F1 イタリアGP

”強心臓”ホンダPUだからこそ為せる戦略。レッドブル、モンツァでの最高速低下について「他よりダウンフォースは多い」

今季ここまで、直線パフォーマンスが強みと言われてきたレッドブル『RB18』だが、イタリアGPのスピードトラップでは10チーム中9番目となっている。その理由をレッドブルのテクニカルディレクターが説明した。

Matt Kew

Matt Kew

編集: 2022/09/10 14:48

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Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

 レッドブルは、F1にV6ハイブリッドターボが導入されてからの8シーズンとは異なり、テクニカルレギュレーションが変わった今季は直線パフォーマンスを武器に高速サーキットで一貫した強さを見せつけてきた。

 今季は開幕からコーナリングのフェラーリ『F1-75』、直線のレッドブル『RB18』と謳われ、サウジアラビアGPの予選・決勝、マイアミGPの予選ではコース上に設置されたスピードトラップではレッドブルの2台が直線パフォーマンスの高さを発揮していた。

 ”スピードの殿堂”とも言われるほど長いストレート区間を持つモンツァで開催されるイタリアGPでは、レッドブルが再び優れた直線パフォーマンスを見せつけるというのがもっぱらの下馬評だった。しかしグランプリ初日を終えた段階では、レッドブルはスピードトラップで10チーム中9番手。最も遅いハースから約1.6km/h速いだけで、フェラーリからは約10km/hほど遅いという状況だった。

 motorsport.comの調べでは、レッドブルが第1シケインからクルヴァ・グランデ、第2シケイン、アスカリ、クルヴァ・アルボレート(旧パラボリカ)でフェラーリより速いことが分かっている。一方で、フェラーリは効果的なデプロイメントを武器に、ストレートでタイムを稼いでいる。

 レッドブルでテクニカル・ディレクターを務めるピエール・ワシェに、このストレートでの遅れについて尋ねると、意図的に比較的高いダウンフォースを発生させるリヤウイングを装備させているためだと明かした。

「まず、エンジンによるものではないことは確かだ」

 そうワシェは言う。

「これは明らかに、マシンに施したダウンフォースレベルによるものだ。他のマシンと比べて、ダウンフォースは高いように見える」

「見ての通り、他のサーキットと比較してもリヤウイングを変えていない。ライバルは変えていて、それがトップスピードの領域に影響しているんだ」

Sergio Perez, Red Bull Racing RB18

Sergio Perez, Red Bull Racing RB18

Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images

 レッドブルは、イタリアGPにDRSフラップの後端を切り詰めた低ドラッグ仕様のリヤウイングを持ち込んでいるが、それでも他チームと比較しても大きいフラップになっている。ダウンフォースを切り詰めて走ることが求められる中でのこのウイングの選択は、いかに搭載されている”ホンダ製”パワーユニット(PU)の出力が高いかを示唆している。

「我々は3つのリヤウイングでシーズンを区切っている。それら3つのリヤウイングを中心にコントロールしていくのだ」

 そうワシェは続ける。

「もちろん、他のチームもやっているように、ビームウイングもその一部になる」

「しかし、我々はマシン全体を様々な理由で開発している。もちろん、ダウンフォースの面で効率を求めることもあるが、予算の効率性も重要になる」

 レッドブルがモンツァで取った過去の戦略では、2013年では7速のギヤ比を短くすることでコーナーからの立ち上がりに重点を置いた。最高速は落ちたものの、ストレート前半でライバルを引き離すことができるそのセットアップもあり、セバスチャン・ベッテルがその年のイタリアGPを制している。

 ただ、同様の戦略を採るために今年のイタリアGPでマックス・フェルスタッペンがICE交換によるグリッド降格ペナルティを受ける訳ではないとワシェは強調する。

 チーム代表のクリスチャン・ホーナー曰く、今回の交換はPUの技術サプライヤーであるホンダ・レーシング(HRC)からのアドバイスに従ったモノだという。

「エンジンパートナーからのアドバイスで、このペナルティを受けることにしたのだ」

 そうホーナーは言う。

「ここでの5グリッド降格というのは、それほど厳しいモノではない。だから残り7戦のためにエンジンを追加するのは、戦略的に正しいことだと我々も考えたのだ」

 レッドブルは今後、イタリアGPでICEを交換したフェルスタッペンに対して、ペナルティに繋がるパワーユニットコンポーネントの交換を行なわないことを目指していると見られている。

 

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