?”と疑心あったと明かす

バスティアニーニ、地元戦3位は「素晴らしいこと」雨の難コンディションに”乗り換えが正解か?”と疑心あったと明かす

MGP MotoGP
Misano Official Testing
バスティアニーニ、地元戦3位は「素晴らしいこと」雨の難コンディションに”乗り換えが正解か?”と疑心あったと明かす
F3ランク2位のミニ、マグヌッセンの代役でF1参戦のベアマンに代わり”ひと足早く”F2昇格「来季に向け絶好のチャンスになる」

F3ランク2位のミニ、マグヌッセンの代役でF1参戦のベアマンに代わり”ひと足早く”F2昇格「来季に向け絶好のチャンスになる」

F2 FIA F2
Baku
F3ランク2位のミニ、マグヌッセンの代役でF1参戦のベアマンに代わり”ひと足早く”F2昇格「来季に向け絶好のチャンスになる」
いざ母国・日本戦へ。トヨタ、WEC富士に向け意気込み語る。小林可夢偉「ここでは10戦9勝。その記録を更新することが目標」

いざ母国・日本戦へ。トヨタ、WEC富士に向け意気込み語る。小林可夢偉「ここでは10戦9勝。その記録を更新することが目標」

WEC WEC
いざ母国・日本戦へ。トヨタ、WEC富士に向け意気込み語る。小林可夢偉「ここでは10戦9勝。その記録を更新することが目標」
ヒョンデ代表、2026年以降のWRC参戦は未確定事項と明かす。ヌービルとの1年契約が撤退の噂加速させるも「今発表できるのがそれだけなんだ」

ヒョンデ代表、2026年以降のWRC参戦は未確定事項と明かす。ヌービルとの1年契約が撤退の噂加速させるも「今発表できるのがそれだけなんだ」

WRC WRC
Rally Greece
ヒョンデ代表、2026年以降のWRC参戦は未確定事項と明かす。ヌービルとの1年契約が撤退の噂加速させるも「今発表できるのがそれだけなんだ」

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

エディション

日本 日本